スノボから帰った拓海は、それまでと別人のように雰囲気が変わっていた。


優菜と付き合うことができ、全体的に明るくなっていた。


そんな拓海の変化を両親は感づいていた。


来未との結婚を反対していた拓海の両親。


両親の反対もあり、来未とは別れることになった拓海。


息子が彼女と別れたことは、自分たちのせいだと責任を感じていた。


それだけに、拓海に新しい彼女が出来たのを知ると、それまでと一変して拓海を応援しだした。


付き合ってまだ1ヶ月程しか経っていないある日。


優菜は、拓海の家族に迎えられることになる。





拓海に母親から電話が来た。


ちょうど優菜と遅い昼食をとっている時のことだった。


今夜、優菜と一緒にご飯を食べようという誘いの電話だった。


一気に緊張する優菜。


夕方になり、待ち合わせ場所の焼き肉屋へ着いた拓海と優菜。


まず、拓海の兄夫婦が到着した。


兄夫婦とは、少し前に一度だけ会っていた優菜。


男の子と女の子の兄妹がいることもあり、優菜は思ったよりも自然に溶け込むことができた。


そして、いよいよ拓海の両親との初対面。


緊張の面持ちで迎える優菜に拓海の両親は優しかった。





遅めの昼食だったせいか、緊張のせいか、食べ物が喉を通らない優菜。


そんな優菜を見て、とても清楚な感じを受ける拓海の両親。


特に父親は、優菜のことがとても気に入っていた様子だった。


翌朝、父親が出勤するとき拓海に “いい娘だね。” とわざわざ電話をしたことからも伺える。


こんな様子を今まで見たこともない拓海も、自分の彼女を両親に認められた嬉しさで一杯だった。。。