卵子提供している者同士で
仲良くするのはいかがなものか?



そう主人に言われた。






基本的に
親以外には言わないと決めたのに、

それまで全く知らなかった人なのに
同じように卵子提供をしてるというだけで
突然仲良くするのはおかしいのでは?


ということらしい。




どこで秘密が漏れるかわからない、
それを主人は心配してるのだ。





確かに同じバックアップクリニックに
通ってる訳だから、

Mちゃんの家は
もしかしたら近いのかもしれない。



今はまだラインだけのやり取りで、
住んでいる所の話はお互いに何となく避けてる感じ。








もし今度外でランチしよう
ということになれば、

治療のこと以外のプライベートなことまで
話す場合もあるだろう。





主人が心配するのはよくわかる。





でも急にラインの返信をやめるのは
なかなか出来ない。





だから昨日も
何回かやり取りした。




その中でハッとしたことがあった。





“なかなか内膜が厚くならなかったけど
やっと移植許可が出たよ。
半年ぶりに台湾に行ってきます”



と書いてあった。





Mちゃんも私も
内膜が厚くならずに
移植キャンセル経験がある。





実際に私は
キャンセルになったばかりだ。





そのことはMちゃんとは
全く関係ない。




それなのに、
移植許可が出たMちゃんに
“良かったね”と思うのと同時に
“羨ましい”と思っている自分がいた。




そんな自分に驚いた。





卵子提供を
身近でやってる人は皆無で、
今までは孤独な闘いだった。




でも自分の治療が思わしくなくても
誰かと比べて落ち込むこともないし、
誰かを羨むこともなかった。



でもMちゃんと
知り合ったとたんこれか・・・





内膜のことくらいで羨むなら、
もしMちゃんが先に妊娠したら?



その時、
自分の治療が思わしくなければ
“良かったね”と思っても、

“何で私だけダメなの?
とも思うに違いない。




同じ境遇の人と友達になるのは
情報共有のメリットはあるけど、

比較する相手が出来てしまうという
デメリットと背中あわせなのかもしれない。





主人はそこまで読んで
忠告してくれたのかな?





でも自分が
取り残される気持ちになるくらいなら、

主人の言う通り
Mちゃんと距離をおく方がいいのかな?





ああ、
自分の心の狭さが嫌になる・・・