どうも、ご無沙汰しておりますTOMOTです。
幼児クラスとエレメンタリークラスの教材制作に追われ、イタリアから帰国して既に4年近く経ちますが、特に翻訳作業の終わる目処が壊滅的に立ちません。
エレメンタリー有資格者の先生方と最近深く繋がることが出来ましたが、お話を伺う限り、どうにも皆様同じ状況にあるようです。
英語的な表現の言葉を日本の子ども達に伝わるよう直したり、近代研究で情報更新があったものを修正したり、そもそも日本史や日本語文法などは初めから調べて作らなければならなかったりと、苦戦に苦戦を強いられておりますね。
そのような訳でまだしばらく定期的なブログ更新は出来ないかと思われますが、諸々の事情を込み込みにして、園が長期お休みに入っている間に1記事2記事出してあげられたら良いなと思い今回更新致しました。
イリナのエレメンに通って下さっている方々にもお約束しておりますので、今回は園舎前美化計画について、簡単にお伝えしようかなと思います。
発端としましては、昨今の温暖化のせいで入園式前に桜が全て散ってしまう現状を危惧し、代わりになるお花を植えて子ども達の新生活を祝ってあげようかなと思い行動を開始致しました。
とは言うものの、安易に播種したところで芽すら出ないレベルで土地の状態が悪く、園舎で飼っていたお魚のお墓だけ雑草が薄ら生えてくる程度の状態。
砂場が近くにありその海砂が流入していることもあり、表層が若干塩害気味なのかなと思いつつ手を替え品を替え、エレメンタリークラスに来てくれている小中学生の子ども達と一緒に色々テコ入れしてみました。
4月某日、こちらが初期の状態になります。
亡くなってしまったお魚を埋めたとき種が掘り起こされて光に当たったのでしょう、お墓の辺りのみ雑草が生えており、好光性種子の底力を感じますね。
とにかく土作りしないことには始まらないので、皆で掘り起こしてみることに。
するとそこは隣で生えているヒノキの根で一面が覆われている状態であり、他の植物が生育出来るわけもない環境でした。
お詫びしつつその根の一部を皆で切断させて頂き、土おこしをしていきました。
もともと河川を埋め立てた場所にあるイリナは大小様々な石が土壌中に潜んでおり、水捌けこそ良いものの少々邪魔になるので、根切りしたときの残渣と一緒に石も撤去。
煉瓦でしっかり土留めをして砂場の砂の流入を防ぎつつ、表面の土を少し除去し、大まかなベースが完成しました。
土壌pHを計測してみると6.0を下回ることもあったので、計算して必要な石灰散布量を割り出し、各ご家庭で使用済みのタマゴの殻を洗浄・乾燥させて持ってきて頂きました。
諸々材料が揃ったら行動開始。
目減りした分+土壌改良の意味を込めてバーク堆肥を追加。
何故かバーク堆肥のバークを除去し始める子ども達。
皆で持ち寄った卵の殻を大きなすり鉢で粉砕。
計算で割り出した石灰の必要散布量が1.5kg弱だったのに対し、殻が1.2kg以上集まったので一先ず全て粉にしました。
そして秘密兵器がこちら。
私の友人とそのお祖父様のご厚意で、農家さんも使用するプロクラスの有機土壌改良資材を贈って頂きました。
こーすけ&カワタ産業様ありがとうございました!
こちらにリンクを載せておきます。
https://www.kawata-agri.com/
余談ですがイリナの倉庫には農耕道具が山のように入っておりますね。
色々買い揃えなきゃダメかと思っておりましたが、農家さんが監修したのかと思うくらい、この一面を作業する分の工具に関しては何ひとつ不自由がありませんでした。
しっかり耕した後、整地して皆で畝作り。
今回はあえて密植させようと思っていたので筋撒きも考えましたが、園舎前なので見栄えも考慮して15cm間隔で穴を開けてもらい、各2粒ずつ"何かの種"を植え付け。
火曜クラスは奥の畝、月曜クラスは1週間ずらして手前の畝に植え付けをしてもらいました。
この段階で5月末。
果たしてちゃんと出来るのか、そもそも生えてくれるのか、私は内心ハラハラしておりましたが「何の植物を植えたのか、完全に出来上がるまでに当ててね」と皆に問題を出してひとまず完成。
しかしその数日後……
とんでもない大雨に見舞われて、ほぼ水没。
かなり焦りましたが、6月6日のこと。
アメニモマケズ、発芽を確認。
植物の生命力は素晴らしいですね。
ここからは水遣りくらいしか人間の出来ることはないのでハイライトになりますが、彼等の成長過程です。
6月27日
7月10日
7月17日
7月20日
ここまで来ると、わかる子はわかりますね。
そして7月24日
正解はこちら……
ヒマワリでした!
今年の秋口にシバザクラをここへ植えて、春頃に咲く桃色の花の前で入園写真が撮れたら良いなと思い、その為の土壌改良材として緑肥用ヒマワリを植え付けておりました。
農家さんが野菜の収穫を終えた畑に植え付けるアレですね。
ヒマワリの根が土を耕してくれると同時に栄養補給してくれ、本体を抜いて土に漉き込めばさらに良い土壌が見込めます。
なので種が出来る前に全部引き抜いて土に混ぜ込もう……、と、思っていたのですが。
子ども達や職員、お散歩中の方々にも人気が出てしまい、ヒマワリを緑肥に出来なくなってしまいました。笑
すぐに漉き込んでもう一度播種して、10月くらいにまた花が見られるようにしようかと思っておりましたが、気付けばどなたか支柱立てまでしてくれているのでしっかり愛されている模様です。
こんなに人気が出るならもっとちゃんとしたヒマワリを植えたら良かったかなとも思うのですが、咲くか咲かないかで思い悩んでいたことを考えると、園舎前を美化するという名目において言えば大成功なのかもしれませんね。
「毎年の恒例にしたい」という案まで出てくるので、さてどうしたものかと、現在検討中です。
ヒマワリを恒例にするなら多年草のシバザクラは植えられませんし、かといってヒマワリは夏花ですからそれ以外の季節は園舎前が雑草繁茂地帯になるので管理が大変な上、マルチングして景観を損ねるのも入園式に花が無いのも本末転倒な気がしつつ……。
諸々考えて「園舎前で毎年ヒマワリをやりつつ入園式にも花を添えられる」案があるにはあるのですけれども、手間もお金も掛かるなあと、今度は別の方面で頭を抱えておりますね。笑
ともあれ幼稚園舎前にあるまじき荒野帯が少しく改善出来たので、課題は棚上げして、一先ず御の字と致しましょう。
今年のイリナ・エレメンタリーでは植物学を特に熱心に進めていたので、「植物とはどういう生命体か」を考えながら、雑草すら疎らだった土地を皆の力で緑化出来たことはきっと素敵な経験になったことと思います。
子ども達にとってはもちろん、私自身にとっても学びと実りの多い農作業でした。
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以上、水遣りの度に8匹以上の蚊に集られるTOMOTからでした。