皆さん、こんにちは。2月も後半になりました。コロナで窮屈だった生活からも、そろそろ開放される気分になってきましたが、マスクをどうするか、それはそれで悩ましいですね。私は基本着けたいなと思っている方ですが、皆さんはどうでしょうか。
さて、今回の院長ブログは、いつもの治療終了ではありませんが、治療途中から小臼歯が嚢胞といいまして、風船のように骨内で膨らんだ症例を経験したので、その経過のご報告をしたいと思います。
初診時の写真です。今回は口の写真とレントゲンだけの供覧です。受け口で治療方針はチンキャップという下顎骨の成長抑制装置と、リンガルアーチという上顎固定装置で、上顎前歯を前方へ出す方針となりました。
問題となった右下第二小臼歯、これはまだ生えていなくて、その上にある乳歯が虫歯で治療されて、蓋みたいなものがかぶされているという状態でした。普通なら数年後に生え変わります。
これがパノラマ写真です。右下の第二小臼歯はまだ頭の部分が形成されている状態で、その上には、虫歯による病巣が残っているような写真でした。でもこの時は、別に問題があるとは思いませんでした。
治療開始時点です。チンキャップは帽子みたいな装置で写真はありませんが、上顎にはリンガルアーチという装置がはいりました。
治療開始から1年です。前歯の受け口は改善していました。1年ごとにレントゲンを撮影しているのですが、そこで問題が発覚しました。
これです。第二小臼歯は上に上がるどころか、下に押し下げられているかのような状態で、周りに黒い空間が広がっていました。これが嚢胞というものです。たった1年でこんなに変化があるのかと正直驚きました。私にとっても初めての経験でした。徳島大学病院へ相談して、とりあえず、上部の開窓といって、風船の内圧を取り除き、内容物もできるだけ除去して、小臼歯が自力で上に上がってくることを期待する治療方針となりました。
これが、開窓術3週間後の写真です。前方にある第一小臼歯が生えてきました。穴がふさがらないようにガーゼが押し込められています。レントゲンでは、もう周囲の骨が再生されているようでした。若い子は骨ができるのが早いですね。
術後3か月時点です。ついに第二小臼歯の一部が見えてきました。
術後7か月時点です。レントゲンでは別人のように良くなっています。
術後9か月時点です。かなりでてきました。
術後11か月時点です。さらにでてきました。
これが術後1年1か月、今月の最新の状態です。もう心配はありません。あとは、永久歯が生えそろったら、全体治療に移行するかどうかです。大変だった第二小臼歯、なんとか自力でよくここまで来たなと、褒めてあげたいです。
初めての経験でしたが、うまくいってよかったです。でも手術の後は痛かったと思います。1年であんなに大きくなるとは、注意が必要ですね。貴重な経験でした。
それでは、今回の院長ブログはこれまでです。春が待ち遠しいですね。皆様お元気で。