あ~ぁ、白血病になっちゃった -556ページ目
<< 前のページへ最新 | 552 | 553 | 554 | 555 | 556

白血病は悪性新生物ではないの?

帰宅後、お袋に診断結果を報告する。お袋は「なってしまったものは仕方がない。子ども達がまだ小さいんだから早く治るように、治療に専念しないさい。これから、副作用で大変かもしれないけど、家族のこと考えたら乗り切れるでしょ」と言われた。私も親よりも先に死ぬなんて親不孝はできないと思った。


この日、白血病の治療費が結構かかるとわかったので、私の加入している生命保険とがん保険に保険金が支給されるかどうか聞いてみた。まず、某生命保険会社に電話をかける、

「『慢性骨髄性白血病』と診断されたのですが、特約で保険金が支給されるのでしょうか?」

「お客様は、入院特約と五大成人病特約に加入されておりますので、5日以上入院された場合に支給されます。お客様は『白血病』とのことですので、5日以上入院された場合、入院特約からしか支給されません。」

「『白血病』って、五大成人病ではないんですか?」

「五大成人病とは、悪性新生物・心筋梗塞・脳梗…」

「悪性新生物って、いわゆる癌のことですよね?」

「はい、そうです」

「白血病って、血液の癌といわれているし、癌の専門病院で白血病の治療を行っているのはどうしてなんですか?」

「それは…、一度、診断書を拝見させていただいてから判断したいと思います」

この人は、診断書を作るのにいくら必要なのかわかっているのかなぁ。仕方ないけど…。でも、だから、この保険会社は営業停止になったんだ!と思った。どうせ入院はしないのだからくいさがらずに電話を切った。

次にがん保険の会社に電話、

「『慢性骨髄性白血病』と診断されたのですが、保険金は支給されるのでしょうか?」

「はい、診断された場合、診断一時金が支給されます。」

さすが、がん保険!

「通院給付金も支給されますか?」

「すいません。20日以上入院され、退院後の通院費用のみに適用されます」

20日以上なんてパンフレットに書かれてなかった。しかも、団体加入だったので約款ももらっていなかったから知らなかった。

次に、高額療養費と医療費控除について調べる。まずは高額療養費

自己負担額72,300円+(医療費-241,000円)×1%が還付。私の場合は、あんまり戻ってこないみたい。しかも、10月ぐらいに8万以上の自己負担額にハードルも上がるみたい。それに!申告は同じ病院で同じ課でないと申告できないようだ。と、いうことは、院外処方だと損じゃないですか!しかも、医者と薬剤師は同じこと言って無駄な費用かかってるし…。72,300円といったら家賃ですよね。

次に医療費控除。

10万円以上医療費を支出している場合に税金が戻ってくるんだけど、高額療養費から還付を受けた金額と、保険給付金は医療費から引かなければならない。高額療養費は半ば税金のようなものの還付だから納得するとして、保険給付金は、毎年保険の掛け金が所得控除されているとはいえ、任意で保険を掛けてるものでしょ?なんかおかしくない?

なんか納得いかないことが多い。生計困難世帯が、がん治療を受けるには、生活保護にならなければ受けられないなぁと思った。いざ、自分がそのような立場になって初めて気づいた。愚かなことだ。医療制度改革についても調べなければと思った。他に良い制度はないのかな?


主治医に副作用で手足がむくむので結婚指輪を外したほうが良いと勧められた。11年間外したことがなかったので、少し寂しく思い、ネックレスをして指輪を身につけようと思った。そこで、15年以上の付き合いで、宝石関係のアクセサリーを作っている友人のlapis-ya さんに、ネックレス購入を打診する。銀よりもプラチナのほうが高いんですね。いつも安くしてくれるlapis-ya さんでも結構なお値段。結局、銀のネックレスを依頼する。ちなみに、普段、貴金属なんてしない私がどうしてネックレスなんて購入するんだとlapis-ya さんに聞かれたものだから、正直に告白しました。友人てありがたいものですね。


