挙式から披露宴、2次会、3次会…。


帰る頃にはもう疲れきっていて、体調こそ悪くはならなかったが、気力も体力も使いきっていた。


披露宴を終えた2人は、式場への式費用の入金や両家両親へのお礼をすませ、一息ついていた。


すぐに新婚旅行に出発する夫婦もいるが、拓海たちは1週間の充電期間をおいてから出発した。


行き先はインドネシアのバリ島。


3泊5日の旅行だった。


インドネシアは優菜の希望だった。


東南アジアが好きな優菜。


家にもアジアン雑貨が所狭しと並んでいる。


挙式の2週間ほど前に拓海の家に引っ越してきた優菜とその雑貨たち。


今では、2人の新居がアジア風だった。


また拓海は飛行機が嫌いだったので、できるだけ近場がいいということもバリ島にした理由だった。





初めて踏む異国の土地。


飛行機を降りて、肌を舐めるような湿気と気温。


辺りの景色や人々、見たこともないような植物。


夜中に到着したためよく分からなかったが、それでも日本と違うことがはっきりと感じられた。


見るもの全てが初めてで、一瞬不安になる。


でも現地の案内人は日本語がとても上手だったので2人は安心した。


その日はホテルで休み、翌日からビーチで遊んだり、買い物に出かけたりして新婚旅行を満喫した。


2人が泊まったホテルも日本人向けに造られており、外国語スタッフも常駐していた。


優菜の天然ボケが数発炸裂したのを除いて、おおよそ順調に旅が終了した。


帰国して疲れ果てた2人だったが、それ以上に思い出深い旅になったことは間違いなかった。。。