この年の7月も暑い日が続いていた。
それは来未が颯太に、今年2回目の花火大会に行こうと誘っていたときだった。
来未 「ねぇ、今週末はあそこの花火を見に行かない?」
颯太 「めっちゃ人が多いんじゃない?」
いつもの車の中で話をして、颯太の家でベッドに入る2人。
情報誌を広げながら、来未は話をしていた。
来未 「え~! いいじゃん。 行こうよ。」
颯太 「…やっぱさ、あんたには彼氏がいるわけじゃん。」
来未 「……関係ないよ。」
颯太 「冷静に考えて良くないよ、こういうの。」
来未 「…別に、もう気持ちはないから。」
颯太 「でも、まだ付き合ってるんでしょ。 これって浮気じゃん。」
来未 「……。」
颯太 「あんたにとって、僕ってどういう関係なの?」
来未 「それは…。」
颯太 「もうやめよう。 こういう関係。」
颯太に突っぱねられた来未。
いつもこうだ。
最初は来未を受け入れる颯太。
それからどんどん颯太を好きになって、心も体も開いていく来未。
でも最終的に颯太は全てを見せてくれない。
いつもどこかで線を引かれている。
そして、次第に離れていく颯太。
昔、セフレだったときもそうだった。
結局、拓海と付き合うことになって颯太への想いをあきらめた来未。
だけど、今度はどうしてもあきらめたくなかった。
もう、後悔だけはしたくなかった。
ある意味、来未は意地になっていた。
拓海と付き合っていることで颯太に拒否されるのなら、別れるしかなかった。
拓海との関係にピリオドを打ち、颯太の隣で歩いて行きたい。
来未の心の中には、もう颯太しかいなかった。。。