今日は嫁さんネタありませんo(^-^)o


白血病の薬を買いに行く

昨日は仕事を終えるまでは調子良かったのだが、待ち合わせ場所で待っている間、めまいが発生!お酒は以前より控えたものの、今朝起きたらものすごくだるかった。ただ、二日酔いの時に起こる吐き気や頭痛はなかったので、飲みすぎてはいないと思う(だって控えたんだもんね)。いつもどおり朝食を食べ、グリペックを飲んだ。1時間後、今までにない吐き気に襲われて嘔吐してしまった。主治医にお酒を飲んでもいいと言われても、やっぱり少量にしないとだめですね…。反省。


【14日の日の出来事の続き】

診察が終わり、院外の薬局にグリペックを買いに行く。

薬剤師から、主治医と同じ副作用のことや飲み方について説明を受ける。この説明を受けるだけでも、医療費が加算されてしまうので「無駄だよな」と思いながら聞いていた。最後に精算。薬剤師から

「グリペック1日4錠7日分で27,350円になります(:100円単位以下の金額は記憶が定かではございません)。」

「はぁ!?」

「27,350円です。」

27,350円! で・す・か…」

ということは、グリペック1錠約1,000円ということになるんですよね。しかも健康保険がきいてこの値段だからなぁ。薬価基準は全国一律だから、日本全国同じ値段なんですよね。計算すればいいんだけど、おそるおそる聞いてみる。

「1ヶ月分になるとお幾らになるんでしょうか?」

「そうですね~。約10万円ですかね」

簡単に言うなー!

医療費結構かかるんですね。まぁ、命には代えられないものね。医療費に関しては色々と思っていることがあるので、また別に書き込みます。ゴルフ何回できるんだろ。


妻と帰宅途中の車の中での会話。

「なぁ、白血病は遺伝じゃないということだったけど、息子二人も俺と同じ病気なるかもしれないから、骨髄移植のことを(白血球の型)考えると、もう一人は子供ほしいよな」

「何言ってるの、あなたの○○○○身体で、子どもが作れるわけないじゃない」

(○の部分は、かなりの人権侵害的発言のため、あえて伏字にしました。皆様のご想像にお任せいたします(*^o^*))

私は驚きというよりも戸惑ったという表現が正しいのかな。とにかくまだ怒ってはなかった。

「『○○○○身体』って、どういう意味だよ!」

さすがに妻はしまったと思ったみたいで、

「ごめんなさい。変な意味じゃなくて、遺伝子の突然変異で白血病になるだったら、もしかしたらってこともあるし、これから、強い薬を飲むんだから、生まれてくる子どもに、悪いことはあっても、良いことはないんじゃないか。って、言いたかったの。」

「だったら、最初からそう言え!プンプン これはちゃんと口に出して言いました。

うちの妻は悪気はないのだが、ボキャブラリーがないのと、思わず口に出してしまう性格が困ったところでして、彼女の性格を知っている人だったらいいんだけど…。

昔、妻と結婚する前、私の妹と3人で、尻取りしていて、「こ」で妻の順番。妹に向かって「こ・こ・、小姑!」と言ってしまったり、初対面の人に向かっていきなり「もしかして胃下垂ですか?」って聞いてみたり。まぁ尻取りは良しとして、胃下垂はねぇ。ちゃんと聞いた理由はあるんだけど、聞き方がねぇ。かくいう私ももしかしたら、何気ない一言で人を傷つけてしまっているかも。気をつけないといけないですね。

ちなみに、2日後

「私あの時、『○○○○身体』じゃなくて、『○○○○血』って言わなかったっけ?」

「何が言いたいのかわからないけど、「血」でも「身体」でも、人権侵害的な発言には変わりありません」

学習していない…。


15日からグリペックを飲み始める。





好事魔多し

体調がいいからって、調子にのりすぎました。めまいがする。俺ってやっぱり、病気なんだな。。・゚゚・(≧д≦)・゚゚・。

本日すこぶる体調良し!

