Q12:プリンシパルのみなさんとのことは沢山の方が質問されているので、ソニンシア、もしくはソニンちゃんとアンサンブルの皆さんの実はこんな打ち合わせをしていたとか、舞台裏でのやりとりなど何かエピソードがあれば聞かせて頂きたいです。

 

実を言うと、わたし、ほとんどアンサンブルの方々と絡みがなく。一幕なんて、舞台上ですれ違うとか同じ空間にいるシーンがないんです。二幕のビターエンドのみ!なんてこった!しかもそれほど芝居で絡む感じでもなく。裏話的に言いますと、実はこの作品、どこのカンパニーも、アンサンブルさんたちとプリンシパルさんたちとの絡みがないが故、コミュニケーションの風通しがなかなか良くないのは自然と起こってしまうとのこと。それを稽古の最初の頃から聞いていたので、なるべくアンサンブルの方々と話してコミュニケーションをとるようにはしていました。幸い、今回以前共演して知っている方も多かったので、よく稽古後も話したり、舞台袖でも会話はしていました。特に自分たちの楽曲を歌う歌手達には贔屓して(笑)

"On Broadway"を提供したドリフターズと。

このOn Broadwayと前のUp on the roofの間の早替えが尋常なく早いので、少しでもその間にしている私たちの芝居がのびると助かる、"On, Broadway'と切るだけでも違うと聞いたので、”Ok絶対切るよ”なんて笑 ドリフターズは本番入ってからも、終演後かならずビデオでチェックして向上心を常にもっていて感心しきりだった。

"You've lost that lovin' feeling"を提供したライチャスブラザーズ。

ロコモーション中は同じ袖でスタンバイしている、ライチャス&バリシンわちゃわちゃは定番。笑

この二人もまた仲良くって本当に微笑ましい。裏で二人で一緒に着替えてる様子とかとてもシュールでまた”らしく”って、お気に入りユニット。

インスタに、ロコモーション踊ってる、ライチャス&シンシア&ジェリー&キャロル載せますね。笑

 

ビターエンドで我々の曲"Up town"を歌う歌手役、菅谷 真理恵。

ミスサイゴン以来の共演。相変わらず誰とでも仲良くなる天才で、人懐っこくサバサバしてて最高。このシーンも、一度も外さない倍音ばりばりのベルティング、さすが。ジジとキム、そうみるとこの写真違和感w

 

舞台上はおろか、袖でも中々すれ違わない二人、綿引さやかとラリソン彩華。

初めましての二人ですが、稽古場でよく一緒にお喋りしてたのはこの二人。本当に女子にも男子にもモテそうな女子力高めなこの二人、たくさんエネルギー頂きました♡

 

2010年のRENT以来の共演。相変わらずの歌唱力に、相変わらずの外国人風のフレンドシップを交わせるエリアンナ。稽古中も本番中もたくさん話しを聞いてくれる優しさに改めて大好きになりました。色々本当にありがとう、エリ♡

 

2012年RENT以来の共演、高城奈月子さん。この人の歌唱力もやばいんですよ。。。あの曲だけじゃ充分に伝わってないはず!なくらいもっとすごいんです♡ この方、ゴスペルシンガーで、純日本人であの声を作り上げたのは彼女の努力の賜物です。Soulmaticsというグループです、一度検索なりライブ行ってみてください、、たまげます。私も彼女に紹介された、彼女の師匠にニューヨークで習いゴスペルクワイヤーに混じって学びました。

 

ツーショットがなかった(涙)... MARIA-E(左)!最年少!本当に可愛くって、初ミュージカルともあり、色んなことにいちいち感動していて、本当に微笑ましく、そしてやたら私のおしりを触ってくるw その理由が仲良くなりたかったからと千秋楽に手紙で告白w あのパワフルな歌唱とのギャップたまらんでしょ?打ち上げでもいなくなったと思ったらトイレで泣いてんの!みんなと離れるの寂しいって!もう、完全に妹存在でした♡

 

スイング、原田真絢。どこまでもピュアにミュージカルが大好きで、稽古場から本番までの真摯な姿勢は本当に素晴らしかったです。清水康雄(ごめん一緒ショットなかった)、やすはダンスがとても得意で、いつも歌手役のアンサンブルの後ろで同じく動いて練習してそれを惜しまない姿をいつも見ていた。スイングという役を最後まで全うしてくれた二人には、拍手を別で送りたい。千秋楽カーテンコールで登壇したことも個人的には感動。ありがとう、しっかり一員として役目を果たしてくれました。

 

 

Q13:バリーのシンシアへのプロポーズ(2回目)のセリフが好きなのですが、ソニンさんはもしプロポーズされるならジェリーとバリーどちらのシチュエーションまたはセリフが良いですか?

 

うーん、ジェリーは私からするとあの時点でもうダメ男だってわかりますもん。『妊娠していなかったとしてもプロポーズしてくれた?』『...女の子だと良いね』ちょいちょいちょーい!キャロルやめておきなさい!て感じです(笑)あのかわし方がもう典型的にダメ男って、センサーが働いてわかっちゃう。

バリーの二度目の台詞、私も好きです。シンシアとしても(中身の人間も少し混じってるかも?)あの言葉結構感動します。そしてちゃんとシンシアが弱い部分も相手に言えるようになってからなので、ベストタイミングだと思います。わたしは、バリーがしつこく結婚とせがんでいて、引っ張って引っ張ってやっとという流れはとても素敵で理想だとさえ思いました。

 

 

Q14:バリーアッキーと、見た目も歌声の相性もお似合いすぎて、観に行くたびお二人のやりとりを観てはちょっと胸が苦しくなったり、すごく幸せな気持ちになりました。アッキーが相方・バリー役でよかった!とソニンちゃんが思った所があったらぜひ教えてほしいです!

