拓海と来未はお互い仕事が忙しくて、1ヶ月程まともに逢っていなかった。
でも、拓海はそれどころじゃなく、来未も不思議と寂しいとは思っていなかった。
そんな中、いつものように何気ない話をしていた来未と颯太。
ある日、颯太は車を買い換えることを来未に話した。
来未 「車、何を買うの?」
颯太 「オデッセイ。」
来未 「もしかして…。」
颯太 「もちろん、アブソルート。」
その車は、来未が前から欲しかった車だった。
自分が運転したいと言うよりも、彼氏に運転してもらい、助手席に座りたいと思う車だった。
拓海にも買わせようとした来未だったが、スポーツカーしか興味のない拓海は見向きもしない。
来未 「ちょっと待って! あたしの車、取らないでよ。」
颯太 「あんたの車じゃないでしょ。 早い者勝ちだよ。」
来未 「取るんだったら、横に乗せてくれるよね?」
颯太 「いいよ。 納車したら乗せてあげるから。」
そして、オデッセイの納車の日。
約束どおり、2人は夜中にちょっとだけドライブした。
誰も来ないような駐車場に車を停めて話をする颯太と来未。
久しぶりに色んな話をした。
昔のことから今のことまで。
明け方まで一緒に車の中で話をした。
なんだか昔の来未のことを、颯太が一番よく分かってくれている気がした。
昔のことをいっぱい話して、思わず涙がこぼれてしまう来未。
昔と全然変わっていなくて、何でも話せて、しっくりくる感じ。
その気持ちは颯太も一緒だったに違いない。
涙を流す来未を、颯太はぎゅっと抱きしめていた。。。