昨日は兵庫からお客様が研ぎ講習に来店されました。
和食の料理人さんでとても熱心に話を聞いてくださり、とても気持ちの入る講習でした。
しかし実際に研いでいただく場面で僕が研いでしまうことが多く、そのため内容の薄いものとなってしまいました(TωT)
申し訳なかったです。
今後の研ぎに悩まないように、レジュメをお送りしたいと考えています。
一本研ぎ依頼も承りましたので、切った食材の味が美味しくなる切れ味を確かめていただけるようにしっかり研いで、レジュメと一緒にお返ししたいと思います(°∀°)b
そんな今日は少しだけ研ぎに余裕ができたので本を読みました(≧▽≦)
先日から休憩などの間に少しずつ読んでいるものなのですが、いつもお世話になっているまるう水産さんにお借りしたものです。
タイトルは「金属材料のマニュアル」です。
まるう水産さんに「読んでみて」と言われたので意味があるとは思っていましたが、この本に書かれていた内容にはかなり驚き、また腑に落ちた部分がありました。
それは「硬さ」の話です。
僕はずっと「硬さ」=「硬度」と思っていました。
しかしそれが間違えだったのです( ̄□ ̄;)
JISのかたさ試験方法が4つあるのですが、それらで計測されたものは全く違うものであり、比例しないというのです。
ブリネル、ビッカース、ロックウェル、ショアという試験方法の間で試験された数値が、同じように変化しないのです。
長さの単位はメートル、フィート、インチなど言い方は違っても、違った単位の間では正比例します。
要するに長さや重さは単位の言い方が変わるだけですが、硬さは単位が変わると数値が変わってしまうのだというのです。
また同じものの硬さを測っても、場所を変えて同じ結果が得られるとは限らないそう。
ですから硬度ではなく硬さであり、硬さは測定するものではなく、試験するものであるのです。
だから硬度計はないんですって( ̄□ ̄;)
「では刃物でよく聞く硬度って言い方が間違えているの?」と思いますよね?
そこで「硬度」というワードを検索すると・・・。
水の話が出てきました(@ ̄Д ̄@;)
「硬さ」で調べると金属の話が出てきました。
金属は「硬さ」なんですね。
刃物ではよくロックウェル(HRC)を使い、硬さを表記したりしています。
では刃物の硬さは何を意味するのでしょう( ̄□ ̄;)
もちろん硬さは切れ味や刃持ちに影響はあるでしょう。
ですからHRC55とHRC60の刃物を比べた場合、硬さは刃物を選ぶ指標の一つになるかと思います(⌒‐⌒)
しかし同じロックウェルの硬さの刃物で比べた場合どうでしょうか。
僕は作りで全く違うものに感じます。
例えば表示では同じ硬さの同じ鋼材でも、砥石でよく研げ、それでいて欠けにくいものあれば、砥石の上を滑りなかなか研げず、しかも薄くすると欠けやすいものもあります。
市場にはほとんど出回っていませんが、鍛造した洋包丁とそうでないものは、先程書いた研いだ感触も、削れて出る黒いクズも異なります。
同じ鋼材、硬さでも作り手が違えば仕上がりは違うのです。
硬さは開きがあるときは参考にしても、硬さが近い、もしくは同じ場合は研いだ感触や特徴を参考にしたほうがよいのかもしれませんね。
昔の刃物は鍛造が当たり前のようにされていたので硬さはよい指標だったのかもしれません。
しかし今は鍛造しない刃物も多いので、硬さだけでは刃物の性能を測ることができないように感じます。
硬さって難しいですね(^_^;)
今日ゆっくりした分、明日は研ぎをしっかりしますd(⌒ー⌒)!
さぁ明日もがんばるぞ!