バチカン、ビルダーバーグと‘移民’危機   F. William Engdahl著
 
 
マスコミに載らない海外記事のブログから部分引用
 

謎めいたビルダーバーグ年次会議が、今年ドイツのドレスデンで、6月9-12日に開催された。議論の話題を発表する公式プレス・リリース中の用語は注目に値する。第三項(必ずしも重要性の順ではない)は、奇妙にも“ヨーロッパ: 移民、増大、改革、構想、団結”という題目だ。トルコがシリア戦争難民の拘留センターと難民キャンプを開放し、彼らをEUへと向かわせて、2015年春に始まったEU難民危機に対する単語“移民”という選択が奇妙なのだ。これについては後ほど更に触れる。本記事では、ほとんど知られていない歴史的なつながり、つまり1954年に創設されたビルダーバーグ会議とバチカン間のつながりと、現在のEU難民不安を煽る上での両者の役割に集中したいと思う。

 

1954年5月、ドイツ国境に近いオステルベークのオテル・ド・ビルダーバーグで、極めて秘密の会議が開催された。それは1954年以後、現在まで、最も効果的な組織の一つ世界の出来事に影響力があり、最も有害で秘密主義的組織の一つとなった。ビルダーバーグ議長として後を継いだのは、当時のドイツ大統領、ヴァルター・シェールで、更に、ヘンリー・キッシンジャーの相談相手で、後にビジネス・パートナーとなったイギリスのキャリントン卿だ。

 

2014年 ビルダーバーグ・グループの情報の乏しい公式ウェブサイトには、その目的は単に“ヨーロッパと北アメリカ間の対話を醸成する”ことだと述べている。その規則で、三分の二は、ヨーロッパから、残りはアメリカとカナダから、総員の三分の一は常に政界と決められている。

 

このビルダーバーグの本当の歴史を背景に、今問われるべき疑問は、史上初のイエズス会教皇、フランシスコ教皇が、ピウス12世の重い足音に習うか否かだ。彼は、昨年のシリアや北アフリカからの膨大な戦争難民流入を支持することで、ヨーロッパにおける事態を意図的に掻き立てようとしている。

 

単語は、人間のコミュニケーションの本質的要素で、それが他者に伝えるエネルギーは極めて複雑だ。もし、単語を非常に正確に操れる地球上に組織があるとすれば、それはフランシスコ・ローマ教皇の母体組織イエズス会だ。過去三年間の中東やアフリカやEUにおける人びとの崩壊に関する彼の無数の公文書を解読する際に、これは重要だ。

 

現在のEU危機、それは実際危機なのだが、それに関し、曖昧に使われている三つの単語がある。“難民”という単語は、法的に“戦争、迫害、あるいは自然災害から逃れるために自国を去ることを強いられた人”と定義されている。更に関連する単語“亡命希望者”は“政治難民として母国から去り、他の国への亡命を求めている人”と定義されている。三つ目が、フランシスコ・ローマ教皇と、2016年のドレスデンにおけるビルダーバーグ会議の双方が用いた、背後の概念が全く異なる単語、つまり“移民”という単語だ。移民は“仕事やより良い生活条件を探すため、ある場所から他の場所に移動する人”と正確に規定されている。戦争、政治的迫害や生命に危険な災害に関する言及は皆無だ。

 

明らかにそうではないものを、南部からEUへの移民と呼ぶことで、単語は、この移民の背後にある原因、つまりアメリカ-イギリス-フランスが引き起こした一連の戦争、石油、そして今やガス支配のための戦争、ヒラリー・クリントンが当初アラブの春と呼んだリビア、エジプト、チュニジア、シリアでの戦争を完全に曖昧にしている。過去十五ヶ月に、トルコからEUに流れ込んだ百万人以上の人々は移民ではない。彼らは戦争難民なのだ。

 

彼らを移民と呼ぶことで、メルケル政府やドイツ連邦移住・難民庁(BAMF)が行う法的手順に疑問を投じる人を、暗黙のうちに、ことごとく人種差別主義者や、頑迷固陋にしてしまうのだ。小生に伝えられた信頼できる調査報告によれば、ドイツ連邦移住・難民庁(BAMF)は、2014年11月以来、公的理由も国民に対する告知も無しに、難民(亡命希望者ではなく)に対する規則や政令を放棄したという。

 

2016年1月17日の教皇メッセージで、教皇はこう述べた。“現在、移住の流れは世界中で増大し続けています。…移住の流れは、今や構造的な現実です。わたしたちに課せられた第一の課題は、緊急事態を乗り切り、移住の原因とそれに伴う変化、さらには新しい住人が社会や人々に与える影響を考慮した上で計画を立てることです。” 彼は続ける。“聖書における啓示は、異邦人を受け入れるよう促しています。それにより神への扉が開かれ、他の人々の顔にイエス・キリスト自身の姿が現われると伝えています。”その見知らぬ人が、あなたを殺そうとしたり、あなたの娘を強姦したがったりしたらどうだろう?

