仕事始めと反省 | 包丁研ぎ師月山の包丁研ぎ磨ぎブログ

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人として包丁研ぎ師としての日常や発見、気づきなどを書いています。

目指すは包丁研ぎ世界一。みなさんに少しでも刃物に興味を持っていただければ幸いです。

高級鍛造刃物販売、修理研ぎをする三代目です!

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今日が僕の仕事始めでした(^O^)

店は4日から開いていたのですが、私用で今日が仕事始めになったのです。



久しぶりの研ぎがとても楽しく、時間をかけて研ぎをしましたо(ж>▽<)y ☆

しかし今日はかなりいろんなことを考えながら研ぎをした日でもありました。

実は昨日講習の受講者の方からコメントをいただいたのですが、小刃を付けて刃持ちが思わしくなかったそうなのです。

以下一部抜粋↓

「切れ止みが早いように思うので、まだまだ研ぎが身についていないのか、砥石にゆがみがあるのか、小刃の角度が悪いのか・・・」

ということでしたOrz



おそらくではありますが、小刃が鈍角なことが原因ではないかと思っています。

薄く研げばシャープな切れ味が出る代わりに、欠けやすく、刃持ちが悪い。

逆に鈍角気味に研ぐと欠けにくく、切れ味が長く続くがシャープさに欠けるというのが研ぎの原理。

実際に料理人さんに小刃ありと小刃なしの庖丁を試してもらい刃持ちを確認していますし、料理人さんからも同じことを言っていただくことが多くあるため、間違ってはいなと思っていました。

また刃物屋さんとの意見交換でも小刃の必要性を説いていただく方が何人もいらっしゃったので、庖丁には小刃は必要だと感じていました。

しかし刃先を鈍角に刃を付ける小刃は、鈍角過ぎると場合によっては悪くする可能性も考えられます。

ではどれくらいの角度が切れ味の持続をよく感じるのか。

逆に鈍角な刃はどれくらいの角度を超えると悪く感じるのか。

これを探すことは急務だと感じます。



そしてこの結果を引き起こしたのは僕の教え方の問題です。

今回の件で感じるのは、小刃研ぎの研ぎ時間の早さ、欠けにくさを優先して教えてしまい、鈍角な研ぎをさせてしまっていたということ。

また自分で研ぐ時の角度と、研がれているのを見て指示した角度がずれていた可能性もあります。

遠方からお越しいただいていたのに申し訳ないですm(__)m



切る食材、使われる期間でも刃付けは変わるのが研ぎの難しいところ。

たとえば給食関係の方で、毎日大量に多くの食材(野菜)を中心に切られる場合は鈍角で欠けにくさを優先し、庖丁自体の薄さで切れるように研ぐのがよいように感じています。

約一年間研がずに使い続けることが多いため、小刃がなかったり、あまりに薄く研ぎすぎると切れ味が落ちたとき力で切れ味をフォローし始め、刃先がボロボロに欠けやすくなるのです。

しかし今回はプロの料理人さんで、最高の状態を求めていらっしゃていただいたのですが・・・。

しっかり実験をして、角度のお話をご連絡できればと思います(>_<)



明日は今年初の研ぎ講習!

実は三件も講習のお電話をいただきました(⌒‐⌒)

しかし残念ながらお一人断ってしまったのですが、明日来られる方は革裁ち包丁の研ぎ方をとおっしゃっていらしたので、ブログの関係の方かもしれません(*≧∀≦*)

お会いするのが楽しみです。

さぁ明日もがんばるぞ!