以下、少し真面目な長話。

読んでくれると嬉しいな。


今朝の通勤時、iPodの選曲をしてるとき、
普段は飛ばしてしまう、宇多田のFinal Distanceを
迷いながらも聴き始めました。


聴いてると、
なんとなく鳥肌が立つような感覚がして、


ああ、そういえばこの曲って、
あの事件の犠牲者に捧げた曲だ…

なんて思いつつ、会社に来てニュースを見ると



なんと、、、、、


今日がその命日なんだね。


池田小学校児童殺傷事件。



宇多田はこの事件を、
レコーディングスタジオの中で初めて聞き、
その場ですぐに曲を捧げることを決めたそう。



実は私もこの事件のとき、宇多田とは別の
レコーディングスタジオに缶詰になっていて

みんなで休憩の合間にTVを付けては、

また一人死んだ、、、また一人…、って、

状況を固唾をのんで見守っていて、
その気持ちを抱えたまま、また、
マイクに向かい、ヘッドフォンをはめ、音楽を奏でる…

という、
なんだか祈りの儀式のような時を過ごしました。


だから、宇多田が、レコーディングスタジオ内で
事件を聞いてすぐに、Final Distanceという曲を
献呈歌にすると決断をしたのが、すんなり理解できた。


彼女のような影響力のあるアーティストが、
そういう行動をしたことで、事件に乗った宣伝行為だ、
と、その後マスコミから叩かれたりもしたけど、

そんなアホな行為をしなくても
彼女の曲は売れるんだから、
そんな意地悪言うなよ…と憤慨した覚えがあります。


Final Distanceという曲を聴くたび、
私はこの事件を思い出し、決して風化されない。

一方で、この曲を純粋な音楽として
認識できなくなったのは寂しい気持ちもあるけど、

自分の音楽を記念碑にする、という彼女の優しさと、
何かしたいという切実な思いから出た行動を、
私は心から支持し、尊敬します。


私には何もできないけど、
曲を聴いて、あの時の悲しい気持ちを思い出して、
子供達のために祈ることしかできないけど、

同じように思い出している人が、
この日本ないし世界に何十人、何百人といるはずで、

そういう気持ちが束になって、
いつか何かを動かす力になったらいいな、と思う。



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