【和訳Part2】Skaters We'll Miss: 髙橋大輔 | Ode To Daisuke

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フィギュアスケーター、髙橋大輔さんをひっそりと応援しています。

続きです。

原文(英語)はこちらから
http://crystalskate.blogspot.com/2014/06/skaters-well-miss-part-5-daisuke.html?spref=fb



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2007-08シーズンに初の四大陸選手権優勝を果たし、世界選手権での表彰台を期待される一人となったが、残念ながら世界選手権では4位という結果に終わった。今回のプログラムは両方ともチャイコフスキーの音楽で、その中でも最も人気の高い2作品を選んだ。1つ目は『白鳥の湖』だが、これは原曲ではなく、モダンなヒップホップバージョンを使用した。このユニークな選曲は革新的で非常に楽しめるプログラムとなり、原曲がバレエ音楽であることを忘れてしまうほどだった。ダイスケは氷上を踊りまくり、その演技ですべての観客を痺れさせてしまった。これはたちまち観衆の人気プログラムの一つとなった。一方、『ロミオとジュリエット』は原曲を忠実に使用した。2つの楽曲のコントラストは見事で、彼がいかなる音楽も自由自在に解釈、表現できることを見せた。この競技における表現面の重要性が高まりつつあった時代に、ひとつのプログラムに四回転ジャンプを複数組み込みながらこれほど鮮やかな芸術性をみせた選手は、それまでほとんどいなかった。

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2008-09シーズンは、ダイスケ自身も言っているように彼にとって最も暗い時期であった。靭帯断裂の怪我は大変深刻で、手術を受けた彼は2008-09年シーズン全ての試合を欠場することとなった。怪我の回復を待つ間、競技をやめようと思ったことも一度ならずあったという。あなたには世界のトップに立つ力があるのだという長光歌子コーチの力強い説得により、幸運にも彼は競技に戻ってきた。そして彼女の言葉に間違いはなかった。

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強い決意と努力によって、2010冬季オリンピックを前に彼は氷上に帰って来た。バンクーバーでは銅メダルを獲得し、オリンピックの表彰台に立った初めての日本人男子スケーターとして歴史に名を刻んだ。そしてその直後に行われた世界選手権で、男子シングルの種目では東洋人として初の優勝を果たした。ショートはCobaの曲『Eye』。モダンなタンゴに乗せ、彼は再びその自由奔放な演技で観客の女性達を狂喜させた。ニノ・ロータの『道』では、コメディックな演技の裏に隠れた大道芸人の悲哀や苦難を演じてみせた。

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(Part 3へ続く)