グリペックを飲み始めて1週間ちょっと。

副作用の細かいことは別に書き込むこととして、本日何故か体調がいい。私はまだ軽い方なのだが、昨日までは、倦怠感・吐き気・目が腫れぼったい・頭がボーっとするなどの症状があったのだが…。こんな時に無理して仕事したら後からくるのかなぁ?

倦怠感とかの症状に関しては、病気のせいなのか、薬のせいなのか、はたまた気持ちのもちようなのか何が原因なのかわからず、イライラした。

今晩、久しぶりに仕事で出会って、今は別々の道を歩んでいる戦友(仕事上ね)と会う約束になっているので、楽しみにしている。だからかな?そしたら、原因は気の持ちようになってしまうヽ(*'0'*)ツ そういえばストレスもいけないって、主治医が言ってたな~。

慢性骨髄性白血病の治療方針決まる!

このブログ三日坊主にならずにすんだ。結構、振り返りに役立ちますね。


14日、主治医から白血病の病気のことと、治療方法について説明を受けた。ご存知の方もいると思うが、白血病には、下記の病期があるとのこと。

1.慢性期

2.移行期

3.急性転化期

1.の慢性期は造血管細胞に癌化している造血管細胞と正常な造血管細胞が存在しているとのこと。癌としてはまだ未熟で、そんなに悪さはしないが、放っておくと必ず3の急性転化期に移行するとのこと。私は、この慢性期にあたります。

2.の移行期は慢性期と急性転化期の間の病期で白血球数のコントロールが難しくなったり、脾臓が肥大化することがあるそうです。

3.急性転化期この病期の時の治療が一番大変で、白血球数のコントロールが困難とのこと。

他の病気では、急性よりも慢性のほうが病状が悪いというほうが多くないですか?うちのお袋は、「慢性」だと聞いて、息子の病状はとっても悪いんだと思い込んでしまったのです(良くもないですけどね)。


治療については、以下の4つの治療方法の説明を受ける。

1.骨髄移植

この治療は、超大量の抗がん剤投与と放射線治療で骨髄を含めた体内にあるすべての白血病細胞と正常の血液細胞を壊して、白血球の型が合うドナーから正常な骨髄を採取し、患者に移植する治療方法。

ただし、この治療は患者に相当な体力が必要で基本的には50歳以下の患者、65歳ぐらいまでなら条件によってだが施術しているとのこと。また、拒絶反応を起こすリスクがあり、近親者からの移植なら成功率70%、骨髄バンクからの移植なら50%の成功率とのこと。

2.調整を主体とした治療(化学療法)

抗がん剤の「ブスルファン」「ハイドレア」を投与する治療。これは、白血球の数値は正常に戻るが、正常な細胞はなかなか増えず、急性転化期に移行してしまうケースが多いとのこと。

3.インターフェロン療法

100人のうち数人に効果があるとのこと。白血球数を正常にし急性転化期への移行もある程度延長効果あり。ただし、いつこの治療を辞めていいかその見極めが難しい。また、うつ病になる人もいるとのこと。

4.グリペック療法

現在、白血病治療方法の世界スタンダードだそうだ。白血病原因のフィラデルフィア染色体が生じている遺伝子のみを選択し、治療する薬とのこと。他の治療法よりも副作用が少ないそうだ。ただ、この薬は誕生してから約10年ぐらいしかたっていなく、投与終了してから再発しないかどうかの検証例がすくないとのこと。


私は、4のグリペック療法で半年を目標に治療を続け、効果が認められなければ、他の治療を考えるということになった。

主治医から、このグリペックの副作用について説明を受ける。

・倦怠感 ・発熱 ・下痢 ・膨満観 ・まぶた、足のむくみ ・こむらがえり ・目の充血 ・ジンマシンの様な発疹 ・吐き気 ・肝機能障害 等々

この薬の副作用は人それぞれで、どのような副作用が私に起こるかはわからないとのこと。多少の副作用だったら、平気なので飲み続けてほしいと言われる。あまりにもひどければ薬の量を減らすとか投与を一時中断するので、ひどい場合はすぐ連絡するように言われる。とりあえず、毎朝4錠飲むこととなる。

なんか長々と、まじめ一本槍で書いてしまった。とにかく14日のこの日は、2時間の説明だった。妻と二人で、診察室を出てグリペックを買いに薬局まで行った。




『慢性骨髄性白血病』の診断下る!

