拓海には全く訳が分からなかった。
迎えに行ってスペアタイヤと交換しようと思っていたが、来なくていいと言われた。
最後には逆ギレされた。
ただ来未のことが心配であったが、どうすることも出来ないでいた。
来未はそれから颯太に何度か電話したが、
颯太も実家に帰っており雪のため回り道をして、戻ってくる時間がとても遅くなるようだった。
そうこうしているうちに、自宅に帰ってきていた。
来未は拓海にもう一度電話した。
来未 「帰ってきた・・・」
拓海 「アホ。 で、どう?パンクしてる?」
来未 「たぶん・・・ してると思う。」
拓海 「颯太には電話したのか?」
来未 「通行止めで回り道して遅くなるって・・・」
拓海 「オレがタイヤ交換してやろうか?」
来未 「うん・・・」
拓海 「じゃあ今からそっち行くから、少し待ってて。」
来未 「うん・・・」
数分後、拓海は月明かりだけを頼りにラシーンの損傷箇所を調べていた。
左リアのタイヤ部分に何かが当たった跡がありバーストしていたが、
タイヤ以外は運良く無傷だった。
拓海は工具を出し、タイヤ交換を始めた。
長年ナットを緩めていなかったため、締まりがきつく、
十字レンチの上に来未が乗って体重をかけてレンチを回し、拓海が彼女を支えながらの作業だった。
数十分後、作業は終了。
スペアタイヤに履き替えたラシーンの中で、2人は話をしていた。
来未は淋しさから解放され泣き出した。
仕事のこと、来未がつよがりだということ、颯太のことが好きだということ・・・・
拓海は何故か胸が痛かった。
そこへ、颯太が帰ってきた。
拓海は逃げるようにその場所を後にした。。。