拍手御礼からの移動です。
こちらも加筆修正しています。

もしかして山本さんが主役?(笑)

臭いと連呼していますが、このドラマの場面設定状そうなるのは仕方がないということで……男性批判で書いて訳ではありませんので、そのあたりはツッコミなしでお願いいたします。


なんとなくな小話
「恐怖の設定~熱帯夜明けの部屋の中~後編」


「敦賀くん、京子ちゃんに臭いって言われて、相当なダメージ受けてるね」

「いや、俺等も言われたけどね」

「京子ちゃんが言ったのは台詞だけど、メイクの子たちは正直だったよね」

礼儀正しい京子が台詞以外にその言葉を発したわけではなかったが、蓮とは違い、“臭い”自覚をバッチリ持ったメンズ達は言われなくても十分理解していた。

「懐かしいな~、高校の部室に先輩が着替え終わったのを待って入ったとき、こんな臭いだった気がする!」

「部屋にいる間は気付かないんだよねー、不思議と」

「うん、ちょっと臭いのはわかるけど、そこまで苦痛じゃないものね、今」

「だよね。撮影終わったあと、一回鼻をリセットしてから確かめてみようか?」

「怖いものみたさ的な?」

「そうそう。折角の機会だし、今後の為にも、被害者側の方もちゃんと体験しておかないとね~。ん?敦賀君?」


「おーい、敦賀君、俺達移動禁止だよ?っていうか、今この状態で京子ちゃんに近づくのはやめてあげたほうがいいんじゃない?」

暢気に窓際で雑談していた貴島が、襖を開けようとしていた蓮の行動を止める。

床に散乱状態とも言える、ぐちゃぐちゃの布団類。

その上に寝転がってる汗だくの男達。

(数名は窓際で涼んでいます)

振り返って背後のそれを確認した蓮は、スゴスゴと自分用の布団の上に戻り、手渡されたミネラルウォーターを飲みながら撮影の再開を待つしかなかった。

その後3時間かけて取り終わった数日分の “朝の風景”。

役者達は疲労困憊な状態で風呂場に追い立てられることになった。

見学していた民宿スタッフ達も、常ならばウットリと見惚れること確実なイケメンスター達の姿に浮かれる余裕もなく、原状復帰に追われていた。

暑い中、タオルを口元に巻きつけた状態で。← 


女優京子こと、最上キョーコはというと。

撮影終了後、風呂場に追い立てられる集団の中から投げかけられた縋る様な視線に、ついつい絆され近づきそうになったのだが。

最初のあのシーンから3時間が経過し、更にパワーアップしたその匂いに再び気が遠くなり……またしても、側に走りよってきたメイクの山本によって救助されることになったのである。

「京子ちゃん、駄目よ、近づいちゃ!!貴女はこれからすぐに移動でしょ!あんな臭い匂いを移されたら大変よ?移動中に会った事情を知らない一般人に京子は臭かったとか言われちゃうわよ!?心配しなくても、あの人達は今からお風呂に入るから大丈夫!ね?出発しましょ?」

強烈な匂いにやられながらも、蓮の視線がまだ気になっていたキョーコではあるが、その脳裏には遠慮したい内容の週刊誌の見出しが浮かんでしまっていた。

「最低レベルの女、京子!色気も胸もなく、所帯染みている上に、恐ろしく汗臭い!!」

(嫌ぁああ!ジョーダンじゃないわ!!)

更に顔色を悪くしたキョーコは、素直に山本の引率の元、一足先に東京へと戻っていったのである。

まだ撮影の残っている、蓮を置いて。




水分補給により、更に汗を量産させることになったイケメン率100パーセントの別名パラダイス部屋は、恐怖の即席汚臭部屋と呼ばれることになった。

これは後に、撮影時のこぼれ話として爆笑鉄板ネタ化したのだが。

その話を振られる度に、顔色が悪くなるイケメン俳優が一人だけ出たという。


彼にとって真夏の怪談なんて目じゃない程怖いものとなった “臭いから逃げられる自分”体験。

その後、キョーコの前で汗をかくたびに…

「俺今臭いから近づかないで!」

と、

どこの乙女だ!という反応をみせるようなってしまったのは仕方がないことだったのかもしれない。

fin

お、終われたっ!!。・゚゚ ‘゚(*/□\*) ‘゚゚゚・。


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非常に反応の少ない魔人駄作。
ここんとこ優しい方々が、コメントを入れてくださる様になりました。
皆様有り難うございます!(〃∇〃)
引き続き感想コメント(コメ欄&拍手コメ欄より)お待ちしております!


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