拍手御礼からの移動です。
少しだけ加筆修正しています。

臭い部屋となった訳は中編、後編で出てきます。
男性批判で書いて訳ではありませんので、そのあたりはツッコミなしでお願いいたします。



なんとなくな小話
「恐怖の設定~熱帯夜明けの部屋の中~前編」


「コラー、起きろ~!!」

朝の8時。

声を張り上げながら、その襖を開けたユキは久々に嗅ぐその臭いに辟易しながらも、己の任務を遂行した。

「もぉ、何この部屋!暑いし、臭いよ!!もぉーーーーー!!」

ただし、盛大に文句を垂れながら。

「ゔぁっ!!」

「ぐっっ!」

部屋の中に転がっている大きくて邪魔なモノたちを順番に蹴り飛ばし、踏んづけながら窓に向かい、カーテンと窓硝子を開ける。

「んぎゃっ!ふ、踏むな~!」

「痛ててっ!蹴るなよぉ~!」

「ユキぃ、踏んで起こすなんて、酷すぎないかぁ~!」

「こんな時間まで寝こけてるほうが酷いわっ!起きろぉ!!」

部屋の中にいる邪魔なモノ中では、一番小さいそれに片足をかけ、周囲を威嚇する様にして、起床号令をかける。

(よし、全員目ぇ覚めたわね?)


「………………姉ちゃん、重い(ボソッ)」

去り際に背後から聞こえた小さな声に一瞬足を止めたユキ。

暑い真夏の朝をより暑苦しくしてくれたモノの口から流れでたのは、機嫌の悪い乙女には決して言ってはいけない禁断の台詞だったのである。

「……起きないのが悪い!」

「姉っ、こ、来ないでっ!!ぐはっ!」←もう一度踏まれた

この臭すぎる部屋での用事をさっさと済ませたいのに、入り口に向かいかけていた足を態々戻して、憎たらしいモノに制裁という手間をかける辛抱強い(?)ユキである。

「もぉ!!いつまで転がってるの!!ほら、さっさと起きて、朝ご飯早く食べちゃってよ!」

襖の前まで戻ったユキは、最後に仁王立ちで今だ転がったままの兄弟総勢7名をキッと睨みつけたあと、キッチンへと戻っていった。

「カ~ット!!」

監督のその声を聞いた瞬間、廊下に崩れ落ちるユキ役の京子。

「京子ちゃん!ダイジョーブ?顔が真っ青よ!!」

暑さで流れたメイクを直そうと近づいていたメイク係が、慌てた様子で駆け寄ってきた。

そのとき。

後方で別のメイクのうめき声が聞こえた。


中編につづく


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非常に反応の少ない魔人駄作。
ここんとこ優しい方々が、コメントを入れてくださる様になりました。
皆様有り難うございます!(〃∇〃)
引き続き感想コメント(コメ欄&拍手コメ欄より)お待ちしております!


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