パズル | 34歳夫のくも膜下出血体験記~沈黙の不倫から13年~精神科入院中の夫と母子の歩む道

34歳夫のくも膜下出血体験記~沈黙の不倫から13年~精神科入院中の夫と母子の歩む道

2011年7月夫が突然くも膜下出血(グレード5)を発症。その後の不倫発覚…高次脳機能障害(精神科入院中)の夫とこの先どう歩んでいくのか。日々の揺れ動く心を描きたいと思います。娘21歳 息子16歳 妻(私)多発性神経鞘腫という持病持ち。これについても記したいと思います。


旦那の携帯から 不倫の事実が明らかになった時は

くも膜下出血発症から 3週間が経過した時だった。



合併症の危険が高い 2週間を無事に乗り切り 少し落ち着いた頃。




家族なんて必要なかったんだ。

子供の存在なんて どうでも良かったんだ。



何で 好き勝手 やりたいことして、私たちの事を裏切ったこの人を

これから面倒見ていかなきゃならないんだ。



冗談じゃない。こんな人の為に自分の人生を棒に振りたくない。



離婚する。



施設に入れる。顔も見たくない・・・






そんな心境だった・・・



その頃から、日々 旦那に変化が現れてきて 

意識障害が改善され 簡単なコミュニケーションが取れるようになった。



その日々の変化が気になり、結局毎日病院に行く。




そして、記憶の無い旦那に 過去の不倫を責め続ける。




グレード5の発症から3ヶ月弱。



今は



言葉を話し、ご飯を食べ、支えながら歩いてる。




支離滅裂な会話もある。

いや、それがほとんど。実在しない単語も並べる。




でも、ご飯を食べながら

「うまい」 と言う。



この言葉を聞いて、とめどなく涙がこぼれた。



食べれるようになって良かった・・・と。

うまい と感じる事で生きてる実感が沸く。

奇跡だ・・・と。





過去の話をしても
「俺 そんなことしてたの?」と言う。



私の事を「俺の嫁さん」と言い


今日 朝一で病院に行ったのに

「早く来ないかな~って思ってた」と言う。


「あなたの好きな人は誰?」と聞くと

「好きな人は おゆ」 と言う。


子供の写真を見せると

「俺らの子供」 と言う。



今日 旦那が意識不明だった時の話をした。


「何か夢とか見てた?」


「夢は見てないけど 毎日 おゆが来てたのはわかってた。」

「目を開けたとき 久しぶりに おゆを見た と思った。」




支離滅裂な会話や 実在しない単語で 話すことが多々あるのに




障害を受けた脳が 


質問を受け 


散らかった言語の引き出しから 


その答えを見つけ出し、


きちんと言葉で発する。




こうして 会話が成立することも 奇跡。

「うまい」と感じながら ご飯を食べれるのも奇跡。

年齢や漢字は間違うが、家族の名前を書くのも奇跡。




旦那の脳は 「家族のパズル」が 完成しつつあるのか・・・






子供たちに感じて欲しい。

学校では教えない教育を体験している。



人として 生をうけ 傷付いたからだを癒し
回復させる。 

そのためにどれだけの人の手を借り

自分は生きているか。

そして一番大切なのは家族の絆である・・・ということを。




「あいしてる」





って 言った。






嘘でも・・・






引き出しから間違って出した単語だったとしても・・・






素直に嬉しい。





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