それから、颯太と来未はちょくちょく夜中に会うようになっていった。


来未は、拓海が家に来るのかどうかをメールで探り、来ないと確信すると夜中に抜け出す。


人気のない駐車場、車の中で話す2人。


何度も2人で夜中に会って話していた。


こっそり、2人で花火大会にも出かけていった。


颯太と来未が知り合った頃のように、まるで恋人のように。


そして、何度か夜中に会っているうちに、自然と2人は体を重ねていった。


昔の頃のように、いや2人がセフレだった頃よりもお互いを求めていたかもしれない。


すごく自然に2人はエッチした。


来未は浮気なんて考えたこともなかった。


でも、不思議と拓海に対する罪悪感はなかった。





その数日後、久しぶりに来未の家に来た拓海。


当然のように、久しぶりに行う恋人同士の行為。


でも、来未は拓海を拒絶する。


颯太と寝た罪悪感からではなくて、颯太の余韻を壊して欲しくなかった。


意味が分からない拓海は、怒って来未の家を出ていってしまう。


そして、怒って出ていった拓海が来未は許せなかった。


エッチを拒否したのは来未だったが、それまでにも何度か拒否したことがあり、


そのたび、拓海は怒って自分の家に帰ってしまう。


そんな拓海が来未は許せなかったのだ。


あたしは性欲を満たすための道具なの? という気持ちが大きかった。


拓海は道具なんて思ったこともなかったが、恋人にエッチを拒否される気持ちは女性には分からないだろう。


オレだって道具じゃねぇ~! そんな言葉を吐き捨てたい気持ちだった。


それからも、拓海のことを拒み、颯太を受け入れる来未。


もうこの頃は、拓海と別れたいという気持ちが来未の中で固まっていたのかもしれない。。。