独断と偏見によるチューリップ(TULIP)の名曲ベスト15の紹介です。
順位は、おすすめ順ではなく、正確に曲の発表年時順にしました。今回は、敢えておすすめに順位はつけていません。ところが、不思議なことに、この順番で聴くと、素晴らしいアルバムになっているんですよね。
それぞれのグループのリーダーの年齢は、財津和夫さん(1948年生)の方が、天野滋さんより5歳上ですが、チューリップの全盛期は、N.S.Pの全盛期と、ほぼ重なります。
共に、最初にブレイクしたのが1973年(25歳)で、音楽性の頂点が1981年(33歳)頃。私の選曲も、この時期のものになります。
①心の旅
作詞作曲 財津和夫
◯シングル(1973年発表/3th/1位)
◯アルバム「TULIP BEST 心の旅(1973年発表/初のベスト)」初収録。
◯アルバム「チューリップ・ガーデン(1977年発表/2ndベスト)」収録。
◯アルバム「チューリップ・ランド(1982年発表/3rdベスト)」収録。
◯アルバム「We believe in Magic Vol.2(1997年発表/セルフカバー)リメイク版収録。
◯アルバム「request〜TULIP FAN SELECTION BEST(2007年発表)」収録。
チューリップ最大のヒット曲にして、初期の代表曲です。チューリップの人気を決定づけた名曲。リードボーカルは、姫野達也さん。
「いつも、いつの時でも、ぼくは忘れはしない、愛に終わりがあって、心の旅が始まる。だから今夜だけは君を抱いていたい。明日の今頃は、ぼくは汽車の中。」
②青春の影
作詞作曲 財津和夫
◯アルバム「TAKE OFF(離陸)(1974年発表/3rd/ー)」初収録。
◯シングル(1974年発表/6th/46位)アルバムからシングルカット。
◯アルバム「チューリップ・ガーデン(1977年発表/2ndベスト)」収録。
◯アルバム「チューリップ・ランド(1982年発表/3rdベスト)」収録。
◯アルバム「We believe in Magic Vol.2(1997年発表/セルフカバー)リメイク版収録。
◯アルバム「request〜TULIP FAN SELECTION BEST(2007年発表)」収録。
誠実で丁寧で美しい、財津和夫バラードの代表曲です。
「自分の大きな夢を追うことが、今までのぼくの仕事だったけど、君を幸せにする、それこそが、今日からのぼくの生きるしるし。」
③ぼくがつくった愛のうた〜いとしのEmily〜
作詞作曲 財津和夫
◯シングル(1974年/7th/30位)
◯アルバム「ぼくがつくった愛のうた(1974年発表/4th/ー)」初収録。
◯アルバム「チューリップ・ガーデン(1977年発表/2ndベスト)」収録。
◯アルバム「チューリップ・ランド(1982年発表/3rdベスト)」収録。
◯アルバム「We believe in Magic Vol.1(1997年発表/セルフカバー)リメイク版収録。
これも、姫野さんが、リードボーカルを務めた、チューリップ初期の代表曲。ロンドンのアビイ・ロード・スタジオでレコーディングされたものです。
「今まで君が愛してた小さな木彫りの人形も、幼い頃のおもちゃの箱に、そっとしまってしまいなさい。」
④サボテンの花
作詞作曲 財津和夫
◯シングル(1975年発表/8th/19位)
◯アルバム「無限軌道(1975年発表/5th/ー)」初収録。
◯アルバム「チューリップ・ガーデン(1977年発表/2ndベスト)」収録。
◯アルバム「チューリップ・ランド(1982年発表/3rdベスト)」収録。
◯アルバム「We believe in Magic Vol.1(1997年発表/セルフカバー)リメイク版収録。
◯アルバム「request〜TULIP FAN SELECTION BEST(2007年発表)」収録。
