≪タコ公園だぁ♪ここは昔から二人の大切な場所だもんね≫



(いっちゃんとここに来るの、久しぶり…)

『見て、いっちゃん。星がすごいよ』

一護「ああ、キレイだな」


(そういえば小さい頃、ここで一緒に流星群を見たっけ。それに…)


一護「なあ…覚えてるか?」

『え?』

一護「ここで、2人で流星群を見たよな」

『うん、私も同じこと考えてた』

一護「小さい頃も…それに、オレたちがつき合い始めた日も」


(そう…いっちゃんと本当に気持ちが通じ合ったあの日、雨がやんで、流星群を見て…いっちゃん、キスしてくれたっけ)



一護「…あれから、色々あったよな」

『うん…』

(いっちゃんとケンカしたり、仲直りしたり、クロフネでみんなで集まったり…本当にいろんなことがあった)


ふいに…涙で視界が歪んだ。


『っ…うっ…』

一護『…りな』

『ううっ…』

一護「なに泣いてんだよ」


そっと、いっちゃんが指で涙を拭ってくれる。


『だって…やっぱり寂しいよ、いっちゃんがいなくなるなんて
 …ずっといっちゃんと一緒にいたいよ…』

一護「オレだって、お前と離れるのは寂しいっつーの」

『え…?』


一護『でも…10年間お前だけ想い続けてきて
   もう無理かもって思ったこともあったけど…
   それでも、やっぱりまた会えた。
   だから今回のことだって絶対に乗り越えられる。
   お前とだったら2年なんてどうってことない」

≪10年も片想いしてきたんだもんね。それに10年前みたいにいつ会えるのかも分からないんじゃなく、2年後には必ず会えるし頑張れるね≫


『いっちゃん…』

一護「2年経ったら、ちゃんとして戻ってくる。
   だから、それまで…」

『…うん』


(いっちゃんが、寂しいって言ってくれた…私とだったら乗り越えられるって。私も、いっちゃんと自分を信じよう…10年間ずっと忘れなかったいっちゃんへの気持ちを)



一護「それに、あいつらもいるし」

『そうだね…寂しいって言ったら、きっと賑やかに励ましてくれるよね』

一護「それはそれで心配だけどな…特に理人とか」

『いっちゃんは、りっちゃんのこと気にし過ぎだよ』

一護「あいつ、オレがいない間、絶対お前にちょっかいかけるだろ」

『そんなことしないよ』


一護「留学中でも流星群が見える夏になったら帰ってくるから、また一緒に見ようぜ」

『うん…約束ね』

一護『ああ…』



そっと、いっちゃんがその腕に私を包み込み…
たくさんの星に見守られながら私たちは静かに唇を重ねた。



一護「今日…このまま、うちに来いよ」

『…うん』

≪きゃー!!こんなこと自然と言えるようになったのね!成長したねえっ(〃▽〃)≫


(いっちゃんと過ごせるのも、あと数日…それまで、たくさん思い出を作ろう。2年間、寂しくないように…)



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そして、いっちゃんが旅立つ日。

春樹「気をつけてな、一護」
剛史「向こうのスパ情報よろしく」
≪さすが風呂屋の息子www海外のお風呂事情も気になるのかwww≫

一護「パリに温泉なんてあんのかよ」

理人「りなちゃんのことは僕にまかせて、安心して行ってきてね」

一護「安心出来るかよ!お前にだけは絶対渡さねー、つーか誰にも渡さねーけど」

『いっちゃん…』

竜蔵「一護!おおう!」
譲二「一護…体に気をつけて週に一回は電話すること。
   あと、たまにメールも。
   なんかあったらすぐクロフネに電話…」

≪お前はいっちゃんの親かwww≫

一護「なんでうちの親よりマスターの方が心配してんだよ」

理人「リュウ兄とマスター、空港についてからずっと泣きそうだね」

『うん…』


一護「ハル、ちょっと」
春樹「どうしたの?」

一護「この前の…頼む」

春樹「うん、任せて。一護は安心して勉強しておいでよ」

一護「ああ。サンキュ」


(そういえばいっちゃん、卒業パーティーの時もハルくんと何か話してた…)


一護「おい、りな」

『え?』

春樹「それじゃ、オレたちは向こうに行ってるから」

一護「悪いな」

(みんな行っちゃった…気を使ってくれたんだ)


一護「…行ってくる」

『うん…行ってらっしゃい』



一護「寂しくても泣くのはオレに電話してる時だけにしろ。
   他のヤツの前では泣くなよ、マスターもダメだからな」

『ふふ、わかった』



一護「…お前も、大学がんばれ」


『うん…』



一護「毎日メールする」


『…うん』



一護「…電話も」



『う…』



(ダメだ…最後なんだから、笑顔で見送らなきゃ。だけど…どうしよう、涙が止まらないよ)



一護「りな…待ってろ。
   絶対お前のところに帰ってくるから」


『うん…待ってる。いっちゃんのこと待ってるよ…』




そっと、キスを交わし…

私たちは、つないでいた手を離した。





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(あれから、もう3年か…なんだかいろんなことがあったな。アルバムを見てたせいか、思い出したらしんみりしてきちゃった)


