いつから放置してるんだかもう記憶にない、ブログ開設3日目に仕掛けた罠への自爆ドボン作。読み直すだけでは書けない気がしてきたので、修正しながら1話から順にアップしていきます。
素敵な獲物さん作でなくて、ほんと申し訳ないです。(´・ω・`)
魔人の駄作なんて、興味ないし!という99パーの方はバックプリーズ。
暇つぶしのために読んでやるぜ!という勇者さんのみ読んでくださいね。(;´▽`A``
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
逃げる彼女をつかまえろ!<1><2><3><4><5><6><7><8><9><10><11><12><13><14><15><16><17><18><19><20><21><22>
逃げる彼女をつかまえろ!第23話
「ん?蓮、どうかしたのか?」
直前にかかって来た電話応対の為、担当俳優から遅れること数分でスタジオ入りしたマネージャーの社は、入り口付近に突っ立ったままの蓮を見つけ、声をかけた。
「社さん……あの……最上さん…が」
「ん?キョーコちゃんがどうかしたのか?」
「…俺の知らない男と…いるんです」
「いる?いたじゃなく、現在進行形?」
「はい、あの…奥…衝立が見えるでしょ?あそこにいるんです」
そう言って蓮が指差したのは、スタジオの左手の隅で、そこには確かに衝立が見えた。
「ああ、アレ、ね」
大きなスタジオの隅に無理矢理作った感がある半個室的なそこ。社にはすぐにそれが何のために設置されたものなのか見当がついた。いつもなら蓮もわかっただろう。
二人は、「京子」がああいう場所を利用している姿をこれまでに何度も見てきたのだから。
そこに2人いるなら、理由はひとつしかなく、相手が誰かも明白。
しかし、今の蓮には見当もつかなかった。「恋は盲目」を広範囲(?)で絶賛体験中な彼には。
「キョーコちゃん、通信教育受けていただろ?」
「はい」
「その先生の授業を受けているんだと思うぞ。直接勉強をみてもらう予定があるとか、聞いた覚えがあるし」
「そ…うですか。でも…親しげでした」
(なるほど。ソコが気になるわけだ?)
「通信教育ももう何か月か受けてるし、それ以前にもキョーコちゃんのことだから、挨拶ぐらいしてるだろ?直接授業だって、今日が始めてじゃないかもしれないし」
(ま、親しげじゃなくとも、こいつはスルーなんてできないだろうけど)
なかなか鋭い社氏。全部当たりである。しかし、それでも納得した様子をみせない蓮は、顔を歪めて本音を零した。
「通信でいいじゃないですか……二人きりで直接授業受ける必要なんて……」
(とにかく、嫌なんだな。でも、周囲がちゃんと見守ってくれてるのがよくわかる場所選択だよな)
「だから、スタッフの計らいで、個室じゃなくて、ああいう場所を用意してくれてるんだろ?皆キョーコちゃんが大好きなんだし、危険に巻き込まれないよう配慮してくれてるじゃないか!……ほら、馬鹿みたいにスネてないで、仕事してこい!」
「す、スネてなんて!!」
「ま、いいから。仕事だ、蓮」
今のキョーコ程ではないが、業界一とも言える仕事量を誇る蓮には、こんなところで油を売っている時間などないのだ。
「はい」
「お前、その様子じゃ、監督への挨拶すらまだだろ……キョーコちゃんのことで頭が一杯なのはわかるが、ちゃんと敦賀蓮としてヤルことはやってきてくれよ」
「すみません」
萎萎と大きな背中を丸めながら、ちっとも敦賀蓮らしく見えない歩き方で、監督の下に向かう様子を眺めながら、社は今後の対策を考え出していた。
(最近はスッカリ我慢の利かない奴になっちゃったよなー)
しみじみと、担当俳優の暴走の日々を振り返ってみて、ちょっと悪寒がしてきてしまうのは仕方がないこと。
(暴走する前にご飯あげないと、マズそう……)
蓮が言う、“キョーコには息抜きが必要”というのも間違いではない。
しかし、蓮の希望を叶えたところで、それがキョーコにとって、息抜きになるとは限らない。社ですら怖いと思う“闇の国の蓮さん”の出現率の高さから言えば、ストレスを与えるだけということも有り得るのだ。
(俺がどうこうするのも駄目だろうし……社長や椹さんに相談するしかないか)
以前なら蓮とキョーコのスケジュールを調節することで、蓮へのご褒美の機会は作り出すことができた。今はそれができない。
キョーコなら蓮の我が儘にも、直接請われれば応えるだろうし、社から頼んでもなんとかしてくれるかもしれないが、それは大人がすべきことではないのだ。
(正直に言えば、キョーコちゃんに息抜きをさせたいのなら、ラブミー部員で遊びに行くなり、食事に行くほうが余程気が晴れるだろうしなー)
「ううーん」
そう唸る美形マネージャーの姿もなかなか素敵!と言いたいとことではあるが、悩みに集中する余りに、意識せぬまま中途半端なブリザードを噴出させてしまった為に、スタジオ出入り口には謎の霧が発生していた。
