ネタバレ、うざいツッコミに
ご注意ください!
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数日後、仕事が終わると悠月さんが迎えに来てくれた。
りな「今日は早めに撮影が終わったんだね」
悠月「おお、奇跡的にな」
りな「またしょっちゅうNG出す人と一緒だったの?」
悠月「そう。でも今日は無性にお前に会いたかったから。『NG出したら承知しねえ』ってオーラ出したら、ほとんど一発OKだった」
りな「すごい…いったいどんな負のオーラを」
悠月「一発OK出来るんなら、最初からそうすればいいのに」
りな「よっぽど悠月さんが怖かったんじゃ…
でもどうしたの?急に会いたいなんて」
悠月「ほんとは毎日会いたいんだよ。我慢してんの」
悠月「はあ…。いつになったら、毎日お前の顔みながら寝れるようになるわけ?」
《いつでも大歓迎ですとも》
りな「そ、それは、あの…」
《けどヒロイン仕事大好きだもんねぇ。悠月なら仕事続けさせてくれると思うけどな》
りな「あ!そういえば今日、友達から連絡があって」
悠月「話そらしやがった…」
りな「子供が生まれたらしいんだけど、何かお祝いしなきゃって思って」
悠月「子供か…もう俺たちもそういう歳になったんだよな」
りな「この前きいたけど、悠月さんって逆子で難産だったんだっけ」
悠月「らしいな。俺は覚えてねえけど」
りな「覚えてたらミラクルだよ…」
「そういえば悠月さんね子供の頃の写真ってみたことないな」
悠月「前にみたことあるだろ、映画で」
りな「そうそう、スイスの映画館でみたね。悠月さんのヨーロッパデビュー作」
《そうなの?私がシンデレラ始める前の番外編かな??そのうちやらなきゃー》
「でもあれはもう中学生だったし…もっと小さい頃の悠月さんが見たいな」
悠月「別に見ても何もおもしろくねえぞ」
りな「でも、好きな人が小さい頃どんなだったのかなーって、気になるし。アルバムとか、悠月さんの家にある?」
悠月「アルバムか…どこにしまったかな。多分あると思うけど」
りな「見たいなー」
悠月「お前…何甘えてんだよ」
りな「だって、そうしたら見せてくれるかと思って」
悠月「めったに甘えてこないから、お前のそういうのに弱いんだよな…(照)」
《そうなんだゆづはたまに甘えられると弱いっと..φ(゜▽゜*)メモメモ》
悠月「じゃあ見せてもいいけど、今度お前の子供の頃の写真、見せろよ」
りな「えっ…」
悠月「それが出来ないなら、交渉不成立だな」
りな「えーと…そういえば私、アルバム持ってないかも」
悠月「ウソつくなよ。少なくとも実家には絶対あるだろ。お前の実家に電話して、送ってもらうからな」
りな「だ、ダメ!
お父さんもお母さんも悠月さんのファンだから、絶対言いなりになっちゃう」
悠月「楽しみだな、りなの小さい頃の写真」
りな「あまり期待しないで…。でも私は、悠月さんの写真の方が楽しみだな。すっごくかわいいんだろうな…」
悠月「…あまり期待すんな」
りな「それ、今私が言ったセリフ…」
悠月「ほんとに期待すんなよ。たいしたもんじゃねえからな」
(なんでこんなに念をおすんだろう?まさか変な写真が入ってるとか…)
いや、悠月さんだったらきっと変な格好しててもかわいいんだろうな)
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悠月「さて、どこにしまったか…」
りな「卒業アルバムとかがあるところじゃない?」
悠月「卒アルすらどこにあるかわかんねえ。クローゼットは衣装ばっかりだしな…向こうの部屋か?」
悠月さんが別の部屋を探しているあいだに、私もあちこち探してみる。
(それらしきものが全然ない…昔の台本とかは積んであるのに)
悠月「ねえな」
りな「どこにしまったのか、全然覚えてないの?」
悠月「そうそう見るもんでもねえし…倉庫の可能性が高いな」
