アイコンママブロネタ「学校のこと」からの投稿



スグルはかつて
医学科後輩達を見てこうつぶやいた。

「国公立大学医学科に入る人というのは、
トップと言われる私立一貫校の中でも上位にいないと
現役や一浪では入らないんだなぁ。」

国公立大学医学部医学科の難しさの一つに


「受験層の学力の高さ」
にその本質がある。


二次試験においても、
最近は一部の超難関医学科を除けば、
むしろ易化傾向にあると言われる。

しかし易化ならば、受験層の皆が皆、
高得点を叩き出すという恐ろしさ。

他の理系学部と比較する時、
その最低合格点が際立って高くなるのも特徴の一つ。

国公立大学医学科の合格基準が

「センター試験9割、二次試験7割」

と言われる所以である。

更にもう一つ。

サラリーマン家庭から医学科を目指す時、
その道は、唯一、
国公立大学のみという選択肢の狭さ。

他学部であれば、
国公立大学理系と私立理系学部
を当然のように受験する選択肢がある。


(非医)理系は学費が高いとはいえ、
私立大学理系の選択の余地がある。

しかし、私立大医学科ともなると
その学費たるや、
到底サラリーマン家庭の
及ぶところではないのが現状。


いまや、アベノミクスで、
祖父母からの贈与が可能となったが
れでも、そう簡単に
この額を出せる祖父母を持つ人達は
そうザラにはいないであろう。


サラリーマン家庭から
医学科を考える時、その選択肢は
国公立大学医学科の前期、後期のみ。

しかし後期は
超難関医学科落ちの上位受験層
(東大や京大医学科、旧帝大医学科など)
が流れてくる事を考えると
実質、勝負を掛けられるのは、

前期のみとなる。

受けられるチャンスが、
一年でたったの一度。

その上、募集枠は多くて100名、またはそれ以下。

経験したものでないと
その怖さを実感出来ないかもしれないが
相当苛酷な試験となる。

また、どこの大手予備校であっても、
国公立医学部医学科コースが
設置されていると思うが、
そのコースに入ったからといって
合格が約束されてはいない。

むしろ、そのコースの中でも
上位組しか合格しない現状が
そこにはある。

私はこのブログの性質上、
読者様からよくメッセージを頂く。

「サラリーマン家庭からなので
 国公立大学医学科しか考えていません。」 

「今年国公立大学医学科を目指す浪人生の親となりました。」

「僕もサラリーマン家庭なので、私立医は考えられません。」


などなど。

この様なメッセージを頂く度、
「あぁ、どうか皆が希望校に受かりますように・・・・。」
と思うと同時に

この方達は
なんと苛酷な道へ足を踏み入れる事になるのだろう?
と、ほんの少し、案じてしまう。


私が体験した(させられた?)スグルの医学部受験は、
今当時を思い出しても暗澹とするものがある。

せめて中学生位から、
医学科を考えていると言ってくれたなら、
現役で推薦を狙うなり
もう少し策を講じる事が出来ただろう。

しかし高校三年生からの希望では、

あの
『恐怖の一般枠』

しか選択の余地が無く、
その難関さは、今考えても眩暈がしそうなほど。


その上、
トップ私立一貫校に在籍しているならともかく、
当時のスグルが在籍したのは
無名の私立中堅校であった。
(今では結構名を知られるようになったらしいが・・・。)

自信も、プライドも、実績も、何も無い。
無い無い尽しからの出発であった。


医学科でなければ、
選べる大学はいくらでもあるのに、
なぜあえて医学科なのか?

当時の私は、このような夢を持ち続けたスグルを
恨めしくさえ思ったほど。

だから、二浪目で、一度は医学科を断念し、
普通の国公立大学理学部へ入学を決めてくれた時は、
本当に嬉しかった。

やっとこれで、子供の進路が決まるという安堵感。

スグルは不満であったかもしれないが、
とにかくこれでスグルは引きこもりにならず、
社会との接点ができたのだと。


そもそも、
国公立大学医学科と私立大学医学科では

競争率が違う。

私立大学医学科を受けられるという事は、
入学も可能という事であり
国公立医学科と私立医学科を
何校も受けられるという利点がある。

もし、私立医学科が一般学部と同じ学費であったなら、
競争率は今程度では到底すまないであろう。

今の一般家庭では、
到底払いきれない学費を払えるという点だけでも、
それだけ入学は容易になる。

嫌な言い方をすれば、
富裕層の受験生が争う相手は
同じ富裕層受験生に限られるのだ。


私立大学医学部の桁はずれな学費は
はっきり言ってしまえば、


一般庶民受験生の締め出しである。



驚く事に、国公立大学医学科の大半の生徒は、
その私立大学でも進学させられた家庭という事だ。

両方受かると、大抵は
国公立大学医学科を選ぶという現実がある。   
その様な生徒であると、そもそも、
スグルのように国公立医学科のみしか
選択肢が無いという時点で心の余裕が全く違う。



そんな世の中の不公平さを知りながら、
それでも唯一自分だけの実力で
乗り越えて行かなければならないのが、

「サラリーマン家庭から国公立医学科を目指す」

という事。


この様な現実を前にし当然、
医師への道を断念する人もいるだろう。

私はその人達の気持ちも手に取るようにわかる。

医師家庭を継ぐわけでもないとしたら
あえてこんな困難なイバラである道を選択しなくとも、
生きて行く道は山ほどある。



それでも自分だけを信じ、夢を諦めずに
挑戦し続ける受験生、そして親達。


それは、かつてのスグルに重なるものがあり
微力ではあるけれど、心から応援したいと思う。


世の予備校や講師は
現役で大学に受かる事をやたらと
称賛し、推奨する。

それでもあえて私は言いたい。


人間は失敗してからこそ何かを学ぶ。


スグルに関して言えば、
一度は親に医学科を断念させられたからこそ、
自分の甘さや、本心を深く見つめる事ができたのだ。

そして、どうしても医師の道をあきらめないという
情熱を持って信念を貫いた。

今思えば、三浪という失敗も
彼にとっては必要不可欠であった道のりだった。


一生懸命頑張ったのに失敗した。

では、次はどうすればよいか?

何が自分には欠けていたのか?

そしてそこから立ち直る。


スグルはこの繰り返しだったのだ。

だから、今頑張っている人達も負けないでほしい。

失敗は怖くない。

そこから何かを学ぶチャンスなのだ。

そして夢は決して逃げない。

自分が背を向けるまで。



現在、国公立医学科に学ぶ生徒達にさえ、そこには
大なり小なりのドラマがあったに違いない。

日常では殆ど、知りあう事が無いけれど

ブログで国公立医学科の母達と繋がるたび
どんなドラマがあったのか思わず想いを馳せてしまう。


子供は今、自分の事だけで精いっぱいで
親の存在すら忘れている日々だろう。


しかし、それでいいと思う。


親は子供達が笑っていてくれる事、
満足して日々を生きていてくれる事、

それだけが
一番の幸せなのだから・・・。

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