前回からの続き・・・





意味不明なドクターの質問に
答えたくなかった私。


私が診て欲しい箇所と違う内容だったので。





イライラを募らせたドクターは
鬼のような顔で言った。



「あなたお母さんでしょ?
子供がお腹を壊した時に
何を食べさせてきたの?
普通の食事にしてきたの?
違うでしょ?
お母さんならわかるでしょ?」






耳を疑った。




胸が痛かった。



苦しくて息がしずらくなった。





そんな私の様子を
チラリとも見ないで
ドクターは続けた。



「本当にわからないの?
あなたの子供はお腹を壊したことないの?」






心をえぐる言葉が続く。






私はポツリと言った。


「お粥・・」

と。






ドクター
「そうだよ、お粥に決まってるでしょ。
子供に何度も作ってあげたでしょ?
今度は自分で作ってしばらく食べなさい。
腸を休ませないといけないよ・・」




そう言いながら
ようやく私の顔を見たドクターは
面食らっていた。




胸が痛くて息苦しくて
過呼吸をおこしかけてる私に


「どうしました?」

と、
ようやく普通の口調で言った。





もはや私の心は閉じている。

この場からすぐにでも逃げ出したいのに
動けなかった。






自分でも思いがけず
口から出た言葉は、



「私、お母さんじゃありません。
私、子供がいないんです。」



だった。





悲しいのか悔しいのか
心が麻痺してわからない。

涙一滴出なかった。





心は苦しくても
頭は冷静だった。




急に焦り出すドクターは
さらに私を傷つける言葉を吐いた。




「あっそう、そっかー、
あなたお子さんいないのね。
お母さんじゃないなら
答えられなかったよね。
そっか、そっかー。」





本当に酷いと思った。




子供がいるとかいないとかの問題か?



しかも私、
お粥ってちゃんと答えたのに・・。



そもそもドクターが
わけわからない質問形式にしないで

シンプルに
“腸が弱ってるからしばらくお粥で。”
と説明すれば済む話だろ。







そんなことばかりが頭に浮かんで、
後のことは覚えてない。



食事指導等の
何か色々説明をけたけど、
全く耳に入らなかった。



そして貰った資料を握りしめ、
主人がいる待合室に
フラフラと出て行った・・・