お祝い品を買いに、銀座のデパートへ行った。

免税効果か、外国人観光客が多かった。

寝具コーナーで、目当ての品を買った。

少し、ブラブラした。
催し物会場でイタリア食品フェアをやっているのを見て、ジェラートを食べたり、
洋服や財布を見たり。

思いの外、ものすごく、楽しかった。
ワクワクしながらデパートに行った子どもの頃や若い頃を思い出して、じんわりと涙が出そうになるほど。

もう何年も、こんな風に目的なくデパートをブラブラしたことはなかったように思えた。

たぶん、何年も、というのは大げさなのだが、
確かに、近年は、目的の品を買ったらさっさと次の目的地に行くことの方が多くなった。

インターネット技術の発展により、いつでもどこでも、自由に買い物ができ、人と連絡を取り合うことができ、だからこそ時間を「目的」に合わせて切り取って使い「無駄」を省く、そんな世の中になったからこそ、
実際に、色々な角度から見て、触れて肌触りを感じ、香りを味わって、贈る相手を思ってモノを選び、包装を待つことや、
空いた時間にフラリと思いもかけない寄り道をすることが、
とても贅沢に思えたのだった。


デパートは、やっぱり、キラキラした夢の箱だった。
客層や商品が時代によって変遷しても、大食堂のお子様ランチの時代から、私にとっての輝きは変わらない。