醒めたオルゴール

ねじをぎりぎりと巻く

無理矢理に

凍りついた指を動かして


そして限界で手を放す

何も聞こえない

部屋の赤すぎる薔薇

動かない黒い柱時計


ほおづえをついて

鳴らないオルゴールの前

思い出という沼にもがき


閉ざされた絶望の部屋で

あの時聞いたメロディを待っている

透明な時間に身体を沈めて