 

これらは実際素晴らしいお言葉だ。これは戦争難民のドイツや他のEUへの殺到という実際の破壊的な現実を完全に無視している。フランシスコ教皇は、彼の膨大な影響力を、平和をもたらし、シリア国内の全国内政党の和解、ISIS、アルカイダ/ヌスラ戦線や他の世界最古の文化の一つを破壊しているテロの非難、多宗教世界に注力するのではなく、ヨーロッパ人に、心と、家までも“移民”に対して開くよう説くことを選んだのだ。

 

この文脈で、私が最初に述べたように、今年のドレスデンでのビルダーバーグ会議が、論議で、難民危機ではなく“移民”と呼んだのは極めて重要だ。少なくとも、この点に関しては、教皇もビルダーバーグ計画者連中も、全く同じ楽譜を歌っているように見える。

 

1月6日、公現祭日のメッセージで、この同じ教皇が、教皇ビデオを公表し、その中で、事実上、ワンワールドの宗教を作り出すよう呼びかけた。“多くの人が様々な考え方をし、様々な感じ方をし、様々なかたちで、神を求めたり、神に会おうとしたりしています。この中で、様々な宗教の中で、一つだけ確実な全員が共有することがあります。我々全員、神の子です。”

 

数日後の2016年1月11日、バチカン外交団への演説で、フランシスコ教皇は、ヨーロッパは、安全や、文化を犠牲にすることなしに移民を受け入れるつもりだと主張した。彼は、“我々が直面している深刻な移民危機”に言及して、迫害から逃れる難民と、貧困から逃れる難民の国際社会による差別を批判した。この移民危機に対する各国独自の解決策を見出そうとする様々なEU諸国の取り組みを彼は非難した。“各国がした判断の結果は、必然的に国際社会全体に影響をもたらすのですから、個々の国家が追求する自立した解決策の余地はありません。実際、移民は、これまで以上に、我々の世界の将来において、極めて重要な役割を演じることになるでしょう。”

 

フランシスコ教皇とは違い、国家主権や、個人の自主性が重要であるのと同様、国境は大いに重要だと私は断固信じており、実際、我々の存在、我々個人の主権、我々の国家主権の必要かくべからざる要素なのだ。

 

我々人間は、それぞれがかけがいがないのだ。我々は個性の無い不定形の塊ではない。私の考えでは、こうした違いは侵すべからざるものだ。イエズス派教皇の言葉ではそうではない。あらゆる戦争や深刻な騒乱のある我々の世界は、フランシスコ教皇が、我々をそう信じさせようとしているような、平和とキリスト教の慈善があらゆる障害を克服する涅槃の境地ではない。将来はそうなるかも知れないが、既にそうであるふりをするのは、隠された狙いを偽って語るものだと私は思う。

 

デイヴィッド・ロックフェラーは、彼と彼の同類が全ての人類の頂上に位置する、実にむかつく思想、ワン・ワールド・オーダーのあからさまな支持者だ。そのような単一の経済世界にするため、我々は国境を解消せねばならないのだ。もしEU指導者が、同意するほど、強烈な自殺願望を抱いていればだが、環大西洋貿易投資連携協定主にそのために仕組まれている。更に全世界を支配するためには、つくりものの新宗教が必要だ。強制的な難民危機は、国境や歴史的民族文化、国民文化をぼやかすために仕組まれている。

 

 

F. William Engdahlは戦略リスク・コンサルタント、講師で、プリンストン大学の政治学学位を持っており、石油と地政学に関するベストセラー本の著書で、これはオンライン誌“New Eastern Outlook”への独占寄稿。

 

原文

http://www.williamengdahl.com/englishNEO17Dec2016.php
 

結局、今のイスラム国の問題、ヨーロッパはじめ世界的な戦争難民”偽移民”問題の元祖は、ヒラリー クリントンやオバマに大きな責任があるのがはっきり説明してくれています。引退して優雅な生活から、裁きの下へつれてこなくてはなりません。フランシスコ’ぺぺぱぱ”法王も、その一躍を担いで、ビルダーバーグの連中と同じ穴の狢のようですね。亨進様が、訳すのもたじろぐほど、あらゆる”Fword”でバッシングする理由はここにもありました。

 

 

 

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