BLです。
ご注意ください。
大変お待たせしましたぁぁぁぁ
忘れてる方の為に貼っときます
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┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈にのあい学パロ
「まさかこんな所で再会するなんてなぁ
もう運命とちゃう?いや運命でしかないなぁ!」
「いや、うん。ちょっと待って……今、凄い驚いてるから………
てか、俺がココに居るってどうやって分かった?」
「アホぉ、マヂでガチの偶然や」
「ウソだろぉ…有り得ねぇ…
……なぁ、ココ日本じゃないの知ってる?」
「知っとるわ!朝起きたらいつの間にか海の向こうへ渡ってました〜。あれ?ここ何処や?寝ぼけて日本の裏っかわまで来てもたぁ〜なんてわけあるかい!」
テンポの良い1人ノリツッコミも相変わらず。
でも今は懐かしさや嬉しさよりも鈍器で頭を殴られたくらいの衝撃の方が強くて頭が上手く回らない。
「まぢかょ………ハァ…最悪だ」
「ぅわ、ひどぉー!折角会えた仲間に向かってその言い草なん?すばる君傷付くわぁーー」
「ヲイ、注目されてんだからやめろ」
さっきまで居た観客は俺たち2人に興味があるのか、この場から殆ど立ち去らずこちらを見ていた。
「ぅん?へぇ……ンフフフフ。せやなぁ、ニノ。せっかく注目してもろてるんやし?久々の再会もパァっと祝いたいわけやし……よし、俺の為に弾いてくれへん?」
「へ?は?…な、なにを?」
「 」
「っ……それは、ちょっと、さ…ねぇ?」
俺としてはこんな所で会うはずの無い同級生との奇跡レベルの再会を、祝うよりもここから早く逃げなきゃと焦ってるってのに?
もしこのまま捕まってしまえば…
あいつにこの場所を知られてしまったら…
全てが台無しだ。
少しずつ距離を取ろうと後ろに下がるが、そうはさせないとでも言いそうな顔で腕を強く掴まれてしまった。
「まぁまぁ、待ちぃや。それともそんな逃げ腰っつぅのはもう弾けませんって事なんですかねー?」
「はぁぁ?弾けるし」
「じゃあやろうや!」
「…………チッ」
クソっ
もうどうにでもなれと半ばヤケクソになって
鍵盤に指を打ち鳴らした。
ジャズのようなタッチで弾き始め
だんだんと音を掻き鳴らしロック調に転調していくこの曲は、Wonderの人気曲だった。
こっちでは1度も弾いた事はなかった。
俺のピアノに満足気な顔で歌い始めたすばる。
その歌声に通行していただけの人達も思わず立ち止まっていく。
相変わらず…規格外の歌声だな
しかも英語バージョンになってるし…
パフォーマーとしての売り込みもお見事なこった
クソ……
やっぱり楽しい……
なんて思う自分に哀しくなってくる。
曲が終わると盛大な拍手に寄ってくる人たち。
被ってた帽子を取っておひねりありがとうございますとばかりに裏へ向けるとそこには沢山のチップが舞い込んできていた。
「ぅひょーーーーー!」
「チッ……最っ悪だ」
「なんや?楽しくなかったんか?」
「……楽しさ思い出して、複雑なんだよ」
「ンハッ! 最高の褒め言葉やん」
アンコールを求められたが、このままココにいると余計な奴が増える気がして、その1曲のみで早々に引き上げた。
もちろん、当たり前のようについてくる すばるに
どうしたもんかと頭を抱える。
このまま逃げてしまえば俺の住んでる場所まではバレないかもしれない…でも、俺がココに居る事はみんなに知られてしまうだろう…
でも、身体能力バカを巻ける気は全然しなかった。
「なぁ、にのぉ…」
「んー…?………んだよ」
呼び止めたくせに何も返ってこないから振り向くと
立ち止まった数歩後ろに珍しく真剣な顔で立っているすばるにドキッとする。
断罪でも始まるような空気に強ばった俺を見たすばるは、すぐにいつものヘラっとした…いや、それよりも優しい笑顔を見せた。
「なんだよ…」
「おまえがココに居ることって誰にも知られたくないんやろ?」
「なんでそんな事聞くんだよ」
「そうなら別に俺は誰にも言わへんし」
「は?なんで…」
「突然居なくなって、まさか国外に居るとは思わんかったけど……そうせんとならん理由があったからやろ?」
「……うん」
「なら言わへんよ」
なんだ急に?
そんな俺に都合のいい話を持ち掛けてくるとか…
どうせ何か企んでんだろ?
かつての仲間だった奴の見た事のない真剣な顔に
怯んでしまうが、何か違和感も感じた。
「…その心は?」
「暫くのタダ飯、タダ宿万歳!!」
「っざけんな!」
「貧乏バックパッカーの俺を助ける思て!!」
「うるせぇー」
「ニノちゃーーーん♡」
やっぱそんな事だろうとは思ってたけど!
とはいえ、俺は今こいつに盛大な弱みを握られているわけで…拒否る事も出来ないのは分かっていた。
「ハァ……その代わり、ぜったいに!
俺がココに居るって誰にも言うなよ?!」
「もちろんわかってんでぇー」
「……でも、姉ちゃんにも聞かないと」
「おおっ!交渉なら任せとけ!」
「なんでそういうとこばっか積極的なんだよ…」
「お褒め頂き光栄ですわ」
「褒めてねぇし…」
あの頃に戻ったような、そんな空気に包まれる。
と、同時に
戸惑いと不安が心に広がっていくのを感じていた。
続