拓海と来未が付き合いだして、もう2年を過ぎた。
拓海が就職して4年が経ち、総務担当の部署へ異動になった。
主な業務は、職員の福利厚生だった。
新しい仕事を覚えなければならない拓海は今まで以上に忙しくなり、来未と逢う時間も制限された。
そんな拓海だったからこそ、来未はご飯を作って拓海を待つようになっていた。
いくら忙しくても平日は来未の家へ行き、朝まで一緒にいた2人だった。
拓海 「ただいま・・・」
来未 「今日も遅かったね。」
拓海 「うん、ハラ減った~。」
来未 「ご飯できてるよ。」
拓海 「サンキュー、うまそ~。」
来未 「おいしい?」
拓海 「いつも思うんだけど・・・ 見かけによらず、料理上手だよね。」
来未 「一言多い! なんで素直に おいしい! って言えないかな~。」
拓海 「すごくおいしいよ。 いつもありがとう来未。」
来未 「うん。 よかったぁ。」
そんな普通の会話が来未には嬉しかった。
なんか、いつの間にか “主婦” になっている来未がいた。
拓海には、車の改造に費やしたローンがあり、来未もそれを知っていた。
少しでも返済の足しになればと思い、毎晩のように料理を作って生活費を削っていた来未。
いずれ拓海と結婚して、幸せな家庭を築きたいと思っていた。
そのためには、早く拓海の借金を返済し終わらなければならない。
何年後になるか分からないが、それを信じて疑わなかった2人だった。。。