前回マンガの作り方を予定していましたが、パワーポイントの画像出力時、ピクセル数を指定したいとの質問がありましたので、こちらを先に書きます。
まずは、大雑把な基礎知識から。
画像はドットで構成されています。
デジカメなどで、解像度800万ピクセルなどと書かれていいるのは1つの画像を構成するのに何ピクセルを使うかを示しています。
ピクセルと表現されていますが、ピクセルはドットに色情報を加えたものです。
面積的にはドットもピクセルも同じ意味になります。
では、200万ピクセルと800万ピクセルではどちらの方が綺麗でしょうか。
答はどちらも同じです。
面積が異なるだけです。
でも、800万ピクセルの方が綺麗と言われていますよね。
綺麗と言うのは写真サイズに印刷した時の事を言っているのです。
写真サイズに200万ピクセルと800万ピクセルを印刷すると800万ピクセルの方がドットをぎゅっと押し込めますから綺麗になります。
この考え方がdpiです。
これは画像密度と呼ばれるもので、Dot Per Inchの略です。
1インチにどれだけのドットがあるかを示す単位です。
同じ面積であっても詰め込むドットが多いと細かく綺麗に表示されます。
では、ディスプレイが表示できるdpiはと言うと、一般的なディスプレイは96dpi前後で、高解像度ディスプレイの場合は200dpiくらいです。
Webにある画像は72dpi~96dpiが多いようです。レタッチソフトを使うと、この値を変える事ができますが、
ある意味dpiは属性であり、96dpiが150dpiになっても画像の物理的構造は変わりません。
dpiは扱う場合に妥当な数値くらいの意味でしかありません。
画像が150dpiと記録されていても、ディスプレイの表示能力が96dpiであるなら96dpiでしか表示できませんから。
ここまでが基礎知識となります。
ここからが本題です。
パワーポイントで「図として保存」を使用して出力した画像の大きさが不定である事について調査しました。
結果、以下の理由からパワーポイントの標準機能ではドット指定で保存できない事が判りました。
・画像を挿入する場合以下の状態となる
(1)画像の幅・高さのどちらかがスライドの幅・高さより大きいと画像は縮小される。
(2)画像の幅・高さ両方共スライドの幅・高さより小さいとそのまま挿入される。
・上記(1)(2)どちらの状態であっても、何等かのしきい値を超えると150dpiで出力される。
※スライドの幅・高さが画像の幅・高さより大きいという条件で、150dpiになる場合、ドット数が大きくなります。
以下が計算式です。
幅が3000ドット/96dpiの画像をスライドに挿入する。
「図として保存」を使って、画像を出力する。
出力された画像ファイルをエクスプローラーのプロパティで確認すると幅が4687ドット/150dpiとなっている。
1インチ=25.4mmなので
ドット幅=25.4mm/96dpi
挿入画像幅mmm=3000ドット×(25.4mm÷96dpi)=793.75mm
1インチ=25.4mmなので
1ドット幅=25.4mm/150dpi
出力画像幅mm=4687ドット×(25.4mm÷150dpi)=793.665mm
この結果から、誤差がありますが、出力する際に、表示幅が一定となるように計算され、出力されるようです。
この「何らかのしきい値」を調べましたが、条件によって異なるようです。
・画像の幅及び高さではない。
・画像の面積(総ドット数)ではない。
・スライドとの相対比ではない。
ある条件(スライドの大きさ・画像の幅・高さ)では96dpiで出力できる事が判りましたが、他の条件になると通用しません。
「結局何等かのしきい値」が何であるのか判りませんでした(^^;
また、出力されるdpiは挿入時に決定しているようです。
出力が150dpiになる画像を挿入し、小さな図形を使って重なり抽出をして画像を作り、「図として保存」しました。
結果、出力画像は150dpiでした。
出力が画像が96dpiになる画像で同じ事を試すと、出力画像は96dpiでした。
この事から、スライドに挿入された画像はdpiが挿入時に決まり、パワーポイント内部でも96dpiか150dpiで保存されていると推測されます。
結果
パワーポイント標準機能では出力画像の大きさをコントロールする方法はありません。
とは言え、パワーポイントで使う場合はもちろんの事、ホームページで使う場合にも問題はありません。
ホームページでは表示するピクセル数を指定できます。
ピクセル数指定で出力する方法
でも、ピクセル数指定で出力したい場合もあります。
そこで、SKB図形を使って出力画像を指定する方法を説明します。
(1)四角形(図形)をスライドに挿入します。
(2)「枠無し」にします。
(3)SKB画像の「リサイズ」を使って、挿入した四角形を出力したいピクセル数にリサイズします。
(4)四角形の上に画像を載せます。
(5)画像と四角形をグループ化します。
(6)「図として保存」で画像を保存します。
こうすると、指定したピクセル数/(96dpi又は150dpi)で画像が保存されます。
先に示した通り、ディスプレイ上ではdpiが属性的なものとなるため、150dpiであっても一般的なディスプレイに表示する場合は問題ありません。
Tシャツへの印刷オーダー時には注意
Tシャツなどへの印刷オーダーをする場合は350dpiほどが必要になり、この場合はディスプレイ表示よりも画像が小さくなるため注意が必要です。
dpiはレタッチソフトなどで変更します。
350dpで自分が求める幅になるドット数を求める計算式は以下になります。
必要なドット数×(25.4mm/350dpi)=Tシャツに印刷する幅
必要なドット数=Tシャツに印刷する幅×350dpi/25.4mm