サクラサク
ついに咲いた。
桜が咲いた。
花見は、手っ取り早く近くの公園に行く事にする。
県立公園だから、そこそこ大きい公園である。
園内の真ん中に、大きな桜の木がある。
大きな桜の木が・・・・1本だけ立っている。
たった1本の桜の樹の下にひしめき合う花見客。
一番内側の人間は、木の幹に寄り掛かってる感じである。
真上を見なければ、花は見えない。
そして何よりも大変なのが、トイレなどでその場を離れる時だ。
何しろ、1本の樹を中心にして花見客が円錐状に広がっている。
円の外に出るのが、これまた一苦労である。
・・・てか、一度入りこんでしまったら、出るのは不可能じゃないか?
と思えるほどの状況。
円の中心は桜の樹。
放射線状に広がる花見客。
場所取りは、円の内側から始まる。
つまり、円の内側ほど酔客が多いという事になる。
内側でカラオケが始まる。
カラオケもまた放射線状に外へ外へと広がって行く。
公園のド真ん中で、円を描くように広がる放射線状の群集。
異常な光景であった。
円の中心で、誰かが立ち上がり喚き始めた。
何を言ってるのか分からない。
分からないが・・・沸き起こる拍手。
何の拍手なのだ?
開花宣言から、葉桜まで・・・
俺は、今年もまた桜の樹の下にいるだろう。