幸ちゃんへ



幸ちゃん、ままね、幸ちゃんが産まれてきた時、正直喜べなかったの。


幸ちゃんの病気は分かってたこと・・・


おなかの中では元気いっぱいおなかを蹴ってた幸ちゃん。


お外に出たら、幸ちゃんは苦しくなっちゃうこと・・・


分かっていたから。


幸ちゃんの体にメスが入ること・・・


分かっていたから。


すぐに離れ離れになること・・・


一緒にお家に帰れないこと・・・


分かっていたから。



幸ちゃんは元気に産声をあげてくれたね。


ちゃんと覚えているよ。


手足もばたばた動いていたね。


顔真っ赤にして、泣いてたね。




ずっとおなかにいたまんまだったらよかったのにね。


おなかの中なら元気でいられたのにね。


ずっと一緒にいられたのにね。



苦しまずに済んだのにね。


痛い思いしなくて済んだのにね。






幸ちゃんは自分の使命を選んで産まれてきたんだから、ままもちゃんと受け止めてあげなきゃ。


がんばった幸ちゃんをいっぱいほめてあげるんだ。


いっぱい愛し続けるんだ。



これが今、ままに出来ること。




幸ちゃん、ままのこと見える?


まま、幸ちゃんのために一生懸命生きるよ。


幸ちゃんが果たせなかった思いを抱えて・・・



だから、ずっと見ててね。


幸ちゃんの分まで幸せに生きるから。


幸ちゃんの分まで・・・。


約束するよ。



幸ちゃんは、ままと一心同体だからね。


ずっと一緒だよ。


ずっとそばにいるよ。


ずっとずっと、大好きだよ。