こんな夢をみた | 戸田てこの「て、ことだ!」

こんな夢をみた

こわいゆめをみて
あさおきた
くらいみちを
ひとりで
こごえたゆびは
まっかになって
たずねてあるく
いろんないえのどあ
たたいては
よびかける
どこ?どこ?
ただゆびをこおらせて
あたしは
あかないどあをたたいてる
そういうこわいゆめをみた
あたしはどあをたたいてる
なかにそれがあることが
わかってる
こたえてくれなくても
あかりがついていなくても
ぜったいそこにあるんだって
わかってる
あたしのゆびはまっかなのに
こごえてしんまでつめたいのに
あたしはどあをあけて
はやくそれを
あっためてあげなきゃと
おもいこんでる
それはしちゅーで
そのしちゅーをなぜだかわからないけど
あたしはじぶんのてで
あたためられるとおもいこんでる
ばかだなあ
あたためてなんかやれないのに
ひっしであたためようとするあたしを
もうひとりのあたしが
ばかにしているゆめだった
ばかだなあ
あんたはつよいから
そんなことしなくてもいいんだよ
もうひとりのあたしがあたしをばかにする
それもどあをたたくあたしは
ばかにされてることもきづかないで
ただどあをたたきつづけるのだ
そのどあのなかにはいらないと
あたしはえいえんにやすまることはないから
えいえんにつよいひととして
いきてかなきゃいけないから
あたしはほんとにばかみたいに
どこ?どこ?と
まっかなゆびでどあをたたいてる


それは砂場の砂を砂浜に返すくらい意味のない作業だ