皆さん、こんにちは。新型肺炎コロナウイルスの感染拡大の影響が、どんどん深刻になってきております。学校まで一斉に休校は想像していませんでした。経済活動全ての中止にならないように願います。当院も感染予防・衛生管理はより一段と厳しくして行く所存です。

 

さて、今回の院長ブログは、治療終了の患者さんの報告です。

25歳、男性で上顎前突が主訴でした。

歯並びは軽度の凸凹ですが、上下とも前方へ傾斜している感じです。

お顔の写真です。口元の前突感や、笑顔での歯の溢れ方は気になります。

横顔のレントゲン写真の分析からは、骨格的にも軽度上顎前突があり、前歯は上下とも大きく前方傾斜している事がわかりました。

 

治療方針は上顎両側第一小臼歯の2本抜歯、下顎は両側第二小臼歯の2本で、計4本抜歯で、上顎にミニスクリューを植立し、マルチブラケットで治療して行くこととしました。

 

まずミニスクリューを装着し治療が開始されました。

 

治療開始から1年経過時です。

抜歯したスペースをワイヤーのループを開いたり閉じたりする方法で閉鎖している途中です。

 

治療開始から2年経過時です。

抜歯スペースは大分閉じてきていました。正中は上下がずれていました。

引き続き完全に閉鎖するまで進めています。

 

治療開始から3年経過時です。

スペースはほとんど閉鎖していますが、まだ正中線が一致しておりません。この場合は離れている上下顎にゴムを斜めにかけて治すしかありません。1個だけではだめなら2個、3個とつけてもらいます。患者さんが真面目につけられるかどうかにかかってきます。

※この写真は別の患者さんのもので、2個つけています。ゴムかけ開始と正中線が一致した写真を例にお見せします。

食事以外の24時間装着する事も多いです。仕事で日中つけられないなどの状況では、なかなか治らない場合もあります。

 

治療開始から3年5カ月で治療終了となりました。初診時と比較して並べます。

ズレていた正中線も一致させました。前歯の傾斜も改善がわかります。

抜歯スペースの閉鎖も完了です。

 

これは術後だけですが、接触関係も位置関係もばっちりです。

 

正面からのお顔の写真です。唇は楽に閉じられるようになり、笑顔での上顎の前歯の改善もわかります。

斜めと横顔です。口元の改善はなされており、バランスの良い口元となりました。

変化が分かりにくいですが、本数が減っています。根っこの吸収などもありませんでした。

 

横顔のレントゲン写真の比較です。前歯の変化がよくわかります。

 

治療終了お疲れ様でした。正中線を合わせるのに着脱式のゴム使用が大変だったと思いますが、よく頑張ってくれました。治療期間は予定より長くかかってしまいましたが、ばっちり仕上がっております。これからは良く咬んで、リテーナーも使用をサボらずに守っていきましょう。

 

今回の院長ブログはこれまでです。3月暖かくなり、コロナの終息がみえてくればいいのですが、心配です。皆さん予防怠りなく、お過ごしください。

 

●今回の写真の掲載は、患者さんに了解を得ております。

●今回の総費用:70万円(治療期間3年5か月)

●治療における一般的なリスクについて

 治療中または治療後には、虫歯の発生・歯根吸収・歯牙疼痛・口内炎・歯肉形態不正・顎関節症・ほうれい線・歯の削合・後戻りなど思いもよらない不都合な合併症のリスクがあります。治療開始時に主な事項についての注意や対応についてお話しし、もし不都合が発生した場合は全力を尽くして対応してまいります。

●治療結果には個人差があります。同様の結果が保証されているわけではありません。ご了解ください。