数あるチューリップのヒット曲の中でも、もっとも長く愛され続けている代表曲。
「この長い冬が終わる前に、何かをみつけて生きよう、何かを信じて生きていこう、この冬が終わるまで。」
⑤風のメロディー
作詞 財津和夫/作曲 財津和夫・姫野達也
◯シングル(1976年発表/11th/27位)
◯アルバム「チューリップ・ガーデン(1977年発表/2ndベスト)」初収録。
「虹とスニーカーの頃」と並ぶ、過ぎゆく青春の夏をテーマとしたチューリップ・ナンバーの佳曲。サウンドは、とてもビートルズっぽい。姫野さんがリードボーカルを務めた最後のシングル曲。
「燃え上がる太陽に戯れた君とぼく、濡れた髪かきあげて口づけた砂の上。消えた恋だけど、眩しすぎるほど、胸に焼きついた海辺の出来事。今はひとり街をさまよえば、夏の終わりを告ぐ風が吹くだけ。」
⑥ブルースカイ
作詞作曲 財津和夫
◯シングル(1977年発表/12th/25位)
◯アルバム「チューリップ・ガーデン(1977年発表/2ndベスト)」初収録。
歌の出出しにサビのメロディーを持ってくる、「心の旅」から「虹とスニーカーの頃」へと発展進化していく曲作りの、ちょうど中間点の試行が見られる曲。
これは、これで、歌として完成していて、ラジオのリクエストも多い。
「この空の明るさよ、なぜぼくのこの悲しみ、映してはくれない。」
⑦博多っ子純情
作詞 安部俊幸/作曲 姫野達也
◯アルバム「WELCOME TO MY HOUSE(1977年発表/8th/ー)」初収録。
◯アルバム「チューリップ・ランド(1982年発表/3rdベスト)」収録。
◯アルバム「We believe in Magic Vol.1(1997年発表/セルフカバー)リメイク版収録。
とてもセンチメンタルで、哀愁漂う、美しい曲。姫野さんがリードボーカル。
シングルにはなりませんでしたが、ファンの間では、無強い人気のある曲。
「男たちはみんな見栄っ張りで気が強い、海の風に吹かれるから。だけどみんなすぐにもらい泣きするよなヤツ、酒を飲んで肩をたたく。」
⑧夕陽を追いかけて
作詞作曲 財津和夫
◯シングル(1978年発表/14th/36位)
◯アルバム「チューリップ・ランド(1982年発表/3rdベスト)」初収録。
財津さんの詞とメロディが創り出す、雄大なイメージが印象的な名曲です。
「都会の星はとても遠いから、人はぼくを夢見るバカと言う。いつだって真剣にぼくは生きてきたはずだけど、でもいつも、そこには、孤独だけが残されていた。沈む夕陽は止められないけど、それでもぼくは追いかけていく。」
⑨虹とスニーカーの頃
作詞作曲 財津和夫
◯シングル(1979年発表/16th/6位)
◯アルバム「チューリップ・ランド(1982年発表/3rdベスト)」初収録。
◯アルバム「We believe in Magic Vol.1(1997年発表/セルフカバー)リメイク版収録。
◯アルバム「request〜TULIP FAN SELECTION BEST(2007年発表)」収録。
心の旅に次いで売れた、チューリップ後期の代表的なヒット曲です。一時期衰えていたチューリップ人気の復活を印象づけた有名な作品です。
「白いスニーカー汚さないように、裸足で雨の中、ぼくらは歩いた。びしょびしょ濡れのトレーナーが乾くまで抱き合った夏の昼下がり。わがままは男の罪、それを許さないのは女の罪、若かった何もかもが、あのスニーカーはもう捨てたかい。」
⑩Someday Somewhere
作詞作曲 財津和夫
◯アルバム「Someday Somewhere(1979年発表/10th/ー)」初収録。
◯アルバム「チューリップ・ランド(1982年発表/3rdベスト)」収録。
