颯太と拓海も仲が良かった。
年齢は4つ離れていたが、同じ課の先輩後輩で同じ趣味を持ち、飲みに行く機会も多かった。
颯太は典型的な八方美人だった。
誰からも好かれたい。
来未のことは一番気に入っていたが、みんなでワイワイ騒ぐ方が好きなタイプだ。
1人になるのは淋しいが、ずっと2人でいるのも息苦しい。
彼女に束縛されたくない。
空気のような安らげる存在、落ち着ける存在であって欲しいと思っていた。
来未は元気な女の子である。
颯太のタイプではないかもしれない。
ただ、似ている部分があり、同じような空気が漂っていた。
この2人の中にいつの間にか、拓海も加わっていた。
3人で遊びに行くことが多くなった。
颯太が来未との食事に拓海も誘ったのが始まりだった。
3人でドライブし、1週間で1,000km走破したこともあった。
颯太 と 来未 (セフレの関係)
来未 と 拓海 (仕事上の先輩後輩)
拓海 と 颯太 (車好きの飲み友達)
こんな関係の3人が一緒に行動することになり、この関係が少しずつ変わろうとしていた。
ある雪の降る日を境に、歯車が回り始めた。。。