雨はいやだ

僕は言った

雨が好き

君がつぶやいた

窓を開く

賑やかで憂鬱な原色の街が

銀の糸に包まれて

モノクロに 今は


ずっと前を見てた 僕は

立ち止まりもせずに

今のままでしあわせと 君は

どこまでも続く線路のような平行線


ふいに君は窓から右手を差し出した

雨の粒が

ひとつ

ふたつ

みっつ

君を濡らす

濡し続ける


不覚にも

涙がこぼれた