本日、通院のため仕事はお休み。先刻帰宅する。


2006年6月14日(水)診断の日がやってきた。妻が仕事を休んで、一緒に付き添ってくれた。

9時から腹部エコーによる検査。白血病の場合、肝臓と脾臓が肥大化するので、そのための検査だそうだ。エコーなんて妻が妊娠した時に見たことがあるだけで、自分はしたことがなかった。まぁ、骨髄穿刺みたいに痛くはなさそうだ。

看護士さんに呼ばれ上着を脱ぎズボンを下にずらしてからベットに仰向けになって医師を待つように言われる。数分後、医師が現れエコーの読み取り機の部分と私の腹にゼリー状の変なのを塗りたくる!塗られた当初少し熱く感じた。潤滑油みたいなものなのかな?医師からは、

「お酒はよく飲まれますか?」と聞かれた。「飲みます」と返事したのだが、肝臓が悪い状態なのかちょっと心配になる。しばらく、読み取り機をあっち滑らせ、こっち滑らせしてたら、最後パンツの中へ!といっても上のほうだけですが…。検査終了後、医師からティッシュBOXを渡され、これで腹部のゼリーを拭いてくれという。ゼリーがなかなか拭取れなくて苦労した。ズボンをはこうとしたら、パンツのゴムの部分が冷たい。さっき、読み取り機をパンツに入れたからだ!あの医者め!パンツを少しずらしてから検査してくれてもよかったじゃないか!看護士もパンツも下に下げてって言えばいいじゃないか!着替えなんて持ってきてるわけはなく、ゴムの部分が冷たいまま検査室を出た。


検査は予約時間の9時ちょうどに行い9時30分に終わったが、診察は11時30分。2時間待つので、近くのコンビニで朝食を買い、愛車の中でで遅い朝食。私の車は1BOXなので、病院の中よりは良い雰囲気でくつろぎながら食べられる。私の順番は13番。いない時に呼ばれるとまずいから、11時過ぎに待合室に戻る と、掲示板にはまだ6番目の人しか終わっていないとの表示!一体、俺の診察は何時になるんだ!

結局、12時15分頃呼ばれる。


医師から、言いにくそうに

「骨髄穿刺の結果、造血幹細胞 の染色体から、白血病特有の『フィラデルフィア染色体 』が検出されました。よって、自覚症状もあまりないことでもあるし、血液検査の結果もみて『慢性骨髄性白血病』と診断します。」

と、宣告されてしまった。『フィラデルフィア染色体 』と言われたときに、思い出したのがフィラデルフィア交響楽団と映画のロッキー。俺って何でこんな時にそんなことを連想するんだろうと自分がおかしかった。八割方は覚悟してたけど、誤診ではなかったんだなぁ。

治療方針の詳細は、今後別のテーマに書き込むこととして、診断の後、医師から約2時間におよぶ病気の内容と、各治療方法のメリット・デメリットをわかりやすく説明してくれた。この時思ったのだが、この医師はきっと一人一人に対してすごく丁寧だから、予定時間通りに進まないんだな。それだったら仕方がないと納得した。

他の科の患者さんは1人5分もかからないらしく、話を聞いてくれないと嘆いていたのを聞いていたから、なおさらだ。

私の主治医から血液型に関することを教わった。皆さん普段言っている血液型って赤血球のことだってご存知でした?私は知らなかったのですが、血液の成分のほとんどは赤血球で占められているものなんだそうです。輸血が必要な時に血液型を合わせなくてはいけないのは、赤血球が血液成分のほとんどを占めているからなんだそうです。となると、やはり白血球には白血球の形があるそうで、骨髄移植の時には同じ形の白血球を探さなくてはならないのだそうです。ですので、普段、私達が言っている血液型(ABOのことね)は、白血病には関係ないそうです。ちなみに白血病で亡くなられた方の血液の色は、やっぱり「白」なんですって。

ちょっと脱線したが、半年間、薬による治療を行い効果が表れないと判断した時は、また別の治療方法に変えるということになった。

診断が下される前までは不安だったけど、診断が下されたら「もう治すしかない」と腹をくくった。でも、薬の副作用が怖い。今度は副作用への不安がでてきた。俺って奴はしょぼん

ん!?白血病の自覚症状?

