足らない砥石と技術 | 包丁研ぎ師月山の包丁研ぎ磨ぎブログ

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人として包丁研ぎ師としての日常や発見、気づきなどを書いています。

目指すは包丁研ぎ世界一。みなさんに少しでも刃物に興味を持っていただければ幸いです。

高級鍛造刃物販売、修理研ぎをする三代目です!

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昨日は大変有意義な一日でした。

朝から延々天然砥石で研ぎをお庭で庭木を見ながら研ぎました:*:・( ̄∀ ̄)・:*:

実は僕の仕事場は水を溜めて使うようになっており、排水の設備がありません。

また水も出ないので、常に水に悩まされています。

それは水の中に使った大小の砥石の粉が混ざり込み、下から水をかけると当然砥石に粉が乗るのです。

それを解消するため、霧吹きや、ウォーターサーバーなどいろいろしていますが、煩わしいし暖かいので外で研いでしまえと、庭で研いでいました(⌒‐⌒)



そんなとき、砥取屋さんのコーディネーターさんからお電話が!

なんとお土産を持ってきていただけるとのことヾ(゜0゜*)ノ

楽しみに待っていました(*≧∀≦*)



来店いただき頂いたのがこちら↓


ちょっと分かりにくいかもしれませんが、大谷山の共名倉です(*´∇`*)

なんとも贅沢な名倉かもしれませんね!

実は以前も名倉をいただき、仕事をするためにとても助かっています。



そんなコーディネーターさん、ご自慢の砥石を持ってきており、なんと研がせていただきましたo(*⌒―⌒*)o

前回砥取屋さんに行ったときや話をしていてお互いに感じていたのですが、砥石に対する好みが近いのです。

今回研がせていただいたものはどれも研ぎ心地よく、また砥石の仕上がりの違いを感じさせていただきました。



今楽しく使っている大谷山ですが、手持ちの合さから大谷山に砥石を替えて研ぐには、若干研磨力が足らないように感じていました。

もちろん相性はあるのですが、やはり合さから少し大谷山まで距離を感じるのです。

それを朝の研ぎでも感じていたのですが、今回お借りした砥石を使って、やはり間に挟む砥石が必要だと確信しました。

その間に挟む砥石に「千枚」がいいのではと思っていたのですが、コーディネーターさんが砥取屋さんに聞いた話では、2年~5年は採れないかもしれないとのことでした(*ToT)

しかし!

お手持ちの千枚をお譲りいただけることになったのです(*≧∀≦*)

それがこれ↓


当たりは優しく、さらっとした研ぎ汁で砥粒も細かい。

とても気に入りました!

正式に僕のものになったわけではないですが、早く手にしたいです(*≧∀≦*)



しかし困ったことも( ̄▽ ̄;)

今度は千枚と合さの間が欲しくなってしまいました(^_^;)

強いて言うと今ある合さと白巣板が若干性能面が被り気味なのです。

贅沢を言うなら、千枚と白巣板の間に2つほど違いのある砥石が欲しいですね!

ちなみにコーディネーターさんのお勧めは敷内曇のようです。

また砥取屋さんに行かねば(*≧∀≦*)



でも天然砥石が揃い、できることがわかってくると、自分の技術の無さを痛感します( TДT)

研ぎ一生と言いますが、やればやるほど終わりが見えなくなっていきます( ̄▽ ̄;)

今まで自分で積み上げた研ぎは、壊れた包丁をいかに早く、確実に切れ味と刃持ちを出すかを目指してきました。

ですから天然砥石を使うのはあくまで刃先の切れ味を担う部分だけでした。

しかし美術的な綺麗さを持ち、それによって刃物の性能を見極めることができる研ぎを知り、自分がやってきた研ぎとは違うものだと感じています。

日本刀の研ぎに限りなく近い研ぎかもしれません。

そんな研ぎが必要なのか?と言われることもありますが、その研ぎができてやらないのと、できないのでは意味が違いますし、それができることで得られる研ぎに対する感覚や刃物との相性の合わせ方は必ず必要だと思っています。

その研ぎをするしないはできるようになってから考えることにして、今はもっと技術を磨いて天然砥石を使いこなせるように精進しようと思います!



明日は定休日です。

ちょっとこのGWの疲れを取るため、ゆっくりします(^_^;)

毎日研ぎ過ぎて腰が( ̄▽ ̄;)

また木曜日からがんばります!