カラカラ~ン♪


竜蔵「ジョージ!アイスコーヒーくれ!」
理人「僕、レモネード」
春樹「オレもコーヒー」
剛史「フレンチトースト」
譲二「はいはい」

『みんな、お疲れさま』

春樹「○○、何見てたの?」

『あのね、3年前の…』



カラカラ~ン♪



一護「マスター、コーヒー」

≪きゃーーーーーー!!!!相変わらず3年後いっちゃんカッコよすぎる(/ω\*)≫


譲二「はいはい」


一護「何やってんだよ」

春樹「○○がなんか見てたから」

『高校の時のアルバムだよ。卒業式の時の』


剛史「懐かしいな」
理人「見て見て、他校生なのにしっかり僕も写ってる」
竜蔵「オレもいるぞ。なんでだ?」

一護「卒業式に来ただろ、2人とも」

竜蔵「おー、そうだった。あん時は島田を巻くのが大変だったな」
春樹「どうしたの、急にアルバムなんて」

『部屋の掃除したら出てきて…色々思い出しちゃった』

春樹「ハハッ、色々あったもんな」

≪うわwいっちゃんがパリに行ってる間のヒロインの事も俺は知ってる的な?wwwさすがナチュラルブラック!←私の勝手な妄想ですwww≫


一護「………」

≪ヤキモチ妬きな所は3年たっても変わらないみたいね(´艸`*)≫


譲二「はい、お待たせ。アイスコーヒーの人」
竜蔵「おー、オレだ!」
譲二「ハルと一護はコーヒーで、りっちゃんがレモネード」
剛史「フレンチトースト」
譲二「はい、どうぞ」

竜蔵「お前、よく食うな」
剛史「腹減った」
理人「タケ兄、また走ってたの?」
剛史「ちょっと時間あったから」
春樹「剛史は走るのが趣味みたいなもんだよな」


(みんながこうして集まってるのを見ると、3年前に戻ったみたい。やっぱりいいな、みんながそろってるって)



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『ごめんねいっちゃん、送ってもらっちゃって』

一護「別に。ハルに先越されたくねーし」

≪気になってる気になってる♪www≫


『え?』

一護「…この公園に来るのも久しぶりだよな」

『そうだね。なんだか最近忙しくて。
 ねえいっちゃん、ちょっと寄り道していかない?』

一護「いいけど、寄り道ってお前…高校生かよ」


『小さい頃も高校の頃も、よくこの公園に来たよね』


いっちゃんと一緒にブランコに座り、ゆっくりと漕ぐ。


『でもやっぱり、みんな変わらなくて安心しちゃった』

一護「そうそう変わらねーだろ。昔からずっと一緒にいたんだし」

『そういえば今日アルバム見てて思い出したんだけど…
 いっちゃん留学する前にハルくんに何か頼んでたよね?』

一護「…そうだっけ」

≪覚えてるくせに(´艸`)w≫

『何頼んでたの?気になるから教えてほしいな』

一護「…言わない」

『ってことは、やっぱり覚えてるんだ…』

一護「…そりゃな。つーか、お前…なんかハルと仲いいよな」

『そう?昔と同じだと思うけど』

一護「昔から仲よかったじゃねえかよ。
   ハルのヤツ、オレがいねー間に手出してねえだろうな」

『え?』

一護「なんでもねー」



『あ、見て、いっちゃん!』

一護「なんだよ」

『星がすっごいキレイだよ。あの時の流星群みたい…』



『あ、流れ星!』


一護「どこだ?」

『もう見えなくなっちゃった…でもまた流れるかも!またお願い事しよっか』

一護「はあ?ガキじゃねーんだから」

『しないの?』

一護「…するよ」

(いっちゃん、やっぱり昔よりもずっと優しくなったな…)


『あ、流れた!』


(いっちゃんとずっと一緒にいれますように、いっちゃんとずっと一緒に…)


一護「…あの一瞬で願い事3回は無理だろ」

『いっちゃん、何お願いしたの?』


一護「………」


『いっちゃん?』


一護「昔と一緒だよ」

『昔って…小さい頃、一緒に流星群を見た時?』

一護「あの時、お前とまた一緒に流星群を見れますようにって願っただろ。
   お前は、どんな願い事したんだよ」

『いっちゃんとずっと一緒にいれますように、って』


一護「なら、2人の願い事合わせたら、
   これからもオレたちはずっと一緒にいて、
   毎年流星群を見れるってことになるな」


『ふふ、そうだね』


優しく抱き寄せられて、柔らかく唇が重なる。


(あれからもう何年も経ってるのに…いっちゃん、子どもの頃のこと、まだ覚えてくれてる)

(いっちゃんとも、それにみんなとも…これからもずっと一緒にいられるよね)




(だって、流れ星にそうお願いしたんだから…)









END




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メール:よっ

卒業式とかもう懐かしいな。無事卒業できてよかったな、お互い!
ま、りなが卒業できたのは、オレが傍にいたおかげだな。

てか、りな、オレが留学行ってる間、ほんとに何もなかったのか?
なんかやけにハルと仲良さそうだったけど…。

お前は誰にも渡さないからな。

一護











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