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「愛の言葉は難しい 21-side Kyoko-」

ズキンズキンと、絶え間なく襲う頭痛と全身を支配する倦怠感。

風邪を引いている訳でも、他の病気になってしまった訳でもないのに何故か突然始まった身体の不調。

そして、頭の中を駆け巡る嫌な考え。

健康な身体に健全な心。それに誰よりも親しんでいたキョーコを追い詰めるそれらは、今、この瞬間も休むことなくその攻撃を続けていた。

キョーコの心の奥底に潜んでいた闇を表に引きずりだそうとしているかの様に。

───味覚障害なんて、困る。料理の仕事も出来なくなるし、敦賀さんへの差し入れや、マリアちゃんのパーティのお手伝いも……イロイロ出来なくなっちゃうもの。

そう?本当に?

今まではわかっていたの?

板長に教えてもらった技術は間違いのないものだけど、料理の知識と包丁技術と、味付けは別ものじゃない?

見た目が奇麗でも、もしかして、美味しい料理なんて作れたことなかったんじゃないの?

みんなみんな、気を遣って美味しいと言ってくださっていただけなんじゃ?

敦賀さんだって、あんなに美味しいって毎回言ってくださってたのに……あんなに食べたいと熱心に訴えられたあのキノコのリゾットを1食も召し上がってなかったじゃない!

だったら。

今までストックとしてお持ちしてたのだって……そうかもしれないじゃない?

───でも、あの夜、あんなにあんなに、毎日食べたいって懇願されたのよ?あれも嘘?……どうしてそんなことを?

あの食欲中枢が麻痺してるあのヒトが、本気でそんなこと思ってるだなんてある訳がないじゃない。

おめでたいにも程があるわ。

きっと貴女の愚かな想いのせいよ。それぐらいわかるでしょ?

あのヒトは鋭いヒトだもの。とっくの昔に、バレバレだったに違いないわ。

だから、過去の貴女だったら絶対に逃げ出していたであろう、あんな異常なまでに甘い夜の帝王を出すなんていう対応策を取られたのよ。

勘違いした馬鹿女を撃退する為にね。

なのに、期待された通り逃げないわ、勘違いしてイソイソと望まれてもいない料理ストックまで届けちゃうし?

あのヒトもさぞビックリしたでしょうね。

ホント、馬鹿女もここまできたら、救い様がないわね。

───そっか……逃げて、ちゃんと近づかない様にならなきゃいけなかったんだ。

そうよ。ほんと、馬鹿ね。

得意だって言ってた料理すら、ろくにできないなんて。

一体貴女には何が出来る訳?

本当に役立たずなんだから!

───そっか……。そうよね……やっぱり私はどこまでいっても……出来損ないの役立たずなんだわ。

「京子ちゃん、事務所から連絡あったわよ~」

そこで、頭痛と戦いながら、自問自答を繰り返していたキョーコの耳に、自分を呼ぶ臨時マネージャーの声が聞こえた。

22話に続く

キョコさんの内心はこんな感じでした。

完全に自信喪失です。(;´Д`)ノ!

そろそろまとめだしたいのですけどー。ノープラン進行だからー。(TωT)

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