月曜日の診断の時に、妻の前で医師に確認しておくことが、二つあった。それは「お酒」と「ゴルフ」妻の前できちんと確認しておかないと、大変なことですからね(o^-')b

「慢性骨髄性白血病の疑いの段階だし、なったとしても薬を飲んで通院すれば、普段どおりの生活でいいですよ。ただ、ストレスを溜め込んだり、深夜の残業は体に悪いのでしないように。」との、ありがたいお言葉。お墨付きをいただき、久々に明るい気分で自宅に帰った。


火曜日から仕事に復帰。でも、やっぱり精神的に不安定で仕事に集中できない。なんだか体がだるい。


水曜日、ゴルフ仲間+1と飲みに行く。

「今まで、順調すぎたんだよ。おまえは~」とか「まだ、病気と決まったわけじゃないんだから、元気だせよな!」「病気と決まったら、ちゃんと心配してやる」だって。変に気を使われると暗い雰囲気になってしまうので助かった。


木曜日、職場の先輩が後見人になり、前向きに生きる会「前へ!」の第1回の会合を開催する。これは後ろ向きの話をしたら、1話題につき100円の罰金を支払うシステム。会員は職場の後輩と前の部所で一緒に仕事をしていた女性の計4人。結局、私が罰金500円払ってしまった。・゚゚・(≧д≦)・゚゚・。

後日、会員の女性から「私の胸でお泣き」(だったかな?)という、ありがたいメールをいただく。しまった!あの時に…「後悔先に立たず」とはこのことか。そんなことしたら後見人さんに怒られます(^_^;)。

帰宅後、妻は布団に横にはなっていたが、起きて待っていてくれた。この日は何でだかわからないけれど、自分の心に素直になれて、今まで泣きたくても泣けなかったのに、妻の前でおもいっきり泣いた。妻は「やっぱり、あなたも泣きたかったのね」と一緒に泣いてくれた。この日から変に片意地張っていたようなところが自分になくなったように思える。ちょっと肩の力が抜けた。甘えてもいい時は甘えてもいいんだなって思った。


金曜日、気分爽快になったのはいいけれど、さすがに二日続きの飲み会は、体にこたえたようだ。体全体に倦怠感。時折めまいを感じる。

これまで、医師や家族からは自覚症状はないのか?と聞かれたのだが、倦怠感はいつものことで倦怠感に慣れていた。ここのところ、土曜日は昼寝をしないと体がもたなかったのだが、決算業務で仕事が深夜までかかっていたからその疲れが出たんだと思い込んでいた。妻からは、「あなたばっかりが疲れてるわけじゃないんだからね。昼寝ばっかりしないで、ちょっとは家事を手伝ってよ!」と、怒られていたけれど、まさか白血病とはねぇ…。「だるい」と思ったら無理してはいけませんね。

そういえば、年度末、手のひらにジンマシンのような発疹ができたことがあった。発疹が出たときは気にしたが、その発疹はすぐ消えたので気にしてなかった。今から思えば、この発疹と倦怠感とめまいが自覚症状だったのかなぁ。と、思った。白血病の恐ろしさを感じた。知らない間に体を蝕んでたんだ。


土日はゆっくり体を休め過ごす。さすがに妻からは怒られませんでした。、月曜・火曜日は相変わらず体がだるかった。やっぱり、仕事にはあんまり集中できない。でも、病気のことを知っている私の隣の席の派遣職員さんからは、「なんか最近明るいですね」だって。「無理して明るくしてんだよ!」って、心の中で叫びました。 いよいよ診断が下される6月14日がやってきた!

えっ!マルク?

