「ニースのロミオは、自分の中でも伝説」
そう語ったゆづるくんが、
4年間の集大成、さいたまワールドの最後の舞台に連れてきたのは、
その、ニースのロミオだった。
3年前の羽生結弦選手とは別人のように大人びた、
五輪メダリストであり、
GPF、ワールドと三冠を達成した、
絶対王者となった、2014の羽生結弦が、
今、リンクに立っている。
流れてきた音は、
ショーで使っていたことのある、スローパートからのものだった。
あの日のゆづを抱き締めるかのうような、
丁寧な丁寧な滑り。
カナダ大会の悲愴のような、キレキレの2014ゆづではなく、
暖かい包容力に溢れた、大人のゆづ。
どこに、そんなゆづがいたの?
どこに隠れていたの?
そうかあ、
わかったよ。
苦しくて苦しくて、
悩みながら、
絶望の中で前に進むしかなかった、あの傷だらけの泣き虫ロミオ、
幼い少年だった2011シーズンのロミオに、
胸の奥底で寄り添って、ゆっくりと癒やすためにひっそりと息づいていたんだね。
滲み出す涙も飛び散るほどの勢いでツイヅルは花となって見事さに、
2011ゆづとは別人のような力づよい滑りで氷を押すゆづは、
幼いゆづと一緒に叫び、跳ぶ!
ジャンプは一つも取りこぼさない、いや、外すはずなどない。
雄大な弧を描き、虚空へと飛び上がる!!!!
そして、
息をもつかせないステップ
フィニッシュの瞬間、
あの日の幼いロミオは、昇華しました。
私たちの記憶の中に残像だけを残す、伝説へと。
もう、あの日のゆづはいない。
もういちど、しっかりと抱き締めてもらったから、
ありがとうと微笑んで、
愛されていることを、
忘れ去られるのではなく、
一つの大切な記念碑として、
いつまでも大切にしてもらえることを確認して、
消えていったのだなと。
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