またまた久々更新となりました今回は(最後の夜編)でございます。

最後の夜……ともなればー……
エエ皆様。もうピンときた方もいらっしゃるでしょう二人の独身最後の夜っ!!という事はー……


結婚前夜編!!!!(ズドーンッ←


長かった正きもも、そろそろ本当に終わりが近いという事ですね。いや、度々中断しているので最早話の流れを忘れたという方もいらっしゃるでしょう。
なので軽く振り返ってみましょうか?

正きもとは。モジモジ兄さんが勇気振り絞ってギュに告白してそのまま付き合ったけどえっちぃ事は結婚してからねーなんてトゥギママに笑顔でバッサリな流れからの結婚するーっと兄さん大暴走で見事繋がった二人の紆余曲折を経てやっと結婚前夜祭っ!!

とこんなモンですか?(待てコラ
そんなこんなで前夜でございますお待たせ致しました(笑)
ダラダラ書いてても何なんで。チャッチャと本編に移りますか。


それでは参りましょう!!とうとう結婚前夜を迎えた二人!そんな二人の夜は一体どんなモンになってんの!?凄く気になる可愛い兄さん何処いったーーーっ!?なーんて私同様、可愛くも人を魅了して止まない兄さん大好きだって方はどぞっ!!






【正しい気持ちの伝え方(最後の夜編)】



式が次の日と迫った夜。イェソンはリビングのソファの上。
体育座りをしつつ、一定の間隔で首をコテリ、コテリと左右に倒す仕草を繰り返していた。
それを続けてもう30分は経つだろうか?
目の前に座っていたソンミン等は正気ではないのだろうかと僅かに心配してしまった程なのだが。

「そんなに見つめてると、時計がどっかに逃げちゃうよ?」

呆れ半分な声を上げつつ、何だかよく判らない理由を口にしたのはリョウクその人で。キッチンから出て来た彼の手には手巻き寿司の乗った皿が持たれていた。

「………逃げる……?それ、ダメ。」

言われて初めて顔をリョウクへと向けたイェソンは、本当に時計が逃げてしまうとでも思っているのか。
パッと見ていた時計から目を離し、それでもやはり針の進みが気になるのだろう。チラチラと時計の方へと目線を向ける仕草に、ソンミンは思わず可愛いなぁなんて思ってしまう自分に苦笑した。

式を控えたこの一週間。同じ事務所の先輩後輩含め、仕事仲間や友人達からの祝いの訪問に。イェソン含め、メンバー達も目まぐるしい時間を過ごしていた。
だが最後の日だけは静かに過ごさせてやりたいと。長男二人の計らいで、全員が二人と過ごせる日を作った。筈だったのだが……


「キュヒョナ、遅いね……」

軽い音を立てて、ガラスで作られた脚の低いテーブルへと皿を置いて。リョウクのその言葉にソンミンもまた時計へと目を向けた。黒い針が指し示した時刻は、夜の10時を少し回った地点。どうしても調整し切れなかったキュヒョンの時間、帰宅は8時頃だと言っていたがやはりというか。
そう都合よく帰って来れる仕事では無いのだ、自分達の仕事は。

「こんな日位、早く帰してくれればいいのにっ」

もー!なんて頬を膨らませるリョウクにソンミンも苦笑顔を向ける。確かに二人の独身最後の夜なのだ。
ユックリ過ごさせてやりたかったのも事実。折角兄達が作ってくれた皆との時間も、先程お開きとなり11階は今やシンと静まり返っている。

「今日中には、帰って来るよ。」

イェソンへと目を向けて。安心させてやろうとソンミンが掛けた声。それにイェソンは先程の様に首をコトリ傾げて見せて、ポヤン顔をソンミンへと向けた。

「俺、別に淋しくない。」

至極当たり前のような声の響き。
何を二人は言っているのだろうと、理解出来ない事に頭が着いて来ていないようなその表情。
そんな顔を向けられて、驚いたのは勿論その場に居た二人の方だ。

「淋しくないって……」

有り得ないだろうと驚きに目を見張るソンミンの声は僅かに上擦っている。同じように驚きからだろう。
リョウクはイェソンの隣へと座ると、その肩を引き寄せてポンポンと叩き始めた。

「我慢しなくてイイんだよ?ヒョン…ホントは淋しいんでしょ?」

ヨシヨシと。優しく肩を撫でてくれる心地良さにイェソンはホンワカ気持ち良さそうに身を委ねている。
だが、それだけ。別段淋しいんだと泣く訳でもなく、かと言って違うと怒り出す訳でも無いまま……
そしてポツリ、一言。



「俺……皆との時間、見てた。」


「「………時間?」」



思わず重なった声。見つめた先のイェソンは、先程と同じ様に時計をジィッと眺めていて。
秒針が動く度にその黒い瞳も動くのが判る。



「後どれだけ皆と、過ごせるかな…って……」

今が凄く幸せだから。

「俺の残った人生で……後どれだけ……」

この幸せな時間を、感じられるのかって………


「………ヒョン……」



リョウクの静かな声がリビングへと落ちる。
夢心地なのかもしれない。イェソンの声は、普段とは少し違った……それでも優しく人の心を捉えて離さない響きを帯びて。

周りの温かさを知って、その優しい心に触れた。
自分は皆に守られている。その事への感謝と有り難さと……

そして幸福を感じられるこの時を。

後どれだけ過ごせるのかと、イェソンはそう言うのだ。


「俺はまだ、返せてないから……」


守られるだけじゃない。守っていくと約束した想い……
それを後どれだけ続けていけるだろう?

