前回の続き






母は卵子提供に反対だった。




それは、
遺伝子がどうのとか、
治療内容がどうのとか、
そういうレベルではなかった。





ただひたすら
私の身体を心配してのことだ。





私のような年齢で
出産することのリスクを
恐れてのことだ。






元々養子縁組や養育里親は
主人が反対していると
母は知っていた。





自己卵治療はダメ、
養子もダメ、

ならば
卵子提供やむなし、



そういうことだった。







だけどここにきて主人が
養子縁組里親に前向きになったので、


母的には
“それならばリスクをとってまで
卵子提供に拘る理由はない”


そういうことなのだ。






母の気持ちは痛いほどわかる。





母にとっては
まだ見ぬ私の子供のことよりも
目の前の私が大事なのだ。




私がまだ見ぬ子供を思う以上に
母は私を思ってくれている。





母親にとっては
子供がいくつになっても
大事な存在なのだなと感じた。





とても有難いと思うと同時に、
周りを振り回して悲しませてる自分が
情けなくなった。