そういえば、長い3日間のうちの最終日の日曜日。もう入院するものと思い込んでいたので、古本屋と書店を歩きまわった。実は高校生の頃、虫垂炎で10日間ほど入院したことがあり、この時に活字中毒に陥ってしまった経験があるからだ。私は映画化になるのは知らなかったんだけど、小学校の頃に流行った小松左京氏の『日本沈没』を探してたのだが見つからず。かわりに五味川順平氏の『人間の條件』全6巻を購入。なんで『日本沈没』おいてないんだろう\(*`∧´)/


この日、九州の仲間からAHCC が届いた。結構、高価なものだったので、とっても恐縮してしまった。激励の電話も頂いた。うれしかった。


月曜日、妻と癌専門病院に車で出かける。渋滞がなければ、1時間もかからない距離。普段、市内ぐらいしか運転しない彼女が、入院したら通わなくてはならないから道を覚えるんだと言ってハンドルを握った。9時30分の予約だったが、初診なので9時には来てほしいといわれていたので、初めての道だし通勤渋滞にはまると嫌だったから、余裕をもって出発。8時30分過ぎに着き、事務手続きを済ませ、診断を待つ。待っている間、私ぐらいの年齢層の方はいなく、60代~70代ぐらいの方が多く見受けられた。本当にこの世の中で、癌に苦しんでいる人が多くいたんだなぁと実感した。また、入院する方も何人かいたのだが、入院は翌月の上旬でないとベットが空かないと言われていた。付き添いの家族は、何でそんなに待たなければならないのかって看護士に喰らいついていた。家族の気持ちはよくわかる。

そんなやり取りを見ながら予約時間になるのを待っていたのだが、約束の9時30分になっても医者が来ない。10時を過ぎても来ない。大きな病院って最近予約制が多いけど、時間通りに呼ばれたことってないような気がする!10時15分になっても来ないので、看護士に「先生はまだですか?」って、ソフトに催促。10時30分頃ようやく医者が現れて、ようやく診察を受ける。


その医者は、遅れてきたことを私達に最初に詫びた。内心「へぇ~」って、ちょっと驚いた。まぁ、あたりまえといえば、あたり前なんだけど…。それから、約45分「白血病」について、丁寧かつ私達にわかりやすいように説明してくれた。健診を受けた病院では、病気に対する説明はあまりなく、とにかく入院だった。この差は一体なんなんだろう。また、「慢性骨髄性白血病」を疑うのであれば、急性白血病と違い体調がすぐに悪化するわけではないので、入院せずに血液検査と骨髄穿刺を行えば診断できるということも知った。健診を受けた病院は、私を1週間も入院させてどんな検査をするつもりだったんだろうと疑問が浮かぶ。今日は、血液検査をして、白血球の数値を再検査し、骨髄穿刺を行い染色体(遺伝子だったかな)を調べることになった。


血液検査は慣れてるけど「骨髄穿刺?」キターって感じです。看護士さんにベットに案内され、胸骨から骨髄液を採取するので上着を脱いでベットで寝ているように指示される。しばらくすると、医者に内線

「先生。マルクの準備できましたので、処置室までお越しください」だって。

「マルク」って言えば、昔のドイツ通貨じゃなかったけ?とか、「マルタ」に聞こえてなんか嫌だなぁって、そんなショーモないこと考えながら医者を待つ。

しばらくすると、私より少し年上ぽい、わりときれいな女医さんがやってきた。

「あなた、骨髄穿刺は初めて?」

「は・初めてです」

俺ってこんな時にバカです(*゚ー゚)ゞ

胸全体に消毒液を塗られ、

「じゃぁ、始めますね」

胸部だから全部見えるんだけど、先生の左手に持っている太い麻酔注射を胸に注射、右手にはナント!ボールペンのドクターグリップぐらいの太さの鉄の塊りを胸にグリグリ。

「じゃぁ、これから骨髄の中に入ってくから、骨髄のほうも麻酔するわね~」なんて明るい先生だ。

また鉄のボールペンで胸をグリグリ。

「じゃぁ、これから骨髄液抜きますね。こればっかりは、痛いから我慢してね」やっぱり明るいなぁ~。

抜かれる時思わず「ウッ」って声を出してしまいました。体を持っていかれるような変な感じだった。


血液検査と骨髄穿刺を終了し、血液検査の結果が出たので聞きに行った。やっぱり、健診の時と同じく標準よりも多くの白血球だった。祈っていた誤診ではなかった。後は、1週間後にでる骨髄穿刺の結果を待つのみになった。


