皆さん、こんにちは。11月も後半、お歳暮も届き始めました。年の瀬を迎える時期になりました。今年の最後も充実したものにしたいですね。

 

さて、今回の院長ブログは、治療終了のご報告です。

初診時33歳の女性です。上顎の前突、口元の前突を主訴に来院されました。

初診時の口元の写真です。盛り上がって、閉じにくそうです。

 

口の中の写真です。前方の歯並びは綺麗な状態です。しかし下の6番目の歯が虫歯で抜かれていて、後方の歯が前に倒れこんで、咬みにくい状態でした。それだけではなく頭痛などの症状がひどくなってきていました。

 

レントゲン写真でも下顎の大臼歯と小臼歯のズレがよくわかります。奥歯でものが咬めないと、咬みにくいだけじゃなく、頭痛や肩こり、あごの痛みなどが出やすいのです。

 

横顔のレントゲン写真です。骨格的には下顎骨がすごく後方に位置しており、あごが無い、という骨格パターンでした。分析の数値的には、下顎骨の前方移動術を考慮してもいいほどでした。

 

患者さんは手術などは希望していないので、治療方針は上顎の両側第一小臼歯の抜歯、ミニスクリューを上下に植立して、マルチブラケットで治療を行うこととしました。

 

まず上下左右4か所にスクリューをセットしました。それから抜歯をしてブラケットを接着して治療を進めました。

 

治療開始から1年経過時です。

下顎は倒れこみが改善してきており、上顎は犬歯・前歯を後方へ移動しているところです。

 

治療開始から2年経過時点です。

大分隙間もなくなってきました。

 

この後7か月で治療終了となりました。動的治療期間は2年7か月でした。

治療前後を並べてお見せします。

見えないほど隠れていた下顎前歯は綺麗にみえるようになりました。上顎前歯の前方傾斜も見違えるほど改善できました。

下顎の大臼歯が倒れていたのも、完全に回復して、適切に咬合しています。

 

もともと歯列は綺麗でしたので、大きな変化は感じませんが、上顎の抜歯スペースは完全に閉鎖しております。

 

これは術後のみですが、内外側的にも適切な位置関係を獲得しております。

 

正面からのお顔の写真です。盛り上がっていた口元は、かなり改善できました。口を閉じていた時にできていた、オトガイ部の筋収縮もなくなり、安静時も口唇は閉鎖できるようになりました。

 

斜めと横顔の変化です。口唇とオトガイ部の変化がとてもいい感じです。患者さんもとても喜んでいただけました。

 

パノラマ写真です。倒れていた下顎大臼歯の改善も認められます。根吸収などもありませんでした。

 

横顔のレントゲンです。上下顎前歯の後方移動で口元のシルエットがとてもバランスよくなりました。

 

治療終了おめでとうございます。最初は、頭痛などもひどく唇も閉じられず、大変でしたが、良く頑張って通院してくれました。鳴門海峡を挟んでの淡路からの通院、長きにわたり大変でしたが、かなり綺麗に仕上がりました。ご満足いただいて私もとてもうれしいです。多分頭痛も無くなっていることだと思います。最後の方は、いつも楽しそうに通院されていたのが印象的でした。かみ合わせや口元の筋肉なども、これからなじんできて、よりよくなっていくと思います。これからは安定を見ていくことになりますが、リテーナーをしっかりと使用してください。お疲れさまでした。

 

それでは、皆さん、令和5年の最後も元気に過ごしていきましょう。

 

●今回の写真の掲載は、患者さんに了解を得ております。

●今回の総費用:71万円(治療期間2年7か月)

●治療における一般的なリスクについて

 治療中または治療後には、虫歯の発生・歯根吸収・歯牙疼痛・口内炎・歯肉形態不正・顎関節症・ほうれい線・歯の削合・後戻りなど思いもよらない不都合な合併症のリスクがあります。治療開始時に主な事項についての注意や対応についてお話しし、もし不都合が発生した場合は全力を尽くして対応してまいります。

●治療結果には個人差があります。同様の結果が保証されているわけではありません。ご了解ください。