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魔人の駄作は受付NGな方は、バックプリーズ!!(・∀・)
愛の言葉は難しい 1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 6 / 7 / 8 / 9 / 10 / 11 / 12 / 13 / 14 / 15 / 16 / 17
「愛の言葉は難しい 18-side Kyoko-」
「味がしないんです」
「え?ええ~!!」
泣きそうな顔の京子にそう告げられた橘はビックリした。
側でスタッフに向かって指示を飛ばしていたディレクターにもその声が聞こえたのか、「問題でもありましたか?」と二人のもとに飛んできた。
少し慌ててしまった橘だったが、自分以上に動揺している様子の京子に向かって、安心させるように微笑み、何でもないことのように話しだした。
「あらら、亜鉛不足かしら。それ味覚障害よねぇ」
「え?京子ちゃんが?だ、ダイジョーブなんですか!?もう20分程で撮影開始ですけど」
ディレクターは、京子と橘の顔を交互に見ながら、慌てた様子でこれからの撮影が可能かどうか聞いてくる。
「味がわからないなんて、テレビじゃわからないんだし、撮影には支障はないと思いますよ。ね、京子ちゃん」
「は、はい、頑張ります!!」
「そう……ですか」
「でも……亜鉛不足が原因じゃない場合は、病気とか……も考えられるから、何かいつもと違うと思うことがあったら、ちゃんと言ってね?我慢してて、取り合えしのつかないことになったら大変なんだから。ね?」
ディレクターにダイジョーブだと頷いてみせながらも、既に京子の性格を把握している橘は、無理をしないようにと注意することも忘れない。
「そうだよ。倒れてからじゃ遅いんだから!気分が悪いと感じたら、我慢せずすぐに知らせてくれよ?今日の撮影は生じゃないしさ!」
これまた京子と付き合いの長いディレクターも、同じように釘を刺す。
それに、困ったような顔で頷きながら、キョーコは撮影に向けての手順確認を進めてもらうように、お願いした。
だが。
5分後には、“京子” にはその仕事を続けることができないことが判明した。
まな板の上で実際に野菜を切ってサイズ確認しようとしたところでそれは起こった。
「京子ちゃん!!ほら、ダイジョーブだから、手を放して…!」
橘の声がスタジオに響く。
その声に支えられるようにして、ブルブルと震える手で、包丁をまな板の上に戻した京子は、真っ青な顔をしながら、涙の溜まった瞳で周囲の大人達に視線を送ったあと、その場に崩れ落ちた。
「京子ちゃん!」
「京子!!」
遠のく意識の中、橘やスタッフの悲鳴が聞こえる。
そのときキョーコは、周囲の者と脳裏に浮かんだ存在にひたすら詫びを繰り返していた。
───ごめんなさい。迷惑かけて。
ごめんなさい……
……役立たずで
ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい。
彼女の記憶はそこで途絶えた。
19に続く。
あう!!キョコさんが!!!
(京子とキョーコの書き分けがややこしい…)
次回はヤッシーのターンです。
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「え?ええ~!!」
泣きそうな顔の京子にそう告げられた橘はビックリした。
側でスタッフに向かって指示を飛ばしていたディレクターにもその声が聞こえたのか、「問題でもありましたか?」と二人のもとに飛んできた。
少し慌ててしまった橘だったが、自分以上に動揺している様子の京子に向かって、安心させるように微笑み、何でもないことのように話しだした。
「あらら、亜鉛不足かしら。それ味覚障害よねぇ」
「え?京子ちゃんが?だ、ダイジョーブなんですか!?もう20分程で撮影開始ですけど」
ディレクターは、京子と橘の顔を交互に見ながら、慌てた様子でこれからの撮影が可能かどうか聞いてくる。
「味がわからないなんて、テレビじゃわからないんだし、撮影には支障はないと思いますよ。ね、京子ちゃん」
「は、はい、頑張ります!!」
「そう……ですか」
「でも……亜鉛不足が原因じゃない場合は、病気とか……も考えられるから、何かいつもと違うと思うことがあったら、ちゃんと言ってね?我慢してて、取り合えしのつかないことになったら大変なんだから。ね?」
ディレクターにダイジョーブだと頷いてみせながらも、既に京子の性格を把握している橘は、無理をしないようにと注意することも忘れない。
「そうだよ。倒れてからじゃ遅いんだから!気分が悪いと感じたら、我慢せずすぐに知らせてくれよ?今日の撮影は生じゃないしさ!」
これまた京子と付き合いの長いディレクターも、同じように釘を刺す。
それに、困ったような顔で頷きながら、キョーコは撮影に向けての手順確認を進めてもらうように、お願いした。
だが。
5分後には、“京子” にはその仕事を続けることができないことが判明した。
まな板の上で実際に野菜を切ってサイズ確認しようとしたところでそれは起こった。
「京子ちゃん!!ほら、ダイジョーブだから、手を放して…!」
橘の声がスタジオに響く。
その声に支えられるようにして、ブルブルと震える手で、包丁をまな板の上に戻した京子は、真っ青な顔をしながら、涙の溜まった瞳で周囲の大人達に視線を送ったあと、その場に崩れ落ちた。
「京子ちゃん!」
「京子!!」
遠のく意識の中、橘やスタッフの悲鳴が聞こえる。
そのときキョーコは、周囲の者と脳裏に浮かんだ存在にひたすら詫びを繰り返していた。
───ごめんなさい。迷惑かけて。
ごめんなさい……
……役立たずで
ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい。
彼女の記憶はそこで途絶えた。
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