皆さん、こんにちは。徳島もコロナの感染患者が一気に増加し、四国でも感染者数累計はトップになってしまいました。カラオケの感染率はすごいですね。時間がたってくると、感染しやすい場所がだんだんわかってきました。歯科医院での感染の報告はまだございません。十分感染防止対策を行っておりますので、安心して来院ください。

 

さて、今回も治療終了の報告です。初診時年齢8歳の女の子で、上顎前突が主訴でした。治療終了を報告する症例は、その旨を患者さんへ説明し同意が必要なので、どうしても大人の方に偏りがちです。今回は、本人も保護者の方も快く同意を頂いたのでご報告となりました。

 

お顔の写真です。笑顔での前歯の突出が印象的です。唇を閉じた時も閉じにくそうです。

 

8歳ですので、前歯の萌出時期でした。歯が大きいのでスペースが足りずに、凸凹となり、かつ上顎前歯が前方へ突出していました。

 

横顔のレントゲン分析では、骨格的には大きなずれは見られませんでした。上顎前歯は強く前方傾斜を示していました。

 

治療方針は、上顎の前歯の6本にブラケットをつけて、一度奇麗に並べてから、バイオネーターという取り外し式装置を毎晩ご自宅でのみ就寝中に装着使用して頂くこととしました。

カラーゴムをつけています。右上の2番目が大きく内側へずれていたので、それをまず治しておきたかったんです。

 

3カ月して、奇麗に並んだので、ブラケットを撤去して、バイオネーターの使用を開始しました。

ブラケット装置を外した所です。前歯は奇麗に並びました。

これがバイオネーター装置使用時です。これで寝て頂きます。すぐに慣れますし、痛みもほとんどありません。小さなお子様でも問題なく使用できます。

 

毎月来院頂き、ワイヤーやプラスチィック部分の調整を行います。2年7カ月使用している間に、横の歯が生えて来て、乳歯が全て抜けた状態です。12歳となりました。初診時との比較をご覧ください。

上顎前歯の前方傾斜は改善し、出っ歯では無くなったんですが、後から生えてきた横の歯のサイズも大きく、スペース不足が起きており、凸凹が発生しております。

 

少し凸凹はありますが、まだ第二大臼歯が生えていませんでした。ここも生えるスペースが出来てくるか悩ましいところでした。

 

お顔の写真です。大分口元は改善したのがわかります。

 

上顎の第二大臼歯がまだ生えていません。

 

横顔のレントゲンです。前歯の位置関係は改善し、唇のシルエットも美しくなりました。

 

1期治療は終了となりました。ここで、全部の歯にブラケットをつける2期治療へ行く人もいれば、そこそこでいいのでこれで終わりにしたいと言う人もいます。ここは、患者さんがどうするかを決めて頂きます。気になっていた上顎前突は改善したが、少し凸凹があり、第二大臼歯がまだ生えていない。2期治療は今までのように、夜寝るときだけ使っているような装置ではなく、表から見える装置で、費用もどんとかかってくる。12歳と思春期、中学生となり、見た目(装置)を異常に気にすることも多く、実際は、一度治療を終了する患者さんが圧倒的に多いです。しかし、この患者さんは、大変で経済的に負担もあるけど、虫歯や歯周病に罹患しやすかったり、咬み合わせの不具合で顎関節痛や頭痛、めまい、肩こりなどの将来の健康を考えて、ブラケットによる治療を行う事を選択されました。

 

分析結果では、骨格に問題はなく、前歯の位置も適切でした。小臼歯を4本抜歯して第二大臼歯を積極的に生えさせる方針もありましたが、とりあえず非抜歯として進めて、2年ぐらいして第二大臼歯が生えてこれない場合は、小臼歯抜歯に切り替えるという方針をお伝えして進めていきました。

 

第二大臼歯を除いた歯に装置を装着した所です。

 

治療開始1年です。下顎の第二大臼歯には装置が付きました。上顎も第二大臼歯が何とか生えてきました。

 

治療開始2年です。上顎の第二大臼歯もコントロールできています。この3ヶ月後に治療終了となりました。

 

凸凹も改善し、山と谷が奇麗に咬み合いました。上下の正中線も一致しております。

 

心配していた第二大臼歯も上下適切に配列して咬んでおります。

 

これは治療後のみですが、内外側的にもばっちり咬合しております。

 

正面からの写真です。笑顔での歯の見え方も奇麗です。

 

斜めと横顔の写真です。もともと奇麗でしたので、それを維持しております。

パノラマ写真です。根吸収なども見られませんでした。

 

横顔のレントゲン写真です。奇麗なバランスは維持されております。

 

治療終了おめでとうございます。8歳から14歳まで6年に渡りお疲れ様でした。長かったですが、とても奇麗に、ばっちり咬めております。まだリテーナーがありますが、しっかり使い、前歯で良く咬んでなじませていってください。

 

それでは、残暑まだまだ厳しいですが、皆様お元気にお過ごしください。

 

●今回の写真の掲載は、患者さんに了解を得ております。

●今回の総費用:80万円(治療期間6年6か月)

●治療における一般的なリスクについて

 治療中または治療後には、虫歯の発生・歯根吸収・歯牙疼痛・口内炎・歯肉形態不正・顎関節症・ほうれい線・歯の削合・後戻りなど思いもよらない不都合な合併症のリスクがあります。治療開始時に主な事項についての注意や対応についてお話しし、もし不都合が発生した場合は全力を尽くして対応してまいります。

●治療結果には個人差があります。同様の結果が保証されているわけではありません。ご了解ください。