よって、社の姿は霧の中。
誰にも邪魔されずに数分しっかり考え抜いた彼は、霧を残したまま、電話をかけに廊下へと出て行ったのであった。
<24>に続く
ここからどうしましょー。
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直前にかかって来た電話応対の為、担当俳優から遅れること数分でスタジオ入りしたマネージャーの社は、入り口付近に突っ立ったままの蓮を見つけ、声をかけた。
「社さん……あの……最上さん…が」
「ん?キョーコちゃんがどうかしたのか?」
「…俺の知らない男と…いるんです」
「いる?いたじゃなく、現在進行形?」
「はい、あの…奥…衝立が見えるでしょ?あそこにいるんです」
そう言って蓮が指差したのは、スタジオの左手の隅で、そこには確かに衝立が見えた。
「ああ、アレ、ね」
大きなスタジオの隅に無理矢理作った感がある半個室的なそこ。社にはすぐにそれが何のために設置されたものなのか見当がついた。いつもなら蓮もわかっただろう。
二人は、「京子」がああいう場所を利用している姿をこれまでに何度も見てきたのだから。
そこに2人いるなら、理由はひとつしかなく、相手が誰かも明白。
しかし、今の蓮には見当もつかなかった。「恋は盲目」を広範囲(?)で絶賛体験中な彼には。
「キョーコちゃん、通信教育受けていただろ?」
「はい」
「その先生の授業を受けているんだと思うぞ。直接勉強をみてもらう予定があるとか、聞いた覚えがあるし」
「そ…うですか。でも…親しげでした」
(なるほど。ソコが気になるわけだ?)
「通信教育ももう何か月か受けてるし、それ以前にもキョーコちゃんのことだから、挨拶ぐらいしてるだろ?直接授業だって、今日が始めてじゃないかもしれないし」
(ま、親しげじゃなくとも、こいつはスルーなんてできないだろうけど)
なかなか鋭い社氏。全部当たりである。しかし、それでも納得した様子をみせない蓮は、顔を歪めて本音を零した。
「通信でいいじゃないですか……二人きりで直接授業受ける必要なんて……」
(とにかく、嫌なんだな。でも、周囲がちゃんと見守ってくれてるのがよくわかる場所選択だよな)
「だから、スタッフの計らいで、個室じゃなくて、ああいう場所を用意してくれてるんだろ?皆キョーコちゃんが大好きなんだし、危険に巻き込まれないよう配慮してくれてるじゃないか!……ほら、馬鹿みたいにスネてないで、仕事してこい!」
「す、スネてなんて!!」
「ま、いいから。仕事だ、蓮」
今のキョーコ程ではないが、業界一とも言える仕事量を誇る蓮には、こんなところで油を売っている時間などないのだ。
「はい」
「お前、その様子じゃ、監督への挨拶すらまだだろ……キョーコちゃんのことで頭が一杯なのはわかるが、ちゃんと敦賀蓮としてヤルことはやってきてくれよ」
「すみません」
萎萎と大きな背中を丸めながら、ちっとも敦賀蓮らしく見えない歩き方で、監督の下に向かう様子を眺めながら、社は今後の対策を考え出していた。
(最近はスッカリ我慢の利かない奴になっちゃったよなー)
しみじみと、担当俳優の暴走の日々を振り返ってみて、ちょっと悪寒がしてきてしまうのは仕方がないこと。
(暴走する前にご飯あげないと、マズそう……)
蓮が言う、“キョーコには息抜きが必要”というのも間違いではない。
しかし、蓮の希望を叶えたところで、それがキョーコにとって、息抜きになるとは限らない。社ですら怖いと思う“闇の国の蓮さん”の出現率の高さから言えば、ストレスを与えるだけということも有り得るのだ。
(俺がどうこうするのも駄目だろうし……社長や椹さんに相談するしかないか)
以前なら蓮とキョーコのスケジュールを調節することで、蓮へのご褒美の機会は作り出すことができた。今はそれができない。
キョーコなら蓮の我が儘にも、直接請われれば応えるだろうし、社から頼んでもなんとかしてくれるかもしれないが、それは大人がすべきことではないのだ。
(正直に言えば、キョーコちゃんに息抜きをさせたいのなら、ラブミー部員で遊びに行くなり、食事に行くほうが余程気が晴れるだろうしなー)
「ううーん」
そう唸る美形マネージャーの姿もなかなか素敵!と言いたいとことではあるが、悩みに集中する余りに、意識せぬまま中途半端なブリザードを噴出させてしまった為に、スタジオ出入り口には謎の霧が発生していた。
よって、社の姿は霧の中。
誰にも邪魔されずに数分しっかり考え抜いた彼は、霧を残したまま、電話をかけに廊下へと出て行ったのであった。
<24>に続く
ここからどうしましょー。
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