結局この日は14時30分頃病院から解放、妻と二人で車に向かう。が、妻は何故か助手席へ。

「俺、骨髄穿刺したところの胸の傷が、麻酔が切れてきて痛いんだけど…。」

「平気・平気!」

彼女は帰り道は運転したくなかったみたい。それとも、女医さんとのやり取りをきかれたのか!?(^_^;)

シートベルトが胸にあたって痛かった。


なんで?俺が白血病?

帰宅途中、上司が気を使ってくれて職場近くの居酒屋に誘ってくれた。

私は未だに白血病疑惑に対してピンときていなく相変わらず、他人事だったのだが、もし本当に白血病だったら自分はどうなるのかなと思いだしはじめた。人間いずれは死ぬんだし、それが人よりちょっと早いだけだ。と開き直ってみたりしたけれど、ここでもし、俺が死んだら俺の夢であったマスターズや全英オープンで息子のキャディーバックを担ぐことができなくなるんだなぁ。と思ったら、急に涙が出てきて止まらなくなってきた(:息子はそんなにゴルフが上手なわけではございません(;^_^A)。

私が泣いているのを見て、居酒屋の店員さんに、

「普段明るいあなたが何泣いてるのよ?」と聞かれ、理由を説明すると、おつまみとビールを差入れしてくれた。チェーン店で在庫管理に融通のきかない店なんだろうに…嬉しかった。

帰り際、

「俺が白血病じゃなかったら、1,000円で飲み放題にしてくれる?」

「1,000円じゃきついから、あと600円頂戴ね」そんなやり取りが気持ちを楽にしてくた。が、

やっぱりそれだけでは不安は拭いきることはできなく、駅のホームから九州の仲間に電話をかける。

「実は俺、白血病の疑いがあるんです」

「何言ってるの!あ~びっくりした」

「嘘じゃないんです。本当なんです」

まぁ、普段の私を知っている人はそうなるよなぁ。なかなか信じてもらえなかったんだけど、

「わかった!じゃぁ、免疫力を上げると言われている健康食品AHCC を送るから、飲んでみて」

心遣いが嬉しかった。


妻が病院を探してくれた。その病院は癌の専門病院で癌の疑いがある人か、癌を罹患している人しか受診できない病院で完全予約制だった。木曜日に金曜日の予約をしたところ、予約がいっぱいで予約ができず、月曜日に受診することになった。世の中そんなに多くの癌患者がいたことに驚く。


月曜日までの3日間が長かった。インターネットで白血病について調べ、白血病と戦っている人の闘病記も読んだ。何が原因で白血病が発病するのかわからなかったので、白血病の原因を調べたら、

「慢性骨髄性白血病が発症する原因は十分に究明されていませんが、他の白血病と同様に大量の放射線の被曝によって発症が増加することが、原爆の被爆者の方や放射線治療を受けた方に対する調査によって明らかになっています。」

となっていた。当然、私は原爆の被爆者でもなく、放射線は健康診断の時にしか受けていない。要するに究明されていない人でしかない。それなのに妻やお袋からは、

「普段からの不摂生が原因じゃないの!?」とのキツイ一言。いつ・どんな不摂生を俺がした?年度末や年度当初は決算業務で帰宅が24時頃が続いたけど…。病気に対する原因も調べないで、原因のすべてを不摂生と言うのはやめようと学習した。後日、妻とお袋は私のいないところで泣いていたことがわかった。「病人は俺なんだけどなぁ」と思ったが、「この世の中で俺のためにどのくらいの人が泣いてくれるんだろう」とも思った。贅沢な話だ。お袋は、私の前では泣かなかったが、ため息の連続だった。今までの人生の中であんな連続でため息を聞いたのは初めてだった。心配してくれているのは充分わかったが辛かった。