りな「倉庫?」
悠月「ああ。家の裏に倉庫があるんだよ。そこに、必要ないもんは全部しまってあるから…ちょっとまってろ」
《ん?皐月さん続編でも思ったけど、悠月って実家暮らしなのかな?ずっと1人暮らしだと思ってたんだけど(゜ω゜≡゜ω゜)?》
悠月さんが携帯で、誰かに連絡を取り始める。
悠月「ああ、俺。悪いな突然。ちょっと探し物をたのみたいんだけど」
(誰に電話してるんだろう?まさかマネージャーさんじゃないだろうし)
悠月「すぐ探しに行ってくれるって」
りな「誰に電話したの?」
悠月「使用人」
りな「なんかわざわざ、申し訳ないことを…」
悠月「結構時間かかるだろうし、のんびり待ってるか」
私のうでを引き寄せて、悠月さんがキスをくれる。
触れ合うだけのキスが、少しずつ熱を帯びていく…
りな「悠月さん…ダメだよ」
悠月「なんで?」
りな「だって…いつアルバムを持ってきてくれるかわからないのに」
悠月「そんな、勝手に入ってくるわけじゃねえし」
りな「だけど…」
悠月「まだ来ないって」
柔らかい唇が、首筋を這う。
りな「ん…」
悠月「ほんとに今日、お前に会いたくて仕方なかったんだから…このくらいいいだろ」
《あはーーーーー!(〃▽〃)こんなこと言われたらもう何でも許しちゃうwwwwwwww》
りな「だけど…ぁ…」
私の背中を支えながら、悠月さんがゆっくりと床に押し倒した。
《ダメだと思いながらも、拒めなくなってく感じがたまんない(/ω\*)←》
りな「待って…」
悠月「もう無理。スイッチ入った…」
(どうしよう…ほんとに使用人の人が来ちゃったら。だけど、悠月さんの唇、気持ちいい…本気で拒めないよ)
りな「悠月さん…な、なんだかいけないことをしてるような」
悠月「そんなことねえだろ…自分の家だし」
りな「だけどこんなところ、使用人の人に見られたら」
悠月「大丈夫だって。あいつ、空気読むから」
《そーだそーだむしろ見せつけちゃおうぜwwwwwwww》
コンコン
ノックの音が聞こえて、悠月さんの動きが止まる。
《こらーーーーーー!!ヽ(*`Д´)ノ空気読めよ使用人!!wwww》
悠月「…来た」
りな「い、急いで出ないと!遅くなったら変に思われる…」
《そんな、高校生がえち最中にお母さん帰ってきたみたいな焦り方しなくてもwwwwwwww》
悠月「待たせといてもいいんしゃね?」
りな「悠月さん!」
乱れた服と髪を直しながら、あわてて身を起こす。
悠月「んじゃ、ちょっと行ってくる」
りな「う、うん」
(危なかった…危うく流されるところだった…。そして使用人の人がそのまま入ってきたら、見られるところだった…)
悠月「やっぱり倉庫にあったって」
アルバムを数冊持って、悠月さんが戻って来た。
りな「わあ、見てもいい?」
悠月「ほんっと、別におもしろくねえからな」
りな「悠月さんの小さい頃の写真が見れるだけで、充分面白いよ
悠月「変なところは飛ばせよ」
りな「変なところ?」
首を傾げながらもアルバムをめくると、女の子の写真が視界に飛び込んできた。
りな「髪が長くてスカートはいてる…けど、これ」
悠月「…俺だよ(照)」
りな「えええええっ」
悠月「その辺は全部飛ばせ!」
りな「いや、これは貴重な写真…」
「ゆ、悠月さん…かわいい!」
悠月「うるせーな!なんでピンポイントでそのアルバム開くんだよ」
「こっちとか向こうのは女の格好させられてねえのに!」
りな「ちょっと悠月さん、アルバム引っ張らないで~」
悠月「それなら、あんまりジロジロ見んな!早く次のページ行け!」
りな「次のページも女の子の悠月さんが…」
悠月「ああ、くそっ!このアルバム、ほとんど女の格好してんだよ…」
(こっちは髪を結んでる…完全に女の子だ。悠月さんのお母さん、本当に女の子が欲しかったんだな)
りな「あ、皐月さんも一緒に写ってる。皐月さんは普通に男の子の格好してるのに…」
