拍手御礼からの移動です。
魔人の駄作は受付NGな方は、バックプリーズ!!(・∀・)

愛の言葉は難しい 1 / 2 / 3 / 4 / 5 / 6 / 7 / 8 / 9 / 10 / 11 / 12 / 13 / 14 / 15 / 16 / 17 / 18 / 19 / 20 / 21 / 22 / 23 / 24

「愛の言葉は難しい 25-side R&Y-」

「かかかかか、加藤さん!」

「五月蝿いわよ、社。こんなところで叫ぶんじゃないわよ。あと、ヒトの名前を変な風に変えないでよね」

(いえ、叫ばずにはいられません!)

「す、すみません」

社の心の叫びはまだ続いていた。

(いやだーーー!逃げたいぃぃぃ!!)

しかし、表情を美形台無しのムンクの叫び顔から平常時のものへ戻し、なんとか先輩への失礼を詫びることには成功した。

蓮はといえば、目の前の女性が少々怖いオーラを発していることには引いてはいたが、そのことよりも社の態度に疑問を持っていた。

───社さんがここまで逃げ腰なのは珍しいよな。社長相手ぐらいでしか、見たことないかも。

多少怖い先輩であろうと、同じ事務所の人間であるし、社はそういった人間の扱いも上手い。そこに少しばかりの疑問を抱きながらも、蓮は挨拶がまだだったことを思い出した。

「は、ハジメマシテ。加藤さん。敦賀蓮です」

同じ事務所の人間なのだから、看板俳優の名前を知らない筈はないが、一応初対面な気がする相手である。年上の女性ということで、握手は求めず、ただ頭をキッチリ下げて挨拶した。

「ま、ハジメマシテではないんだけど、覚えてないのも仕方がないわね。どうも、今京子を担当している加藤です。以後よろしくね」

「!失礼しました。すみません」

冷たい笑みをたたえた加藤に、初対面ではないことを告げられたが、覚えてないものは仕方が無い。女性の顔を凝視するのも失礼だし、この迫力ある姿を覚えてないとすれば、会ったのはデビュー当時の可能性が高い。

挨拶の為に下げていた頭を上げた蓮だったが、再確認の為、加藤の顔をまじまじと見ることはせず、微妙に視線をズラした状態で過去の自分を振り返っていた。

───あの頃は、日本での芸能活動に慣れるだけで必死だったしな。って、暢気にそんなこと思い返してる場合じゃなかった! ←自己ツッコミ蓮さん

「そ、それで、俺たちに何か御用でしょうか?」

加藤が発するオーラで、その応えが「んぁ?用があるから来てるんだよ!この馬鹿野郎どもがっ!!」であることはわかっているが、聞かないわけにはいかない。

キョーコの情報を現在一番持っている筈の人間なのだから。

そんな思いで社が果敢に投げかけた “ソフト” な質問は、横にいた彼の担当俳優の発言により台無しにされた。

「あの!最上さんに会わせてください!!」

(ぎゃーーー、蓮の馬鹿ぁ!直球過ぎるだろがぁああああ)


26に続く。

蓮さん、より深い穴に埋められそうな予感?

お気に召しましたら、ポチッとお願いします。
一言だけでも感想などいただけると嬉しいです。
拍手はこちら

こちらも参加中!
スキビ☆ランキング