そう思ったら。


「今この時が……俺は、大事。」


だから淋しいだなんて感情はもう何処にも無いのだ。
そう言い切って微笑んだイェソンに。次の日まで取っておこうと我慢していた涙を二人は静かに流して。
今この瞬間を一緒に刻める奇跡に、改めて幸福を感じた。








「………眠れないんですか……?」

深夜を回る前に帰宅したキュヒョンと穏やかな時間を過ごし、今はその腕の中で彼の体温を感じる中。
そんな声に、イェソンはキョトリ暗闇でも判る目の前の相手の顔を見つめる。

「だって……勿体無い。」

時間の過ぎる速度を変える事なんて出来ない。
だから、その分眠る時間すら削ってでも。この目の前の体温を感じていたいのだと……
そんな心のままにキュッと巻き付いてきた腕に笑って、キュヒョンはその体を優しく抱き締めた。

「今日は楽しかったですか?」

皆と一日中一緒に居られた時間。仕事をするでも無く、かと言って無駄に喋るでも無く……
ただ一緒に居て、その存在を確かめ合えたその時間……

「ん……凄く、いっぱい貰った……」

何を言われた訳でも無い。だけど、傍に居るだけで伝えてきてくれる心に触れて。
だからだろうか?こんなにも穏やかな気持ちで居られるのは……


「貴方がそうやって笑う姿が、好きなんです……」


幸せなのだと。皆の事が大好きで、一緒に居られる事が幸せだと。そんな笑顔を見るのが好きなんだと……そう言うキュヒョンに、イェソンは目元を染めて、その胸元へと顔を埋めた。


「俺も……俺を見て……そうやって…笑う、キュヒョナが……」



好き…………



「………殺し文句ですね……ソレ……」


そんな風に言われたら、見つめ続けていたいと思わない訳が無いじゃないか。クスクス笑って背中を優しく撫でてくれる腕に、イェソンは尚々その胸へと顔を埋めていく。
こうやって優しい心をくれるから……だから、離れられないのだ。もっとずっと見ていて欲しい……どれだけ自分達の時間があるのかは判らない。

だけど……

だけど、その時間の許す限り。
共に……皆とも、彼とも……ずっと、一緒に……


「だから……寝たくない……」


キュッと握られた服の感触に、キュヒョンは笑みを深くする。
こんなにも可愛く素直な感情を示してくれる相手へと。
だから、プレゼントをまた一つ。


「ヒョン……手、出して下さい……」


突然言われた事に、一度キョトンとしてから。
素直に回していた腕を解いて目前へと出された小さな手に笑って。

「これは、今日からの僕達です……」

そう言って手に持たされたモノが何なのかが判らない。
少し大きめの、それでも十分手で持てるサイズのソレ……
カーテンの間から差し込む月の明かりに翳してみて、初めてイェソンはソレが何なのかを知る。

「………砂時計……?」

互いの距離を少し空けて。ジィッと見つめた手の先。その手には、銀の縁で覆われた、丸びを帯びた砂時計が握られていた。
中に閉じ込められている砂は綺麗な白とピンクで彩られ、下へと落ちる事無く無音を保っている。

「この砂時計はね?普通のモノよりも、落ちる速度が遅い。」

言われて月明かりに照らせば、確かに一粒も落ちる事の無いまま。

「僕達の大事な時間を刻んでくれる……大切な時計なんです……」

砂時計を握っていた手を上から覆って、キュヒョンは柔らかく微笑む。


「この時計を返して、その砂が尽きても……」



僕達の時間はきっと、終わらない……


「僕達の……皆の時間を刻む……だからこれはね?僕達を繋ぐ、止まる事の無い時計なんです……」


皆との、自分達との繋がりを永遠に刻んでくれる……



世界にただ一つの、時計。



「僕達の身体が尽きたとしても……心は永遠に……」



それを、貴方に………



「ずっと、一緒です。」



「……………ッ………」



時間を刻む秒針が早いと思っていた。
どれだけ願ったとしても、時間には限りがあると……
なのにこの相手はソレすらも超越する、例え身体が尽きたとしたって魂は一緒なのだと。

そんな有り得ない事ですら、可能と出来るんじゃないか。

そう思わせてくれるこの相手だから……


だから………



「……………あい、してる……」



キュヒョンを。そして、皆を………



「ずっと………」



永遠に。



「………僕もです……ジョンウニヒョン……」



深いその想いを改めて形として残してくれるその存在へと。

そして皆と出会えた、同じ時を刻めるこの奇跡を胸に。



二人は、新たな時を刻み始める。








※さて。とうとう前夜がやって参りました。
この二人……バカみたいに甘い時間を過ごしてますよねエエえっちぃ事すらしてないのにっ!!(おいコラ
如何でしたでしょーか優男さんの優男度MAX!!←
こーれで惚れない人……居ないよねぇ…ズルイ奴です誰か叩いてやって!!(えー

次はとうとう結婚式へと突入しますよ皆様心の準備をばっ←一番準備出来てナイ奴ww


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