1999年初夏
現実逃避の矛先はデレビで得たノストラダムスの終末論 呪文の様な口癖は
「どうせ世界なんて終わっちゃうからなんでもいいじゃん」思春期の少年少女、何者でもない苛立、焦り、強がりの裏返し 異端を演じ、世界を呪えばそれでスクールカーストは安泰だ。
これが自由だと信じてあとは世界の終わりを待つだけだった。
 そんな僕らを太陽が高笑う
終業式と同時にノストラダムスの敗北が決まる、
どうやら世界はまだ続くらしい
ただただ焦燥の夏を過ごす、
溜まる宿題、アスファルトに転がる蝉の死骸、
焦る夏の夕暮れ、夏祭り、夜空に上がる火炎の花、人恋しくて徘徊するも探すのは初恋の人、出会えれば奇跡、携帯もメールもない、あるのは祈りと願い、雑踏に託す、運命も託す 、浴衣姿の君、そんなんで救われた世界。
鈴虫の歌が夜風と一緒に切なく流れた。
ガゴゴって、
エアコンの起動音で目が覚める、
絵に描いたような四畳半、
朝焼けに憂鬱、 
周期的に思春期に還る日々
ノストラダムスの呪いが疼く
拝啓 ノストラダムス様
貴方が終わらせようとした世界は今も悪意を垂れ流し順調に退化しているよ、僕は歯車の一部に組み込まれ回れど回れど同じ場所の繰り返し、携帯もメールもある、ないのは祈りと願いを、託す人。  
夢で見たあの人はやっぱり眩しかったよ。