優菜が拓海の二股でパニックになっていた頃。


来未はブログの更新と閲覧に忙しかった。


来未は自分の読者のブログに加え、颯太のブログ、拓海のブログを読むのが日課だった。


そして、拓海のブログに書いてあった記事を見て、最近探し当てたブログも読んでいた。


拓海のブログの記事には “最近彼女が出来たこと。 その彼女がアメブロを始めたこと。” が書いてあった。


それだけで元カレが付き合っている彼女のブログを探し当てようとする来未。


まるでストーカーのように優菜のブログを追い求め、そしてついに探し当てた。


その日から、探し当てた優菜のブログを読むことが楽しみになっていた来未だった。





優菜のブログを読み出して数日が過ぎたある日。


そのブログに、来未にとって理解できない記事が書かれてあった。


それはとても信じることが出来なくて、許し難いものだった。


・・・・・拓海が二股をしていた。・・・・・





優菜に引き続き、来未の持つ爆弾にも見事に引火した。


来未は、拓海への気持ちが引いていくのと同時に、拓海への怒りが込み上げてきた。


拓海と付き合う前に、他の誰かと来未との間で気持ちが揺れていたと拓海に聞いたことがあった。


その他の誰かというのが、最近付き合い始めた彼女だということも知っていた。


それが、拓海のブログを見て、来未と付き合っている間もいい友達関係にあったことを知った。


そして今、いい友達関係ではなく、彼女として付き合っていたことを知った。


半年ほど二股を掛けられて、結局来未のところに戻ってきた拓海。


たとえ戻って来てくれたとしても、やはり二股は許せなかった。





今まで、来未は一途に愛されたことがなかった。


彼氏がいても相手にとっては本命の彼女ではなかったり、ただの遊び相手だったり。


拓海以外にも二股を掛けられていたこともあった。


颯太にしても、最初は颯太に彼女がおり、その事実を知りながら体だけを重ねていた。


いつか彼女と別れてくれると信じながら、颯太のことを待っていた。


本当に愛されたくて拓海と付き合ったが、二股を掛けられた。


颯太への想いをもう一度貫きたくて、颯太に言われるがままに拓海と別れた。


今は彼女がいない颯太だったが、来未を別れさせておきながら、付き合いたいという気持ちが全く見られない。


自分はこんな境遇に生まれてきたのだろうか?


一気に拓海のことが嫌いになった来未は、颯太への想いを貫き通す覚悟を改めて心に誓った。。。