初めて入る赤坂ACTシアター。
意外と大きくて、見やすくて、快適な劇場です。

ステージには大きなスクリーンが下りていて、
ステージ上に何があるのかは見えない。
暗くなったステージのスクリーンに大きな人影が浮かび上がる。
ジャカジャカジャーンとギターの音がする。
え?せっちゃんから?
客席(主に2階席)から「きゃぁーーーーっ!」と歓声があがる。
人影の足元はスカートみたいに広がってて、謎は深まる。
スクリーンが上がって、びっくり。
せっちゃん、紋付羽織り袴です。
新郎さんみたい。
まさか、自分の結婚式で着たものじゃないよね(笑)。

ステージ上には何もなくて、せっちゃんとマイクと少しの装置だけ。
超シンプル。

「アゲハ」
せっちゃんの弾き語りは久しぶり。やっぱりいいよねぇ。
せっちゃんは髪の毛切ったかな。
RIJで風でなびいていた髪の毛よりは少し短い気がする。

「アゲハ」を歌い終わったところで、スクリーンが下りてくる。
え?って思ってると
「この後もよろしくー」と右手をぴらぴら振るせっちゃん。
ってことは、まだ出てくるってことね。

下りたスクリーンには、過去の情熱大陸の映像が流れて、ご本人登場。
まずは、柳家花緑さん。小さん師匠のお孫さんです。
「目黒のさんま」。初めて聞きました。わかりやすくて面白かった。

次は立川談春さん。
立川談志さんのお弟子さんで、17歳で弟子入りされたそうです。
見るからにエネルギッシュな感じの方。
「紺屋高尾」を。
ところどころで、せっちゃんの手を振るマネをしてみたり、
「せっちゃん」とか「なまけもの」とか言ったりして、サービス精神旺盛な方。

15分ほどの休憩。

後半はせっちゃんから。
スクリーンに情熱大陸のせっちゃんの映像が映し出されると、
一斉に客席から拍手が。おぉやはりせっちゃんファン多数なのね。
情熱大陸の沖縄ライブの映像が映る。

スクリーンがあがるとさっきとは違う着物のせっちゃん。
よーーーーく目をこらして見て、多分浴衣。
紺と少し薄めの紺の大きな縦縞。
帯はギターで見えない。

まずは「男節」。おぉ久しぶり。
エロバージョンではなく、音源バージョン(笑)。
せっちゃんの声の調子はいい感じで、大きくひっくり返ることもなく。

「緊張して、すでに手がつりそうです」と左手の指を伸ばす。
で、「やりづらい」と言って、雪駄を脱いで、右に揃えて置くせっちゃん。
おぉ生足ですよ。
素足でステージに立つせっちゃんの姿を見れるとは。

「これは(浴衣)貰ったもので、着る機会がなかったから、
 せっかくだからと思って。
 最初に着た羽織袴は初めて着ました。」とせっちゃん。
浴衣の袖が邪魔らしく、「やりづらくてね」と袖をまくったり。

私は「ギター外して、グルッと回って、全身見せてくれないかしら」と願う。
iPh●neのCMみたいに、じいちゃん、ばあちゃんが孫の晴れ姿を見て、
回って見せてーっていう気持ちがよくわかる。
イトオシイ人が晴着を着たら、何回でも、あちこちから見たいものです。

談春さんがせっちゃんの手を下の方で振るしぐさをマネしてたのを見てたみたいで、
「あんなことしてるかな?」と不思議そうに言うせっちゃん。
間違いなく、してます。

せっちゃんは「談春さんは同い年なんですよね」。
会場からは微妙な反応が。
「え?談春さんってそんなに若いの?」と
「え?斉藤和義ってそんなにおっさんなの?」の両方。
とにかく、どうみても同い年には見えないってことだと思われます。

「ずっと好きだった」

「情熱大陸とウルルン滞在記が混ざってて、アフリカとか行って、
虫とか食べて、最後に泣かなきゃいけないのかな、って思ってたら、
違ってました(笑)」
ずっとカメラが追っかけてくれてるんだけど、
映像では下ネタの寸前で切られてた話とか。

「映画監督」

ギターの「映画監督」は初めて?久しぶり?
ツアーではキーボだったし。

「本当は次が最後の曲だったんですけど、落語家さんのを見てたら、
案外、時間がアバウトだなってわかったので、
さっき談春さんに言ってもらった「進めなまけもの」をやります。
照明とか大変でしょうが。」とちょっと苦笑いして、サービス演奏。

「進めなまけもの」

「歌うたいのバラッド」
せっちゃんの足元にいくつもの楕円形のライトで照らされ、
花が咲いてるみたいでした。
途中から花がぱぁーーーと広がり、ステージ上に沢山のライトの花が。

なんかねーせっちゃん、大御所感満点ですよ。
最初から最後までギブソンのアコギ1本でした。

最後は、桂米團治さん。
米朝師匠の息子さんだそうです。
どーやら、ものすごいおっちょこちょいらしい。
桂歌丸師匠を紹介するときに、三遊亭歌丸、と紹介したとか(あかんやろ)。

全部終わって、アンコールの拍手があって、4人が揃って登場。
右から談春さん・米團治さん・せっちゃん・花緑さんがマイクを持って立つ。
もちろん全員着物なんですが、それも全員バラバラな感じ。
せっちゃんだけがダントツで背が高くてしゅっとしてます。

ここからはせっちゃんは喋る隙を与えてもらえません(笑)。
落語家さんはちょっとでも隙があると入ってきます。
それが3人も揃っていると、喋り始めるのに時間がかかるせっちゃんは入れない。
襲名の話とか師匠の話とかで盛り上がってきて、談春さんが「座りましょうか」と。
全員がステージ上に正座。

せっちゃんは色々と気を遣ってもらって、
落語家さんたちから話を振られる。
せっちゃんは「談春さんは次は談志さんをつぐんですか?」と質問。
談春さんは「そんなことは無いと思いますが、頼まれても断ります」と。
「談志」という名前があまりにも大きすぎて、
「お前が談志か」というプレッシャーに耐えられない
というようなことを言ってました。

「斉藤さん、やりづらくなかったですか?」って聞かれて、
普通に「やりづらかったですねぇ」とへらへらと答えるせっちゃんに、
「全然やりづらそうじゃない」と笑う落語家さんたち。

談春さんに
「皆さんから見えないでしょうが、斉藤さん、綺麗な指ですよね」
とせっちゃんは誉められる。
「緊張するとどっちの手がつりそうになるんですか?」
と聞かれ、ギターを弾く形をしてから、右手と左手を交互に見て
「こっち(左手)ですね」。
指がこうやってつって、こんな形になる、とやって見せる。
談春さんが「フレミングの法則みたいになるんですね」(笑)。
人差し指がつって、ずっと同じ形のまま弦を押さえたり、
親指がこっちから押さえなきゃいけないのに(上側)、下から押さえる形になったり。
とせっちゃんは具体的に熱心に話す。

そろそろ時間ってことで終わろうとすると、お客さんから「えー」の声。
談春さんが「じゃぁ一旦下ろして、また半分ぐらい開けて喋りますか。
お客さんがいるなら喋りますよ。」と笑いながら落語家さんらしい一言。
でも「今、斉藤さんが悲しそうな顔をしたので、やめときます」(笑)。

ってことで、意外と長く、3時間以上の情熱大陸でした。