悠月「兄貴は最初から男として育てられたんだよ。いや、別に俺が女として育てられたわけじゃねえけど」
りな「でも女の子の格好させられてたんだね」
「かわいいなあ悠月さん…こっちはリボンつけてるよ」
悠月「あー、こんな恥ずかしい写真、さっさと処分すればよかった」
りな「処分するくらいなら、私にください!」
悠月「お前…目がマジだな」
りな「だってこんなお宝写真…捨てるなんてもったいないよ」
悠月「俺は抹消したい過去なんだよ」
そして、次のページをめくると…
りな「…あ!」
悠月「なんだよ…あ!!!」
りな「パンツ一枚で裸の悠月さんが…」
「しかもこの悠月さん、イチゴ柄のパンツはいてる!」
悠月「やめろ、見るな!」
りな「も、萌え…」
《ちょwwwwwwwwwwwwwwww》
悠月「萌えんな!」
《あぁもう可愛いなあこのカップルwwww》
りな「でも、イチゴのパンツ、初めてじゃなかったんだね。それならもっと素直にはいてくれてもよかったのに~」
悠月「ガキの頃と今とじゃ全然違うだろ!」
りな「もう、照れちゃって…こんなに似合ってるのに」
悠月「うるせー!口ふさぐぞ!」
りな「んっ…」
言葉通り、悠月さんがキスでわたしの口をふさぐ。
りな「こんなことしても、悠月さんがイチゴのパンツをはいていた過去は消えな…」
悠月「お前、ちょっと黙れ」
もう一度、キスが戻ってくる。
悠月「…もう一回ふさいでやろうか?」
りな「もう何も言ってないのに…」
悠月「ダメ。ふさぐ」
りな「あ…」
深く唇が重なって、お互いの指が絡み合う。
ベッドに押し倒されると、悠月さんの唇が頬から首筋へ下りていき…
私はそっと、悠月さんの背中を抱き締めた。
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ベッドの中で悠月さんに抱きしめられながら、私はさっきの写真を思い出していた。
りな「決めた。私、子供が生まれたら絶対にイチゴ柄のパンツはかせよう」
悠月「はあ?」
《ああ、ゆづの裸の立ち絵がかっこよすぎる(/ω\*)》
りな「さすがに、男の子に女の子の格好はさせないけど…。でも、悠月さんにもおそろいでイチゴのパンツはいてもらおうかな」
悠月「お前っ…男にイチゴのパンツはかわいそうだろ!」
りな「悠月さんだってはいてたのに」
悠月「だから、トラウマになるからやめろって。それに、俺かあれをはいてたのはお袋が勝手に…」
りな「あれ?トラウマって言うわりに、悠月さん、イチゴが大好きだよね。」
「もしかして悠月さんのイチゴ好きって、お母さんがあのパンツをはかせてたから?」
悠月「んなわけあるか!」
りな「でもかわいかったな~女の子の悠月さん…」
悠月「女じゃねえっつーの!」
りな「後でもう一回見てもいい?」
悠月「お前、もう黙れ!口ふさぐぞ!」
りな「それ、2回目!」
《そのまま第2ラウンド突入しちゃおうか\(^o^)/wwww》
笑うと、悠月さんが私
の上に覆いかぶさってくる。
悠月「お前の写真、絶対に見せてもらうからな」
「あーでも小さい頃のお前、かわいいんだろうな。今だってこんなにかわいいってのに…」
りな「そんなふうに思ってるの、悠月さんしかいないよ」
悠月「いいんだよ、俺以外の男に必要以上にかわいいとか思われなくても」
悠月「でも、子供か…お前の子供だったら絶対かわいいよな」
りな「悠月さんの子供だから、絶対かわいいよ」
《バカップルの会話ですねwwww》
悠月「女の子だったらどうするんだよ。
毎日送り迎えしても不安だなー防犯ブザーと携帯もたせないと」
りな「気が早すぎる…」
悠月「俺はいつでもいいんだけど」
胸元を這う悠月さんの唇がくすぐったい。
目を閉じながら、悠月さんとの幸せな未来に思いを馳せた。
HAPPYEND
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