いつから放置してるんだかもう記憶にない、ブログ開設3日目に仕掛けた罠への自爆ドボン作。読み直すだけでは書けない気がしてきたので、修正しながら1話から順にアップしていきます。

(投稿済みだった分の加筆修正は終了し、現在は書いてすぐアップという、通常運転な危険投稿を繰り返しています)←誤字脱字ありまくり

素敵な獲物さん作でなくて、ほんと申し訳ないです。(´・ω・`)

魔人の作なんて、興味ないし!という99パーの方はバックプリーズ。

暇つぶしのために読んでやるぜ!という勇者さんのみ読んでくださいね。(;´▽`A``



逃げ足◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇逃げ足
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逃げる彼女をつかまえろ!第26話


(急だったけど、なんとかちゃんとしたモノを作れてヨカッタ!)

事務所内にあるカフェで蓮と自分のお弁当を作り終えた最上キョーコは、ウキウキとした足取りでラブミー部室に向かっていた。

「あっ!!」

(そういえば、部室に行くのは久し振りだけど、お茶の葉が切れていたりしないかしら?……ん~!!まだ、敦賀さんがみえるまでに時間があるだろうし、なかったら自販機にでも買いに行けばいいわよね、うん!)

考えてみれば、ラブミー部員の仕事をしなくなって随分経つ。

他事務所所属の天宮千織はともかく、LME芸能プロダクションに所属はしていても、それはあくまでも仮契約であり、未だ正式デビューに至っていないキョーコと親友の琴南奏江のメインの仕事はラブミー部への依頼をこなすことだった筈だ。

ラブミー部として受けた仕事を済ますことでもらえる「スタンプ帳」のポイントはんこ。

それがたまったら正式デビューという約束だったが、キョーコも琴南奏江もすでに自力で活動を開始しており、事務所から社長のプロデュースで大々的にデビューという元々の約束も忘れがちである。

今では只正式契約して「認めてもらう」ことだけを目指している感もある二人。

担当マネージャーがつけば、今は来たものの中から受けているだけの仕事も、売り込みなどにより幅が広がるだろうし、信頼できる大人が常にフォローしてくれるというのは安心だとは思う。

本人評価が「未だ正式契約もしてもらえない半人前以下の芸能人」であろうと、すでに若手実力派女優としてNO.1の評価を受け、女優としてもタレントとしても超がつく程の売れっ子状態になっていることは、器用にもすぐに忘れてしまう重度の自分卑下病患者最上キョーコ。

その曲がりくねった思考では、今後二人につくマネージャーの仕事が「仕事獲得ではなく」、スケジュールのやりくりとボディーガード業務だという考えには至らない。

(あ!でも、モー子さんみたいなビューティホーな子には、安全の為にもマネージャーがついていたほうがいいわよね!!うんうん!!必要よね、ボディーガード!!!)

いや!ボディーガードは君にも必要ですからっ!!!

という業界&事務所関係者のツッコミと心配にも気づかない。

あまり使用することがなくなった部室のドアが見えたあたりで、少し寂しくなってきたキョーコ。

(きっとモー子さんなら、あと1年もかからずに卒業できちゃうわよね)

自慢の親友は自分の様な出来損ないではない。

あのツンデレに隠された愛情深さが素直に出せるようになれば、卒業なんて簡単に違いない。

(でも私は……ううん!今考えても仕方が無いわ!!ちゃんとお仕事ももらえてるんだし!大学にも行けそうだし!!例えクビになっても、なんとかなるわ!きっと!)