 

A11でも書きましたが、この11年間はこの作品でこの役で共演するためにあったと言ってしまえるほど、今の私たちだからこそ作り上げられたカップルだったように思えます。長い付き合いがあったからこそ、お互い、この短い期間で、協力してお互いのために作り上げる思いやりや信頼置く事を惜しまなかったし、何でも言える関係がそのまま役にも反映した。そして、歌に対するアプローチや芝居に対するアプローチなども、一昔の私たちだったらこんなにも合わなかったのではないかと思います。正直言うと、彼はあまりにも長けた音楽の才能や感性を持っているので、もしこの長い関係がないと、歩み寄る勇気も時には本音を突く事も出来なかったかも知れない。そして逆もしかり、彼も私に委ねようという気持ちを持ってくれなかったかもしれない。このカップルに重要だったことを、アッキーとの関係性が、埋めるのを助けてくれたように思えます。登場しているシーン数はあれども、中心的に描かれていない二人の役所を、どう作品を深くするのに助けられるか。サラッと、主人公の脇役友人カップルという印象とでもできるけど、私はブロードウェイで初めて観た時思ったのです、『キャロルキングだけの物語だけではもったいない』と。もともと、脚本を書いたDouglas McGrath氏は、四人の物語として書こうとしていたそうな。それだけあって、結果”主人公はキャロルキング”だけど、キャロルには欠かせない他三人の物語もしっかり持つ事、4人の物語であることを意識する事によってもっとお客様が楽しめるのではないかと。初観劇後、私はアッキーに伝えました『わたしたちカップル、がんばろうね、やってやりましょう』って。稽古期間中は、ほとんど、自分より彼と向き合う事に必死だった方が先にたちます。悩んだ事も多かったけど、本番終わった後に、アッキーが『最初から委ねていたよ』という言葉に(本当かどうか怪しいですが笑)もうこのカップル役の行く末は決まっていたんだな、と。こんなに充実したものになるとは思わなかったし、こんなに皆様に気に入ってもらえることも想像していなかったので、本当に嬉しかったし、彼ありきの、この作品でのこの役所このカップルの成果だったと思っています。私らしいシンシアでいれたことも、そうですし、彼とやることで、学ぶ事もたくさんありました。本当に、感謝しているという言葉が陳腐に感じるほど、この様々な巡り合わせに感謝しています。また彼と共演できる日が待ち遠しいです。

大千秋楽後。全て終えてスッピンに戻った素の二人。

スタッフに双子みたい、とか言われる。笑


 

Q15:千穐楽のソニンさんのご挨拶を拝聴し、今回はチャレンジでしたと語られました。たぶん色んな側面からのチャレンジをされたと思いますが、ご挨拶で語られた以外の側面でのソニンさんのチャレンジを教えてください。
 

わたしにとって、この作品がチャレンジだったという事を千秋楽のカーテンコールで発言しましたが、今回何がチャレンジだったかというと、わたしの役者としての個人的な話にはなってしまいますが、自分自身で考える”自分のテリトリー”から抜け出したところ、どうなるかわからないけど、敢えて踏み込んでみようという選択をしました。それは、ビューティフルと出演や稽古時期がかぶっていている作品のオファーがあと2つありまして、いずれか一つに選択しなくてはならなかったのです。他二つは、思入れのある作品と話題になるであろう作品。ビューティフルは他に比べて一番今までの役ではなかった、派手で個性もさほど強くない役だった事、(結果個性的な役ではあったものの今迄にくらべれば)今迄の帝劇作品とはまるで違う作品をこの劇場でやること、そしてそれも初演、キャストも少ない、あの大きい劇場で派手ではなくエネルギー丸出しではない役を淡々と演じて爪痕を残せるのか(それで残せる役者さんは沢山いるけど、わたしには未知だし、怖かった)。失敗してもいい、大した事ないねソニンって言われる事も、赤い背もたれが沢山ある景色が見える日が多いかもしれない事も、覚悟していました。それくらいに様々な心配事もあったし、実際稽古では様々なことを私だけではなく、個性だらけな共演役者とスタッフとで良いものにしようと工夫と努力を惜しみませんでした。この芸術の世界、結果なんてどこで計るのかわかりませんが、チャレンジして本当に良かったと胸を張って言えます。業界の知人の方々にも言われました、ここ最近の役で一番好き、ぴったりすぎて素?演技?、この歳でこの役という一致が良い、この役手放さない方が良い...私自身は全ての役に思入れがあるので、他の役と比べられるのはまた違う視点でのジャッジメントですが、自分の選択に何かしら成果を見出せたのかなと思うと、とても胸が満ちて充実した自分がいました。

本当に、確実に演劇界に新しい風を吹かせてくれた二人のキャロルを始め、パートナー役のソウルメイトや個性豊かな素晴らしいキャスト共演できたこと、そしてシンシアワイルという魅力的な方の役で、”ビューティフル”日本初演@帝国劇場にたてた事、光栄に思っています。実在して今もご健在である方を演じたというのも強いかもしれません、インスタでも書きましたが、(https://www.instagram.com/p/BYV12PWjNPF/?hl=ja&taken-by=sonim_official)今もラブラブなこの素敵なカップルのおかげで、素晴らしい体験ができました。何もかも今の自分に最適で、ドンピシャな作品だったように思えます。パンフレットにも書きましたが、キャロル冒頭の台詞”自分の思う通りにうまくいかない時、人は見つけるのです、何か美しいものを...”。まさに最近の私の実体験で感じていたことであり、真の友達という美しいものを見つけ、友達に救われたので♪You've got a friendは私のリアルな情景。色んなものがオーバーラップする作品でした。

 

 

 

 

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