「虹とスニーカーの頃」発表から15日遅れでリリースされた、チューリップ初の2枚組アルバムなのに、「虹とスニーカーの頃」は収録されていない。そんなアルバムのタイトル曲にしてトリの曲。シンセサイザーを多用したアレンジが独特で、すでに後期の1980年代のチューリップ・サウンドっぽい。
「いつか、どこかに、きっと、誰かが君を待っている。今はただじっと窓を閉めて待つだけ、愛が君を連れて旅立つまで。」
⑪I am the Editor(この映画のラストシーンは、ぼくにはつくれない)
作詞作曲 財津和夫
◯シングル(1980年発表/17th/ー)
財津さんには珍しく、救いのない失恋の悲哀を歌った佳曲。イントロの長さが目立つ。
「行ってしまえよ、君なんて。最終電車はあと5分。白いTシャツに赤い口紅つけ直して、ぼくがもう一度、やりなおそうと言う前に。」
⑫さよなら道化者
作詞作曲 財津和夫
◯シングル(1981年発表/19th/ー)
◯アルバム「THE LOVE MAP SHOP(1981年発表/11th/ー)」初収録。
◯アルバム「チューリップ・ランド(1982年発表/3rdベスト)」収録。
財津バラードの後期の代表曲。
「雪を破った陽射しのように、暗いぼくを明るく照らした、道化者の君がいなくなって、ぼくの部屋はまた夜になった。」
⑬Shooting Star
作詞作曲 財津和夫
◯アルバム「THE LOVE MAP SHOP(1981年発表/11th/ー)」初収録。
◯アルバム「チューリップ・ランド(1982年発表/3rdベスト)」収録。
1980年代のチューリップを代表する名曲。シングルカットされていないのですが、ファンにとっては、とても思い入れのある一曲です。これも、非常に長いイントロが印象的です。
「宇宙を駆ける流れ星のように、心に翼つけて、今、旅立て。」
⑭ふたりがつくった風景
作詞作曲 財津和夫
◯シングル(1981年発表/20th/ー)
◯アルバム「チューリップ・ランド(1982年発表/3rdベスト)」初収録。
世間的には、チューリップの最後のヒット・シングル。「虹とスニーカーの頃」を、さらに磨き上げたような佳曲で、チューリップの音楽性の洗練の到達点を示す曲。これ以降、チューリップが、ラジオからよく流れて世間に馴染むようなヒット曲を、発表することはありませんでした。
「赤と緑の歯ブラシが、いつも仲よくコップの中、並んでいたね。雨風が強くて、傘の骨が折れたね、ずぶ濡れでも楽しかった、あの夜。」
⑮アルバトロス
作詞作曲 財津和夫
◯アルバム「2222年ピクニック(1982年発表/13th/ー)」初収録。
◯アルバム「request〜TULIP FAN SELECTION BEST(2007年発表)」収録。
発売に世間の注目が集まった、最後のチューリップのアルバムで、収録されているトリの曲。チューリップらしい、雄大で宇宙的なラブ・バラードです。このベスト15のトリを飾るにふさわしい隠れた名曲。
「風の中、君は踊った。動き優しいメヌエット、たった独りで。」
☆償いの日々
作詞作曲 松任谷由美
◯シングル(1987年発表/財津和夫with原みどり)
◯アルバム「City Suimmer(1987年発表/財津和夫ソロ)」初収録。
財津和夫さん、38歳の時の珠玉のバラード曲。この時、デュエットした相方の原みどりさんが、また、本当に歌が上手いんです。しかも、作詞作曲が、あの天才松任谷由実さんです。
素晴らしい名曲なのですが、長い間、なかなか手に入らない状態でした。2012年に、「City Suimmer」がリマスターされて再リリースされているので、現在は、直接、アルバムを購入して聴くことができます。
「誰でもひとつは持っている、心の片隅の部屋。自分でさえ開けられずに、鍵を探してさすらう。」