前向きなんだか後ろ向きなんだかわからない結論を出したキョーコは、部室のドアを開けた。

「えっ!敦賀さん?」

中にはすでに大先輩である敦賀蓮の姿があった。

「すみません、もしかしてお待たせしましたか?」

「っ!!ヨカッタ……もしかして……来ないんじゃないかと……」

「??敦賀さん?」

部室の椅子に腰掛け、テーブルの上に顔を伏せていた蓮は、情けなさ全開の顔でキョーコを見つめた。

本日も仔犬モードらしい、蓮の顔を見て、キョーコの庇護欲がムクムクと沸き上がる。

「えーと、折角なので、久し振りにお弁当でも……と思いまして」

「うん」

「上のカフェで作らせていただいてたんです」

「そ、う……なんだ、嬉しいよ」

「あ、あのっ……敦賀さん?」

いつのまにか立ち上がり、キョーコの手にあったお弁当や鞄を取り上げ、テーブルの上に置いた蓮。

いつのまにか、蓮の腕の中にいるキョーコ。

「うん。少しだけこのままで。お願い」

そうして頭の上に落とされるキス。

肩の辺りを、キョーコの存在を確かめるようにして何度も撫でる大きな手。

数分後。

ホッとしたかのように力を抜いた蓮は、漸くキョーコを己の腕の中から解放した。

キョーコの方も、思いがけず敦賀セラピーを受けることが出来、癒やされていた。

そして、久し振りに一緒に取る食事。

「……美味しい」

一口食べる度に、心底幸せそうに微笑む蓮。

その様子を見て、キョーコもまた幸せな気持ちになる。

「すみません、お弁当のご依頼をいただいていたのに、長い間お待たせして……」

「……いや……最上さんも忙しいのに……ごめん……無理を言って」

「いえ、敦賀さんに比べたら、私なんて暇と言えるぐらいです、きっと!それに、今は受験のこともあって、余裕のあるスケジュールを組んでいただいておりますし!」

受験体制に入る前は、蓮越えの超絶スケジュールをこなしていた少女。

今もかなりハードな生活を送っているだろうにその自覚は相変わらずない少女。

何も悪いことをしていないのにも関わらず、申し訳なさそうな顔で蓮を見つめる少女。

売れっ子になっても変わらないその姿に、蓮の中にあった不安が少しづつ溶け消えていく。

「前回のお弁当は料理番組の収録時に作らせていただいたので、ちょっと栄養が偏っていたのですけど、今回は野菜中心に作れたんですよ。有機野菜をわけていただけたので、嬉しくなって作りすぎちゃいましたけど……」

「うん。あのドラマの読み合わせのときだよね。あれも……美味しかったよ。今日のも凄く美味しい」

甘い笑顔をボトリボトリと、着々と空になっていくお弁当箱に落としまくるようにして食べすすめる蓮。

「有り難うございます」

キョーコの顔には自然とキューティーハニースマイルが浮かぶ。

それを正面で受け、蓮の箸は数秒止まったが、そのあと倍速で動きだした。

「そういえば、随分沢山用意してくださったんですね。お茶が切れていたら買いにいこうと思ってましたので助かりましたけど」

キョーコの視線の先には沢山のドリンクとフードの包みがあった。

テーブルに並べられた、お茶と、珈琲と、カフェオレ、ミネラルウォーター、計6本のドリンク。

「デザートまで……」

「う、うん」

「……お握りと、菓子パン?」

ムシャムシャとキョーコの手作り弁当を頬張りながら、視線を逸らす蓮。

コーヒーゼリーやプリン、クッキーのデザート類5個。

お握り2個に、菓子パン2つ。

二人きりで過ごせるラブミー部室から出ないための篭城食品である。

「お弁当を用意してもらえるなんて思わなくて……。外に食べに行くより、最上さんとここで過ごしたかったから……」

逸らされていた視線が戻ってきたとき、そこには熱がこもっていた。

それは、お弁当を食べ終え、飲んでいたお茶のボトルをテーブルに戻したキョーコを直撃した。

テーブルの向こうで、立ち上がった蓮。

動揺するキョーコの前まで来ると、首からネクタイを抜き、シャツのボタンを開けていった。

「え?つ、敦賀さん?」


<27>に続く

こらこら蓮さん!何してるのかね!?

非常に反応の少ない魔人駄作。(´・ω・`)
感想コメント(コメ欄&拍手コメ欄より)お待ちしております!


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