土曜日は健診前から息子と一緒にゴルフに行くと約束していた。息子は楽しみにしていたのだが、今回の件で行けるかどうかわからなかったので、プレーできるとわかった時、とても喜んだ。前の晩、息子に病気のことを説明した。説明中台所仕事をしているお袋の肩が小刻みに震えていた。ゴルフは、何故か調子よく自己ベストに1打足りずの好成績だった。最終ホールは、しばらくゴルフができないと思い、執念でパーパットをねじ込んだ。プレー中、何度か涙が出そうになったが、息子の前で泣くわけにもいかず苦労した。プレー後は、倦怠感に襲われ不安になる。


妻からは、

「あなた平気そうだけど。どうして平気なの?」

と何度も聞かれた。その度ごとに、

「まだ、病気がはっきりしたわけでもないんだから、取り乱す必要はないだろ」と嘘をついていた。

突然「白血病」と言われて平気な人がいるだろうか?本当は平気ではなかったが、泣いている両親や妻と一緒に今は泣く段階ではないと思い、土俵際で踏ん張ってただけだった。


長い長い3日間だった。

えっ!俺が白血病?

2006年5月某日の午前、例年会社で行われる健康診断を病院で受診。午後職場に戻りいつもどおり仕事をしていると、

「○○病院の検診部の責任者ですが、お宅様が受診された本日の健康診断で深刻なデータがでました。すぐに入院しないと危ない状況です。今から、それが無理なら明日の早い時間にご家族と一緒に来てください。」

と病院からの電話。 私は、何がなんだかさっぱりわからず「はぁ、今日これからすぐには無理なので、明日家族の者と一緒に行きます」とだけ返事。

 

さっそく妻の職場に明日一緒に病院に行ってもらえないかと連絡したところ、普段体調を崩すことの無い私だからか

「何言ってのよ、あなた元気じゃない!忙しいんだから、急に明日仕事休めない!でも、どこが悪いのよ?」

「すぐ入院とだけしか…」

「とにかく明日いけるかどうかわからないからね」

まぁ、私自身も何がなんだかわからないんだから、嫁さんはさらにわかんないよな。でも、冷たいよな。と思っていたら、妻から、「さっきは、あまりにも突然だったので、驚いてしまってあんな態度になってしまった。明日は一緒に病院に行きます」とのメール。すったもんだしながら翌日二人で病院に行きました。

 

翌日、その病院の内科の血液専門医が言うには

「血液検査の結果、白血球の数値が通常の10倍あります。今まで、倦怠感や発熱などの症状はありませんでしたか?」と、聞かれたので

「昨日の健診の時に、最近疲れが取れないって、おたくの内科医に言いましたが、「若いのに何を言ってるの」と言われました。」

と答えたのだが、その返事は当然無視され

「とにかく、白血球の数が普通ではありません。これからすぐに入院していただきたい」

「入院の期間は、どのくらいですか?」

「1週間検査をし、病気であれば治療に約2週間、3週間は入院してもらいます」

「……」

「実は、白血病の可能性があるんです。このまま放置していると危険な状態になります。『慢性骨髄性白血病』ではないかと疑っています。」

横で妻は泣き出してしまい、私はというと「茫然自失」「疑心暗鬼」「青天の霹靂」という言葉が頭の中をグルグルとまわってました。とにかくすぐには受け入れられず、白血病たる病気がどういう病気かということもわからないし、本当にこの病院に自分の体を預けていいのか不安だったので、自宅からこの病院が遠いということを理由にして、紹介状を依頼しました。

 

その日は職場に戻り、上司にこれまでのいきさつを説明。白血病の疑いがあるということと、他の病院で検査しなおすが、すぐ入院するかもしれないので、当面の仕事の引継ぎをして帰宅。


<< 前のページへ最新 | 552 | 553 | 554 | 555 | 556