移乗と移動(再掲載) | 月のベンチ

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両親の闘病記


毎日病院に通っていると、様々なことに気づいてしまう。

たとえば、移乗と移動。

母のストレッチャーや車椅子への移乗(車椅子も簡易ストレッチャーになるリクライニング式車椅子使用)は、スライディングボードを使用してベッドから身体を横に滑らせるように移乗させる。
ここでベッドとストレッチャーに隙間がないように横付けするが、隙間があれば長い体交クッション等で平らにしている。(落ちたら大変)

時々、スタッフさんたちは二三人で母を勢いよく高々と抱き上げて、まるで遊園地の乗り物に乗っているかのような移乗方法を取ることもあるようだ。
これはいきなりやられる患者さんにとっては、かなりびっくりする方法ではないだろうか? 
心臓が悪い方は危ないのでは?と思ってしまった。

また、ストレッチャーや車椅子での移動だが、検査などで急いでいるとき(なぜ急ぐの?業務が押せ押せ?)、ストレッチャーを押している人は意識しないかもしれないが、そのスピードが乗っている患者さんには怖く感じることがある。
しかも、風をきるから寒い。
たぶんそれぞれが体験してもらうとわかると思うが、自分たちの都合で患者さんを驚かせていることはないだろうか?
次から次に仕事があるのは分かるが。。。

とくに母はそうした移乗・移動で緊張が異様に高くなる。

私は病院側に、口頭はもちろん、投書箱や嘆願書などを通して、いくつかの改善をお願いしてきた。
上記もそのうちの一つ。

移乗や移動もそうだが、吸引(される方)もぜひ医療・介護職の方々に体験してもらいたい。
気管内吸引の体験は無理(当たり前)だが、口や鼻からの吸引をされる側の体験は出来るはず。
吸引中は呼吸が困難になる。
痰を引くことだけにとらわれず、患者さんの状態を確認しながら、休止を入れながら、素早く行って欲しい。

もうひとつ。
体位交換のとき。
側臥位にしたとき、下になった肩や腕の状態がどうなっているか、
確認したことがあるだろうか?
体重の軽い方はそうでもないかもしれないが、母の場合、
下になった肩が巻き込まれ、肩の下のパジャマが
しわくちゃになっていることが多い。
腕もときおり身体の下になり、圧迫痕がしばらく消えないことがある。

とても気をつけてくれるスタッフさんもいるが、やはり忙しいのだろう、
残念ながら、ほぼ上記の状態のことが多い。
そして、これは母ではないが、他の患者さんで、
足が柵の上に乗っていたことも数回あった。
これは非常に危険だ。
どのようにしたら、そうなるのだろうか。。。?



大変多忙な職場で、なおかつ人手不足。

見ていると、顔や歩き方にも疲労の色が窺える。
腰や手足に故障を抱える方々もいるだろう。

それでも、意思疎通のできない寝たきりの大切な家族を守りたいため、
それを重々承知の上、お願いしている次第だ。